Strive Enterprises社の子会社であり、運用資産20億ドルを誇る機関投資家向け投資会社Strive Asset Management合同会社は、デジタルコンテンツやソーシャルメディア関連技術を手がける上場企業Asset Entities社(NASDAQ:ASST)との正式な合併契約を発表した。この合併により誕生する新たな法人は、業界初となる「公開ビットコイン・トレジャリー企業」を謳っており、一株あたりのビットコイン保有量を最大化することを目的としている。その実現のために、革新的かつ既存株主の持分希薄化を最小限に抑える戦略が採用される見通しだ。このアプローチは、従来のビットコイン関連企業とは異なり、あくまでビットコインそのものへのエクスポージャー(価格連動性)を重視する投資モデルであり、上場投資家に対してより直接的かつ効率的なアクセス手段を提供する構想となっている。
Strive Asset Management is becoming a Bitcoin Treasury Company!
We are thrilled to combine with Asset Entities (Nasdaq: ASST) to create the first publicly traded asset manager on the Bitcoin Standard.
Strive intends to use all available mechanisms, including novel financial…
— Ben Pham (@BenPhiat) May 7, 2025
合併後の新会社はStriveブランドのもとで事業を継続、引き続きNASDAQ市場に上場される予定だ。会長兼CEOにはStriveのCEOであるマット・コール氏が就任する。
本件については、同氏による初の公式発言が、5月7日に開催されたカンファレンス「Strategy World 2025」で行なわれた。その様子は、下記のライブ配信リンクを通じて視聴可能。
Striveの戦略概要は以下の通り。
・Bitcoin-for-Stock提案:
Striveは、適格投資家(一定の資産・収入条件を満たす米国の個人・法人)に対して、保有するビットコインと引き換えに同社株式を受け取れる仕組みを提供する予定。この取引は米国税法第351条を活用したもので、適用条件を満たせば課税が繰り延べられる。取引規模は最大で10億ドルに達する可能性がある。
・割安現金の獲得:
Striveは、株式価値に比して保有現金が多い上場企業との合併を図ることで、実質的に割安な価格で現金を入手。この資金をもとにさらにビットコインを購入することで、株主の長期的な価値向上を狙う。
・レバレッジとリスクヘッジの活用:
Striveは、債券やデリバティブ(金融派生商品)分野における経験を活かし、借入を活用してビットコインを追加取得しつつ、リスクヘッジ(価格変動リスクへの対応)を行なう。この金融手法は他のビットコイン・トレジャリー企業では前例がない、とStriveは主張。
・迅速な資金調達の体制:
今回の合併に伴い、最大10億ドルの「シェルフ登録(米国証券取引委員会にあらかじめ登録することで、将来のタイミングを選んで迅速に証券発行ができる仕組み)」を活用することで、必要に応じて迅速に追加資金を調達できる体制が整っている。ただし、この手段は株主利益に資する場合のみに限定して活用されると明言。
Striveの使命は明確だ。すなわち、ビットコインそのものを上回るパフォーマンスを目指した、長期的なビットコイン・トレジャリーの構築である。この目標を達成するために、同社は、ビットコイン関連企業でこれまで使われてこなかった高度な金融戦略・金融ツールを次々と導入するとしている。
合併後の経営陣には、CFO(最高財務責任者)にベン・ファム氏、CMO(最高マーケティング責任者)にAsset Entitiesの前CEOであるアーシア・サーカニ氏、CLO(最高法務責任者)にローガン・バーン氏が就任予定。取締役には、ビットコイン支持者として知られるベン・ワークマン氏、ジェフ・ウォルトン氏、アヴィク・ロイ氏が新たに加わる見通しだ。
2022年の創業以来、Strive Asset Managementは、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資原則に挑戦し、「遠慮なき資本主義」の旗印のもと急速に台頭してきた。今回の合併は、同社が次に掲げる戦略的支柱、すなわち企業によるビットコイン・トレジャリー導入に向けた最初の一手となる。