エルサルバドルはいまもビットコイン・カントリーだ、たとえビットコインが法定通貨でなくなったとしても……。少なくとも、私の視点ではそうだ。
まず、この問題の背景を説明しよう。
2025年1月29日、エルサルバドルの立法議会はビットコインの法定通貨としての地位を撤廃する決議を可決した。
これにより、国内の企業はもはやビットコインを受け入れる義務を負わなくなった(もっとも、ビットコインが法定通貨として認められていた間も、この義務が厳格に施行されていたわけではなかったようだ。しかし、私が聞いた話によると、マクドナルドやウォルマートといった国内で営業する大企業は今後ビットコイン決済を停止する可能性があり、これは普及に悪影響を及ぼしかねない)。
この変更は、国際通貨基金(IMF)とエルサルバドル当局の間で交わされた合意から約1カ月後に行なわれた。その合意内容は次の通り。
- エルサルバドルは政府の「改革アジェンダ」を支援するために14億ドルの融資を受ける。
- ビットコインに関連するリスクを軽減すること。民間企業のビットコイン受け入れは完全に任意とし、公的機関のビットコイン関連活動は“制限”される(政府の債務返済や税金の支払いにビットコインは使用できなくなる)。
- 政府が作成したビットコインウォレット「Chivo(チボ)」の運営を“縮小”する。
エルサルバドル政府がIMFの影響を受けてビットコインの法定通貨としての地位を撤回したというニュースは、エルサルバドル国民でもなく、同国の居住者ではない私にとっても大きな衝撃だった。しかし、それでも私は、エルサルバドルがビットコイン・カントリーであることに変わりはないと確信している。
そして、この確信は、エルサルバドルのビットコイナーたちがXに投稿している内容を見るにつれて、ますます強まっている。
例えば、エルサルバドル国内でビットコイン循環経済を推進する「Bitcoin Berlin(ビットコイン・ベルリン)」の共同創設者であり教育ディレクターのEvelyn Lemus氏は、一般のエルサルバドル国民にビットコインを教えることをやめるつもりはない、と投稿。
Just saying it out loud.
Bitcoiners will not stop teaching about Bitcoin and making the adoption happen just because Bitcoin is not legal tender anymore. This means we need to keep pushing harder and keep doing what we do 🇸🇻
LFG🙌
Bitcoin in the hands of people 🫡 pic.twitter.com/hnMpJmL5c7— Evelyn Lemus (@Evelynlemus2906) February 2, 2025
また、タクシー料金の支払いにビットコインを受け入れている「Bit Driver(ビット・ドライバー)」のチームも、いまのビジネスモデルをすぐに変更する予定はないようだ。
We’re still a Bitcoin a company.
— Bitdriver (@bitdriver_sv) February 2, 2025
「Mi Primer Bitcoin(ミ・プリメル・ビットコイン)」の創設者であるJohn Dennehy氏は、エルサルバドル政府がビットコインの法定通貨としての地位を撤回したことに懸念を示したが、それでも彼と彼のチームはこれまで以上に活動を強化する計画のようだ。
Good morning from El Salvador!
We are now in DAY NINE since the government rescinded Bitcoin as legal tender, at the request of the IMF (effective after 90 days)
This means grassroots, independent Bitcoin education is now MORE important than ever
In response, at… pic.twitter.com/iTXdf0gAoL
— John Dennehy (@jdennehy_writes) February 7, 2025
さらに、伝説的なビットコイン支持者であるマックス・カイザー氏とステイシー・ハーバート氏は、エルサルバドルへの関与をやめるとはひと言も言っていない。
ハーバート氏が運営するエルサルバドル・ビットコイン・オフィスは、いまもビットコインを蓄積し続け、国内でのビットコイン教育プログラムの運営を支援している。
🇸🇻EL SALVADOR STACKS ANOTHER 1 BTC TO STRATEGIC RESERVE
El Salvador is still stacking.
Every day.
➡️Total SBR Holdings: 6,071.18 BTC
➡️Total Added Today: +1 BTC
➡️Total Added Past 7 Days: +22 BTC
➡️Total Added Past 30 Days: +60 BTC… pic.twitter.com/y4kv2693BX— The Bitcoin Office (@bitcoinofficesv) February 7, 2025
以上から得られる教訓。それは、エルサルバドルにおけるビットコイン関連の法律は変わったかもしれないが、現地のビットコイナーたちはほとんど動じていないということだ。
なぜなら、われわれこそがビットコインだからだ。もっとも重要なのは、日々の生活を送るエルサルバドル国民や、同国のビットコイン運動にかかわるすべての人々が、これからもビットコインの使命を推進し続けることだ。
IMFは一撃を加えたかもしれないが、エルサルバドルのビットコイナーたちは依然として、より広範なビットコインの普及に向けて尽力し続けている。
つまり、エルサルバドルは、いまもビットコイン・カントリーなのだ。
本記事は、寄稿者によるコラム「Take」です。記事内に述べられた意見は、完全に筆者個人のものであり、BTC IncやBitcoin Magazineの見解を必ずしも反映するものではありません。