マイケル・セイラー氏は、自身が会長を務めるStrategy(ストラテジー)の代表としてBitcoin 2025のステージに登壇し、「21の富への道」と題した基調講演を行なった。
彼は冒頭で「このスピーチは、あなたのためのものだ。私は世界中を回り、国家や機関投資家、そしてまだ見ぬ未来の子孫たちの霊魂にまで、なぜビットコインが必要なのかを語ってきた。これは、すべての個人、すべての家族、すべてのスモールビジネスに向けたものだ。誰にとっても必要な内容なのだ。」
「富への第一歩は明晰(clarity)さだ。ビットコインが資本であると気づいた瞬間、そこに明晰さが生まれる。ビットコインとは、完成された資本であり、プログラム可能な資本であり、腐敗しない資本なのだ。」
思慮あるすべての人間が最終的にはこうした純粋な資本を求めるようになる。そして将来的に登場するあらゆるAIシステムもまた、ビットコインのような資本を選好するであろうと述べた。
次に挙げられたのは「確信(conviction)。ビットコインは、他のすべての資産よりも速く価値を高める。なぜなら、パフォーマンスを最大化するよう設計されているからだ。不動産や収集品よりも早く成長する。それは人類史上、最も効率的な価値の保存手段である」
3つ目の原則は「勇気(courage)。ビットコインで富を築こうとするなら、勇気が必要だ。富は、知的な貨幣リスクを引き受ける者に味方する。取り残される人もいれば、中途半端にやる人もいる。しかし大胆な者は火を燃え上がらせる。債券を売り、ビットコインを買え。極めて劇的な価値の爆発が起ころうとしているのだ。」
4つ目の原則は「協調(cooperation。家族の全面的な支援があれば、あなたの力は何倍にもなる。子どもたちは、時間と可能性を持っている。鍵は、その資本を彼らの手に移すことにある。家族が一丸となって行動すれば、その力は誰にも止められない。」
5つ目は「能力(capability)。AIを使いこなせ。2025年の今、知恵、分析、創造性など、思いつく限りのものが指先にある。AIに質問し、議論し、活用せよ。君は“スーパー・ジーニアス”になれる。エゴではなく、自分の利益を優先するのだ。そうすれば、家族から感謝される。」
6つ目は「構成(composition)。すなわち、自らの戦略を拡張し、資産を守るために法的な構造を築くことだ。AIに聞いて方法を探れ。努力して働くか、賢く働くかは自分次第だ。今年は誰もが、洗練された“ミリオネア・ファミリーオフィス”のように行動すべき年なのだ。」
7つ目の原則は「市民権(citizenship)。経済的な拠点(エコノミック・ネクサス)を慎重に選ぶべきだ。主権があなたの自由を尊重してくれる場所に住まうのだ。これは今年だけの話ではない。今世紀全体に関わる決断だ。」
8つ目は「礼節(civility)。世界に存在する自然な権力構造を尊重せよ。自然の力を敬え。ビットコインの世界で富を築きたいなら、無用な争いは避けるべきだ。共通点を見出し、インフレと注意散漫を敵とみなせ。」
9つ目の原則は「法人(corporation)。適切に構造化された法人こそが、地球上で最も強力な富のエンジンである。家族は力を持つ。パートナーシップはさらに強力だ。しかし法人は、グローバルなスケールで成長できる。あなたのビークル(手段)は何か? あなたの道筋は何か?」
10番目は「集中(focus)。できるからといって、それをすべきとは限らない。ビットコインに投資すれば、5年以内に90%の確率で成功する。野心と成果を混同してはいけない。戦略を立て、それに専念すべきである。」
11番目は「持分(equity)。リスクを共にする投資家と、機会を分かち合え。『ストラテジー』は1000万ドル(約15億円)の時価総額から、ビットコインを信じる株主たちとともに50億ドル(約7,500億円)規模の企業へと成長した。」
12番目の原則は「信用(credit)。世界には、未来を恐れている人々がいる。彼らは小さな利回りと確実性を求める。ならば、それを提供せよ。資本と引き換えに信用を与えるのだ。彼らの“恐れ”を“燃料”に変え、リスクを利回りへと転換する。それがビットコイン投資の本質である。」
13番目の原則は「順守(compliance)。自分の市場のルールに従って、可能な限り最高の企業を築け。ルールを知れば、より速く走ることができる。合法的かつ持続可能にスケールさせることができる。」
14番目は「資本化(capitalization)。資本の回転速度が富を増幅させる。資本をできるだけ速く、そして頻繁に調達し、再投資せよ。生産的なビットコイン戦略に資金を迅速に投入すればするほど、資産は加速度的に増える。」
15番目の原則は「コミュニケーション(communication)。率直に語り、透明性を持って行動し、自らのメッセージを繰り返せ。ビットコインで富を築くのはシンプルだ。ただし、人々が“何をしているのか”と“なぜそうするのか”を理解していればの話だ。」
16番目は「献身(commitment)。気を散らしてはならない。自分の思いつきに振り回されるな。荒らしに反応するな。ビットコインに献身せよ。それは世界最高のアイデアだ。世界は、あなたが何を考えているかには興味がないかもしれない。しかし、あなたが成功すれば、その成功には注目する。」
17番目の原則は「能力(competence)。あなたが競っているのは雑音ではない。完璧に集中し、完璧に実行する者と競っているのだ。一貫した、正確で信頼できるパフォーマンスを提供しなければならない。それが勝利の鍵である。」
18番目は「適応(adaptation)。状況は常に変化する。今日あなたが信じている構造も、いずれは崩れる。賢明な者は、荷物を捨て、必要に応じて計画を修正する準備ができている。硬直性は破滅をもたらす。」
19番目の原則は「進化(evolution)。自分の中核的な強みを基盤にせよ。ゼロからやり直す必要はない。必要なのは“レベルアップ”だ。すでに得意とする分野を活かし、それをビットコインや先端技術によって拡張せよ。」
20番目は「提唱(advocacy)。他者にもビットコインの道を歩むよう促せ。経済的自由の伝道者になれ。この革命が本当に意味するものを示せ。人々に道を示せ。」
そして最後の21番目の原則は「寛容(generosity)。成功したときには──そして君はきっと成功する──幸福を分かち合え。安心を共有し、希望を届けよ。あなたの中にある光が輝き、それに惹かれて人が集まってくるのだ。」
スピーチの締めくくりで、笑みを浮かべながら、ビットコインの原点ともいえる言葉を引用した。
「うまくいくかもしれないし、念のため少し持っておくのもいいかもしれない」──サトシ・ナカモト
セイラー氏の世界観において、ビットコインは一攫千金を狙う手段ではない。それは究極の長期戦略であり、世代を超える富の土台であり、個人や機関にとっての自由を生むエンジンである。そして、人類をより主権的で安全な未来へ導こうとする者たちにとってのツールなのだ。
Bitcoin2025の3日目の全パネルディスカッションおよびその他のセッションは、以下の公式ライブ配信アーカイブで視聴可能である。