7月8日(米国時間)、ビットコインは6万2000ドル付近で取引され、先週つけた弱気相場の安値5万7700ドルから6万4000ドルまで回復していた反発分の一部を失った。今回の反落により、暗号資産データプラットフォームのCryptoQuantがサポートラインとしている6万ドルを上回ってはいるものの、底値から約11%に及んだ回復幅の一部が削られたことになる。
この下落は、本日8日に発表されたCryptoQuantの「週刊暗号資産レポート」が市場環境はさらなる上昇に向かっているとの見方を示したなかで起こった。リサーチ責任者のジュリオ・モレノ氏は、今回の上昇をトレンドの反転ではなく、弱気相場における回復局面と位置付け、その最大の注意点として同社の「Bull Score Index(ブル・スコア指数)」を挙げた。この指標は、オンチェーンデータ、市場動向、バリュエーションの状況を0〜100の尺度で総合評価するものだが、現在は20にとどまっており、40以下とされる弱気ゾーンに位置している。持続的な強気相場に結び付くとされる60の水準には達していない。
しかし、このレポートが強気な見方を示す根拠は、季節性にある。過去10年間を通じて、7月はビットコインにとって比較的好調な月のひとつであり、多くの年で月間の終値が前月を上回っている。
この傾向は、2018年と2022年の下降局面にも当てはまる。当時、市場全体のトレンドは依然として弱かったが、ビットコインは7月にそれぞれ約20%と約17%上昇した。レポートは、2026年の7月が弱気相場の底値の後に始まったことを踏まえると、この季節的なパターンによって、短期的なリスクは上昇方向に傾いていると指摘している。
ビットコイン需要は回復に向かう
需要は回復に転じている。現物取引と無期限先物取引を合わせた総需要の30日間の変化は、ビットコイン価格が5万8000ドル付近まで下落した6月初旬に約マイナス65万 BTCまで落ち込み、2022年以来で最大のマイナスとなった。
しかし、その後は中立水準に向けて回復しており、投機的な先物需要はプラス圏に入り、現物市場の売り圧力も5月中旬以来でもっとも低い水準にまで低下した。レポートは、プラス圏に戻れば、需要の原動力が再び活性化したことを確認する材料になると指摘している。
米国における買い需要にも安定化の兆しが見られる。米国の現物需要の指標となる「Coinbase Premium Index(コインベース・プレミアム指数)」は、ビットコインが5万7000ドル付近で底を打った6月初旬にマイナスに転じ、今年もっとも弱い水準のひとつを記録した。
現在もプレミアム指数はゼロを下回っているものの、その推移はビットコインの底値からの上昇の動きと軌を一にしており、機関投資家の需要が安定しつつあることを示唆している。
バリュエーションも下値を支える要因となっている。保有期間が1~3カ月のコインを対象としたオンチェーン上の「トレーダー未実現損益率」は、6月初旬にマイナス24%を下回り、 CryptoQuantが“割安”とみなすマイナス12%の閾値を大きく下回った。レポートによると、このような極端な水準は短期保有者が投げ売りすることで局所的な底値を形成するケースが多く、その後、価格が5万7700ドルから反発するのに伴い、この損益率も回復した。
今回の6万2000ドルへの下落は、レポートが示していた慎重な見方を裏付けている。CryptoQuantは、市場は安値圏を脱しつつあり、内部指標は改善しているものの、市場環境そのものは依然として弱気相場の状態にあると判断している。
同レポートは、持続的な上昇相場が実現するには、「ブル・スコア指数」が60を上回る必要があると結論付けている。それまでは、今回のような上昇をトレンド転換ではなく、弱気相場における回復局面ととらえており、今週の値下がりもその見方を大きく覆すものではないとしている。