Home政治英国、画期的な暗号資産規制を発表——世界的ハブを目指す

英国、画期的な暗号資産規制を発表——世界的ハブを目指す

英国は暗号資産事業者に資本要件・ストレステスト・市場濫用防止基準の遵守を求める、これまでで最も包括的な規制の枠組みを発表した。一方でステーブルコイン規制の一部は緩和した。

英金融行為監督機構(FCA)は今週、暗号資産業界向けの画期的な規制の枠組みを公表した。資本要件・市場濫用対策・ステーブルコイン基準を定めたもので、2027年10月に発効する認可制度の義務化に先立つ措置となる。

今回の枠組みは、FCAの監督権限のここ数年で最大の拡張にあたる。2026年2月に成立した法律により、暗号資産は初めて同規制当局の管轄下に置かれた。

対象となるのは、暗号資産取引プラットフォーム、カストディアン、ステーブルコイン発行体、レンディング・借入サービス事業者、ステーキング事業者、そして支配的な主体が特定できる一部の分散型金融(DeFi)事業者など、幅広い業態に及ぶ。

新制度の下、規制対象となるすべての暗号資産事業者は、最低資本バッファーや年次ストレステストを含むプルーデンス要件を満たす必要がある。イングランド銀行から個別のシナリオを与えられる銀行とは異なり、暗号資産企業は自社の内部リスクモデルに基づいてテストを設計し、その結果を毎年FCAに提出する。

各社は自らのバランスシート上のリスク量を判断し、それに応じて保有すべき資本の水準を決める。

つまり、新制度では英国で事業を行う暗号資産企業は、最もリスクの高い資産に対して資本を保持し、自社設計の年次ストレステストを実施しなければならない。銀行に課される基準よりは緩やかだが、この業界にとっては初めての枠組みだ。

枠組みにはインサイダー取引や相場操縦を対象とする市場濫用防止ルールも盛り込まれた。暗号資産セクターがこれまで監視の目にさらされながらも、執行事例が限られてきた領域だ。大手取引プラットフォーム事業者は業界主導の監視体制に従う一方、義務的なオンチェーン監視の対象範囲は当初案から縮小された。

英国の適格取引プラットフォームに上場する対象暗号資産は、単一の「40%のネットリスクポジション要件」と「40%のカウンターパーティ・デフォルト向けボラティリティ調整」の適用を受ける。これは、協議段階で提案されていた二段階の分類制度に代わるものだ。

ステーブルコインと暗号資産分野での譲歩

FCAは業界からの反発を受け、ステーブルコイン発行体に譲歩した。ステーブルコイン発行に適用される資本係数は、発行済みトークンの総額に対して当初案の2%から1%に引き下げられた。

この引き下げは、欧州連合のMiCA規制や、整備が進む米国のステーブルコイン法制に対して英国の競争力を維持する狙いがある。いずれも暗号資産企業を他の法域へと引き寄せる要因となっている。

ステーブルコイン事業者は、流動性圧力に対応するため、裏付け資産プールの中に最大5%の余剰現金を保有することが認められる。裏付け資産の償還予測義務は撤廃され、追加のセーフガードを条件に、グループ内での限定的なカストディ取り決めも認められる。

FCAの認可申請期間

新制度の下で事業を継続するには、暗号資産企業はFCAの認可を取得する必要がある。既存のマネーロンダリング対策(AML)登録は新制度下の認可へ自動的に移行せず、企業は改めて申請しなければならない。申請受付期間は2026年9月30日に開始し、2027年2月28日に終了する。FCAは7月から、企業の申請準備を支援する事前相談の場を設ける予定だ。

制度が発効する2027年10月25日までの間、規制当局による暗号資産企業への監督は、金融プロモーションおよびマネーロンダリング対策に関する規制にとどまる。

FCAの決済・デジタル金融担当エグゼクティブディレクター、デイビッド・ギール氏はこの枠組みを画期的な一歩と位置づけた。「規制の確実性とイノベーションの余地のどちらかを選ばせるのではない枠組みを作り上げた」と同氏は述べた。「消費者にとっては、暗号資産事業者が他の金融サービス事業者と同様の基準を課されることを意味する。ただし、規制によってリスクをなくせるわけではない」

この枠組みは、暗号資産規制をめぐる各国間の競争が激化するなかで発表された。EUのMiCA規制はすでに施行されており、米国もドナルド・トランプ大統領の下でステーブルコイン法制の整備を進めている。同政権は暗号資産の主流化を後押ししてきた。英国は自国の制度を、拠点選びを検討する事業者にとって安定的でイノベーションに友好的な選択肢として位置づけている。

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  • Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。

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Micah Zimmerman
Micah Zimmerman
Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。
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