ジャーナリストのフランク・コルヴァ氏によると、11月19日、ビットコイン・ミキシングサービス「Samourai Wallet(サムライ・ウォレット)」の共同創設者であるウィリアム・“ビル”・ヒル被告(67歳)は、2億3700万ドルを超える犯罪収益を処理した無認可の送金事業を運営した罪で、懲役4年の判決を受けた。
ヒルは7月にニューヨーク南部地区連邦地方裁判所において有罪を認め、自身が共同設立したプラットフォームが麻薬取引、ダークネット市場、サイバー侵入、詐欺、制裁対象地域、殺人依頼計画、児童ポルノサイトなど違法活動からの不正資金を隠すために使用されていたことを認めた。
共同創設者のキオン・ロドリゲス被告は、11月6日に懲役5年の判決を受けた。
検察当局によると、ヒルとロドリゲスのふたりはダークネットフォーラムで犯罪者に向けてSamourai Walletを積極的に宣伝し、同社のミキシングプロセスが「ビットコインのマネーロンダリング」として機能していることを内部でも認識していたという。
当局によれば、ふたりは Samourai Walletの「Whirlpool」と「Ricochet」のサービスを運営し、麻薬取引、ダークネット市場、詐欺スキーム、サイバー犯罪、さらには殺人依頼の報酬など、犯罪収益の出所を隠蔽していた。
Whirlpool はユーザー間のビットコイン取引を調整し、Ricochet は複数の取引「ホップ」を追加して追跡を困難にしていた。検察によると、2017年から2019年にかけて8万 BTC以上(当時20億ドル超)がこれらのサービスを通じて取引され、600万ドル以上の手数料を生み出した。
裁判記録によると、ロドリゲスとヒルはSamourai Walletの犯罪的な利用を積極的に推奨しており、ロドリゲスは同サービスを「ビットコインのマネーロンダリング」と表現し、ヒルはダークネットフォーラムでWhirlpoolを「不正資金を追跡不能にするもの」と宣伝していた。
検察官はまた、2020年のソーシャルメディア・ハッキング事件を受けて、両被告がハッカーに対して盗んだ資金をロンダリングするよう公に呼びかけていたとも主張した。
ヒル被告の刑期は年齢と最近自閉症と診断されたことを理由に軽減された。裁判官は刑期の一部として3年間の保護観察を認め、彼は現在居住しているリスボンに滞在しながら服役する。加えて、25万ドルの罰金が科された。
この事件は、「Tornado Cash(トルネード・キャッシュ)」などのプラットフォーム開発者に対する同様の訴追に続き、プライバシー重視の暗号資産ツールに対する取り締まりが強化されていることを反映している。
ヒル被告は判決の場で「自分の行為を深く後悔し、恥じています」と反省の意を示し、デジタル資産取引の秘匿性を高めるサービスに対する監視が強化されている現状を印象づけた。
Samourai WalletのCEOの量刑
前述の通り、Samourai Walletの共同創設者兼CEOであるキオン・ロドリゲス被告も11月初めに、同じ犯罪に関与したとして懲役5年の判決を受けた。
ロドリゲス被告に対する判決は、マンハッタンの米国地方裁判所のデニス・コート判事によって、1時間にわたる審理の末に言い渡された。
ロドリゲスとヒルの両被告は2024年4月に逮捕され、マネーロンダリング共謀罪および無認可の送金事業運営の罪で起訴された。
米司法省は、この事件を暗号資産ミキシングサービスに対するより広範な取り締まりの一環として位置づけ、被告らが違法なマネーロンダリングを積極的に推進したことがデジタル資産への信頼を損なうことになったと強調した。
