Coinbase社のCEOであるブライアン・アームストロング氏は、米上院の銀行委員会がまとめたCLARITY法の最新草案を支持できないと述べ、この草案は現行規制上の“現状維持”よりも米国の暗号資産業界を悪化させる内容になっていると警告した。
アームストロング氏はXの投稿で、いくつかの懸念事項を挙げた。懸念点には、トークン化された株式の事実上の禁止、政府にユーザーの金融データへの広範なアクセスを与えかねない分散型金融(DeFi)への新たな規制、商品先物取引委員会(CFTC)の権限を弱める一方で証券取引委員会(SEC)の権限を拡大する条項などが含まれている。
「過去48時間にわたって上院銀行委員会の草案テキストを精査した結果、残念ながらCoinbaseはこのままでは法案を支持することはできない」と、アームストロング氏は投稿した。
さらに、ステーブルコインに対する報酬を廃止する修正案についても批判し、これにより銀行が新興の競合相手を抑え込むことが可能になると主張した。
アームストロング氏は「悪い法案があるよりは、法案がないほうがマシだ」と述べ、Coinbaseは暗号資産を従来の金融サービスと同等に扱う規制枠組みの実現を引き続き求めていくと付け加えた。
🇺🇸現在審議中のCLARITY Act(暗号資産マーケット構造法案)について、CoinbaseのCEO、ブライアン・アームストロング氏は「現行の内容のままでは支持できない」と発言 👀
「悪い法案なら、法案がない方がましだ」
(詳細は画像ALTにて) pic.twitter.com/72rYUsu1aK— Bitcoin Magazine Japan (@BitcoinMagJapan) January 14, 2026
これらの発言は、上院銀行委員会が1月15日の木曜日にCLARITY法案の修正審議を行なう予定とされている前日に投稿されたものだ。
この法案は、デジタル・コモディティ、投資契約、決済用ステーブルコインといったカテゴリーを定義し、SECとCFTCの間で監督権限を分担することで、米国のデジタル資産市場の制度設計を明確化しようとしている。
Coinbaseのステーブルコイン報酬をめぐる問題
ステーブルコイン報酬は、交渉における大きな争点となっている。Coinbaseは、USDCのようなステーブルコインに紐づく利回りプログラムが制限される場合、同法案への支持を撤回する可能性があると、議員に警告していたと報じられている。
CoinbaseはUSDCの準備金から得られる利息収入を分配しており、Coinbase Oneの顧客に約3.5%の報酬を提供するなど、その収益の一部をユーザー向けインセンティブに充てている。
ステーブルコイン関連の収益は2025年に最大で13億ドルに達する可能性があり、この問題はCoinbaseのビジネスモデルの中核をなしている。
銀行業界団体が利回り付きのステーブルコインは既存の銀行から預金を流出させる可能性があると主張する一方で、暗号資産企業は、報酬を禁止すればイノベーションが阻害され、ユーザーが海外のプラットフォームへ流れるだけだと反論している。
「努力を続ければ最終的には正しい結果が得られると、実のところかなり楽観的に考えている。私たちは引き続きあらゆる関係者と協力し、目標の実現に向けて取り組んでいく」と、アームストロング氏はその後Xに投稿した。
ストラテジー社の会長であるマイケル・セイラー氏は、アームストロング氏の投稿をリツイートし、この判断への支持を表明した。