米司法省(DOJ)は米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長に対する刑事捜査を開始しており、ビットコイン価格はこれに反応している。この捜査は、ホワイトハウスと米中央銀行との間で数カ月にわたって続いてきた対立を一段と激化させている。
パウエル議長によれば、司法省はFRBに対して大陪審の召喚状を送付し、2025年6月に行なわれたFRB本部ビルの25億ドル以上にのぼる改修工事に関するパウエル議長の証言に関連して刑事告訴すると警告したという。
パウエル議長は今回の動きを政治的動機によるものだとし、経済データ重視の方針をとるFRBに対して大幅な利下げを迫るトランプ政権からの圧力を反映したものだと主張している。
ドナルド・トランプ大統領はパウエル議長の職務遂行について公然と批判してきた一方で、司法省の措置への直接的な関与は否定している。ただし、FRBの金融政策に対する不満を改めて表明した。この対立の激化は伝統的な金融市場を動揺させており、米国株式先物は下落し、金(ゴールド)や銀といった安全資産は過去最高値水準にまで急騰している。
今回の一件は、制度上の緊張が一段階エスカレートしたことを示している。パウエル議長を批判する人々は、司法省の措置は正当であり、FRBの独立性を弱体化させるべきだと主張する一方、FRBを擁護する側は金融政策を政治から切り離すことの重要性を強調している。
ビットコイン価格の反応
このニュースを受けて、ビットコイン価格は過去48時間で顕著な動きを見せた。週末から12日月曜日にかけては比較的停滞していたものの、本稿執筆時点では9万1000ドル〜9万2000ドルのレンジへと上昇した。
Bitcoin Magazine Proのデータによると、ビットコイン価格は11日日曜日から12日月曜日にかけて、日中高値として約9万2400ドルに達した。
11日と12日、ビットコイン価格は両日とも日中で0.5%を超える上昇を記録しており、マクロ経済の不確実性が高まるなかで緩やかな上昇トレンドを示している。
このニュースが発表されて以降、ビットコインの価格は典型的なリスク資産というよりも、安全資産に近い動きを見せているようだ。市場全体の弱含みとは無関係に価格が推移しており、FRBの独立性や米国の金融政策の転換をめぐる懸念のなかで、トレーダーがビットコインをヘッジ手段として位置付けていることを示唆している。
長期的な視点では、ビットコインはここ数カ月で大幅に下落しており、2025年10月初旬に記録した12万6000ドル超の史上最高値を大きく下回ったままとなっている。
2026年1月の第1週、ビットコインは主に8万8000ドルから9万4000ドルの間で推移しており、2025年末の弱含みを受けた後のもち合いレンジを形成している。
ビットコイン価格はこれからどうなる?
最新の「Bitcoin Magazine」の分析によると、ビットコイン価格は先週9万4000ドルでレジスタンスに直面し上昇を維持できず、9万891ドルで取引を終えた。11日に形成されたドージー(十字線)は、市場の動揺と弱気な反転の可能性を示している。強気派はレジスタンスを突破する勢いを欠いており、今週に向けては弱気派がやや優勢になっている。
現在の主要なサポートレベルは、8万7000ドルと8万4000ドルだ。弱気派はビットコイン価格を8万7000ドル割れへと押し下げ、8万4000ドルを試す展開を狙うだろう。この水準を下抜けた場合、下落は加速し、7万ドル前半のレンジへ向かう可能性がある。
サポートが崩れた場合、強気派は0.618フィボナッチ・リトレースメントにあたる5万8000ドル付近で反発の兆しを探る可能性がある。レジスタンスは短期的には9万1400ドル、長期的には9万4000ドルに位置しており、さらに高値圏には9万8000ドル~10万3500ドル、10万6000ドル~10万9000ドルのゾーンが控えている。
今週は、弱気派がビットコインを8万7000ドルに向けて押し下げようとする一方、強気派はこのサポートを維持しようと攻防を繰り広げる展開が想定される。日足終値で8万7000ドルを下回れば、8万4000ドルのサポートも危うくなり、この価格帯を維持するためには相当な買いが必要となる。
今後の見通しとしては、価格は8万4000ドルから9万4000ドルのレンジ内で推移し、強気派も弱気派も明確な主導権を握れない状態が続く可能性が高い。9万4000ドルを上抜けて終値を付ければ上昇モメンタムが生まれる一方、8万4000ドルを下回れば、より深刻な調整局面に入る可能性がある。
全体的に市場心理は弱気傾向にあり、短期的にはボラティリティが高まる可能性が強いと、 アナリストは指摘している。
本稿執筆時点でのビットコイン価格は9万1749ドルで、24時間の取引量は480億ドル。過去24時間で価格は1%上昇している。直近7日間の高値9万2356ドルからは1%下落しており、7日間の安値9万129ドルを2%上回っている。
12日現在のビットコインの流通供給量は、最大供給量2100万 BTCのうち、1997万5018 BTC。世界のビットコイン時価総額は1兆8323億1778万2220ドルで、24時間前と比べて1%増加している。
