ロイターの報道によれば、ホワイトハウスは2月2日(月)、銀行および暗号資産業界の幹部を一堂に会する緊急会合を開催する。目的は、行き詰まりを見せる米国の暗号資産法案を打開し、前進させるための道筋をつけることだ。
政権直轄の「暗号資産評議会(Crypto Council)」が主催するこのサミットには、主要な業界団体のトップらが参加すると見られている。議論の的は明白だ。それは、ドルペッグ・ステーブルコインが顧客に支払う「金利・報酬」の扱いである。ここが、最も激しい係争地となっている。
法案を巡る交渉は、利害の衝突と業界からの猛反発によって泥沼化していた。今回の会合は、強引にでも妥協点を見出し、立法プロセスを再起動させようとするトランプ政権の並々ならぬ意欲の表れと言える。
なお、ロイターによるとホワイトハウスからの即時のコメントは得られておらず、この情報をリークした3名の関係者も匿名を条件に語ったという。
🇺🇸 ホワイトハウスは米国現地月曜日、
暗号資産の市場構造を巡り、
暗号資産・銀行業界の幹部と協議へ — Reuters pic.twitter.com/pK7zCpOQqb— Bitcoin Magazine Japan (@BitcoinMagJapan) January 29, 2026
クリプト法案、その停滞の背景
包括的な規制への期待が高まっていた米国の連邦政策は、数ヶ月にわたる活発な動きを経て、今や完全に停止状態にある。
2025年7月、下院は主要な市場構造法案である「CLARITY Act」を通過させた。SEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)の管轄権を明確化し、デジタル資産のルールを定める──そんな希望を背負って上院へ送られた法案だった。
しかし1月初旬、事態は急転する。上院銀行委員会は予定されていたCLARITY Actのマークアップ(法案修正手続)を延期したのだ。Coinbaseを含む業界の有力プレイヤーが、土壇場で支持を撤回したことが決定打となり、プロセスは崩壊した。
銀行 vs クリプト:深まる溝
批判の矛先は、土壇場で加えられた修正案に向けられた。ステーブルコインの報酬制限、DeFi監視の変更、そして伝統的金融規制当局への権限移行──これらはイノベーションを骨抜きにするものだと、業界は猛反発した。
CoinbaseのCEO、ブライアン・アームストロングは当時、こう明言している。 「上院銀行委員会の草案を48時間かけて精査したが、残念ながらCoinbaseはこの法案を現状のまま支持することはできない」
アームストロングはさらに踏み込み、大手銀行がロビー活動を通じてステーブルコイン条項を書き換えさせたと公然と糾弾した。銀行側の狙いは、業界を弱体化させ、利回り商品(Yield-earning products)を窒息させることにある──彼の告発は、銀行権益とクリプト支持派の間の溝がいかに深いかを浮き彫りにした。
今後の展望
この遅延により、規制の明確化は遠のいたままだ。上院での議論は現在、広範な政治的駆け引きと手続き上の延期策の網に絡め取られている。
だが、動きはある。上院農業委員会は米国現地木曜日、デジタル資産市場の管轄権を明確にする市場構造法案の採決を予定している。
このマークアップには暗号資産に関連するいくつかの修正案が含まれており、法案を上院本会議へ進めるかどうかの最終判断が下される。民主党の支持が得られるかは依然として不透明だ。しかし、交渉決裂の引き金となるような「無関係な修正案(deal-breakers)」が含まれていないことから、法案前進への期待は辛うじて繋がっている。