長らく成立が待たれてきた暗号資産のCLARITY法案は、8月の休会が近づくなか、さらに先送りされる可能性がある。
先週はコインベースをはじめとする暗号資産大手が楽観的な見方を示し、大手金融機関からの支持も示されていた。それにもかかわらず、議員らは8月6日または7日から始まる5週間の休会を前に、ほかの法案の採決を優先しているようにみえる。
民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は、8月2日付のPunchbowl Newsの記事で「上院では、暗号資産が選挙で無敵だという見方に疑問を持ち始める議員が増えている」と語ったと伝えられている。
暗号資産に前向きな共和党議員、たとえばシンシア・ルミス上院議員は、民主党が意図的に法案を押しとどめているとして批判してきた。民主党の議員から、現在の法案は不十分だとする指摘が出たことを受けたものだ。
暗号資産に批判的なウォーレン氏は、法案が政府による暗号資産の宣伝を禁じているにもかかわらず、この法案は犯罪者やカルテルによる資金移動を可能にし、ドナルド・トランプ大統領がさらに利益を得ることにつながると主張してきた。
CLARITY法案は昨年、超党派の支持を得て下院を通過したものの、今年は膠着状態が続いている。成立すれば、米国のデジタル資産規制の枠組みを定めることになる。
7月には、倫理面の懸念に対応する新たな法案文案が出回り始めた。この文案は、公職者とその家族が暗号資産を発行または宣伝することを禁じる内容だ。
法案が今年停滞してきた背景には、銀行業界のロビー団体がステーブルコインの利回りをめぐって示してきた懸念がある。暗号資産取引所が顧客に魅力的な報酬を支払えるようになれば、預金基盤を失いかねないという主張だ。
議員の一部が暗号資産業界に対して抱くもう一つの争点が、トランプ大統領のビジネス上の利害である。同氏の家族がミームコインや、分散型金融(DeFi)プロトコルのワールド・リバティ・フィナンシャルで利益を上げてきたことから、利益相反を指摘する声も出ている。
法案の動きが鈍いなかでも、フィデリティやゴールドマン・サックスといったウォール街の大手企業、そして法執行機関の団体は、現在の形の法案を支持している。
また、Solana Policy Instituteの代表で、Blockchain Associationの元CEOであるクリスティン・スミス氏は8月3日、法案をめぐる超党派の作業は続いており、共和党のトム・ティリス上院議員と民主党のルーベン・ガレゴ上院議員が、法案の倫理規定に関する新たな文案の作成で協力していると、Xに投稿した。
議員らと法案の詰めの作業を続けてきたコインベースは先週、法案について前向きな姿勢を示した。同社の最高政策責任者であるファリヤール・シルザド氏は、民主・共和両党が法案の起草に力を尽くしてきたと述べた。
