主要な法執行機関4団体の連合と、それとは別にカトリック指導者ら100人近くからなるグループが火曜、デジタル資産市場明確化法(CLARITY法)の一条項について、捜査当局や検察が金融犯罪と闘ううえで依拠する監督手段を弱めるものだと警告する書簡を送付した。
法執行機関側の書簡は、トッド・ブランチ司法長官代行と、大統領デジタル資産諮問会議の事務局長を務めるパトリック・ウィット氏に宛てられ、全米地方検事協会、全米連邦検事補協会、国際警察長協会、全米保安官協会の連名で出された。
これらの団体は合わせて、検察官、保安官、警察長、捜査官その他の法執行関係者7万人超を代表する。
懸念の中心は、同法案の第604条だ。この条項はブロックチェーン規制確実性法(BRCA)を取り込むもので、利用者のデジタル資産を移動・支配できない開発者やインフラ提供者は連邦法上のマネートランスミッターに該当しない、と定めるものとなる。
推進派は、この文言はソフトウェア開発者を刑事訴追から守るために不可欠だと主張する。これに対し法執行機関側は、除外の範囲が広すぎると反論している。
「現行の草案のままでは、第604条は監督と説明責任に空白を生み、こうした取り組みを妨げかねない」と団体側は記し、懸念の対象は「単にソフトウェアのコードを書いたり公開したりするだけの個人でも、責任ある技術革新でもない」とし、捜査を妨げつつデジタル資産の移動を助ける主体を保護しかねない除外規定にあると付け加えた。
団体側はさらに、同法案はAML(マネーロンダリング対策)およびCFT(テロ資金供与対策)の要件の面でも不十分だと主張する。伝統的な金融仲介業者に課されているものと同等の、疑わしい取引のモニタリングおよび報告義務を定めていない、というのがその指摘だ。一部の条項により、ミキサーやタンブラー、一部の分散型金融(DeFi)関連事業者がAMLやKYC(本人確認)の要件を免れる恐れがあると警告した。
もう一通の書簡は、ジョン・スーン上院多数党院内総務とチャック・シューマー上院民主党院内総務に宛てられ、人身取引根絶同盟(Alliance to End Human Trafficking)、イエズス会会議の正義・環境局、多数のカトリック修道女やサバイバー支援者を含む約80の団体・指導者が署名した。
「人身取引業者は、監督が追いつかなくなると、新たな技術をすばやく悪用する」と団体側は記し、同法案の規制上の空白によって、人身取引や児童搾取、組織犯罪に結びついた資金の流れを追跡することがより困難になりかねないと論じた。
背景:CLARITY法とは何か
デジタル資産市場明確化法(H.R. 3633)は、ここ数年で議会を通過しつつある暗号資産関連法案として最も重要なものだ。下院は2025年7月、294対134で可決した。上院銀行委員会は2026年5月に15対9で可決し、本会議採決にかけられる上院立法カレンダーに載せた。
同法案はデジタル資産の監督権限を証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)に分割し、暗号資産取引所、ブローカー、ステーブルコイン発行者、DeFi参加者に向けた枠組みを設ける。
トランプ政権はこの法案を優先課題と位置づけており、暗号資産業界の団体は第604条の開発者保護を維持するよう働きかけてきた。
上院で前に進むには、法案は60票を必要とする。この基準は穏健派の民主党議員に大きな影響力を与える。バージニア州選出のマーク・ワーナー上院議員とネバダ州選出のキャサリン・コルテス・マスト上院議員は、いずれも第604条に対する法執行機関の同意を支持の条件としており、今回の反対書簡は法案の見通しに対する直接的な脅威となっている。
前日には、議会がCLARITY法に関する公聴会を7月17日にニューヨークで開くことを決めた。SECとCFTCに監督権限を分割するこの主要な暗号資産市場構造法案について、議員らは年内の可決に向けて動いている。