米国の下院金融サービス委員会は、デジタル資産市場明確化法案「Digital Asset Market Clarity Act, H.R. 3633(通称:CLARITY法案)」に関する公聴会を7月17日にニューヨークで開催する予定だ。
2025年5月29日に下院金融サービス委員会のフレンチ・ヒル委員長によって初めて提出されたこのCLARITY法案は、米国におけるデジタル資産の持続的な規制枠組みを構築しようとする、これまででもっとも重要な試みである。
その中心的な仕組みは、規制当局の管轄権を分割することにある。すなわち、米商品先物取引委員会(CFTC)が「デジタル商品」の現物市場に対する独占的な監督権限をもつことになり、その代表例としてビットコインが挙げられる。一方、米証券取引委員会(SEC)は投資契約に該当するデジタル資産に対する管轄権を引き続き保持する。
🇺🇸 米議会が「CLARITY Act」に関する公聴会を7月17日に開催予定 👀
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— Bitcoin Magazine Japan (@BitcoinMagJapan) June 23, 2026
管轄権の分割問題は、長年にわたり業界の不満の原因となってきた。明確な線引きが存在しないため、企業は両規制当局による重複した執行措置に直面しており、それがイノベーションを阻害し、開発拠点を海外へ流出させる要因となっていた。SECおよび米財務省の当局者は、議会に対してこの膠着状態を解消するよう強く求めており、CLARITY法案はそれを実現するためのもっとも具体的な手段となる。
この法案は、第119議会において支持を拡大してきた。5月14日には、上院銀行委員会がCLARITY法案を賛成15、反対9で可決した。賛成票には共和党議員13名全員に加え、民主党議員2名も加わった。ただし、複数の委員会メンバーは、政府高官と暗号資産をめぐる金銭的利害関係を扱う倫理条項についてさらなる修正が行なわれない限り、自分たちの賛成票が本会議での支持を保証するものではないと指摘した。
6月1日までにこの法案は上院の一般命令下の立法カレンダーに議事日程番号423として登録され、上院本会議での正式な審議対象となった。
しかし、法案成立への道のりには依然として障害がある。この法案は、まず上院で60票の賛成を確保する必要があり、その後、上院農業委員会の案との内容調整を行ない、さらに下院で可決された条文との整合性を図ったうえで、大統領の署名に回されることになる。
下院は以前、 CLARITY法案を、GENIUS法案および反CBDC(中央銀行デジタル通貨)関連条項と併せて前進させる動議を可決しており、包括的な立法パッケージとして扱うことへの幅広い支持を示している。
100社を超える暗号資産関連企業が上院に対して法案の審議を進めるよう働きかけており、開発者責任に関する条項をめぐる初期段階の対立(その際にはCoinbase社が一時的に支持撤回をちらつかせた)はあったものの、業界連合は概ね結束を保っている。
Galaxy Researchは現在、この法案が2026年内に成立する確率を60~75%と推定しており、早ければ8月3日の週にも大統領の署名が行なわれる可能性があると予測している。7月17日の公聴会は、そのスケジュールが実現するかどうかを判断するうえで極めて重要なシグナルとなる見込みだ。
上院では住宅法案が可決し、CLARITY法案も前進
これと並行して進んだもうひとつの重要な動きとして、上院は6月22日に「21st Century ROAD to Housing Act(21世紀住宅供給法)」を85対5の賛成多数で可決した。この住宅供給法案には、2030年末まで連邦準備制度理事会(FRB)によるCBDCの発行を禁止する条項が盛り込まれている。
法案の文言は明確だ。FRBは「2030年12月31日まで、金融機関やその他の仲介機関を通じて直接的または間接的に、中央銀行デジタル通貨、あるいは中央銀行デジタル通貨と実質的に類似するデジタル資産を発行または作成してはならない」と定めている。
下院はすでに、GENIUS法案の採決と併せてCBDC反対法案を可決しており、住宅関連法案の初期案も2月に390対9の賛成多数で可決されていた。
下院共和党指導部は、6月23日の休会明けに、上院で修正された法案について速やかに採決を行なう計画を示している。
ホワイトハウスの支持と上院での圧倒的多数の賛成を得たことで、このCBDC禁止条項は、成立がほぼ確実視されている住宅改革法案に付随するかたちで、大統領の署名に回される可能性が高まっている。