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ビットコインを創ったのは誰か?

ビットコインを生み出した謎の人物「サトシ・ナカモト」の正体に迫る徹底解説。彼は一体誰なのか?なぜ姿を明かさず、どのようにしてビットコインを世に送り出したのか?初期の活動や関係者とのやり取り、有力候補者、そして誕生の背景までをわかりやすく紹介します。

ビットコインは「サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)」という人物によって発明されました。この名前は(ほぼ確実に)偽名であり、現在に至るまで、実在の人物またはグループと決定的に結びつけることは誰にもできていません。サトシは2011年にインターネット上から姿を消し、正体に関する手がかりもほとんど残していません。それ以来、何人もの人物が公に「自分こそがサトシ・ナカモトである」と主張してきましたが、いずれも明白な証拠を提示することに失敗しています。

「ビットコイントーク(Bitcointalk)」という初期のフォーラムにおいて、サトシは「2007年からビットコインの開発に取り組み始めた」と述べています。これは、最初の「ブロック」がマイニング(採掘)される2年前のことです。ビットコインのブロックチェーンの最初のブロック、すなわち「ジェネシス・ブロック(Genesis Block)」は、2009年1月3日にマイニングされました。このブロックをマイニングしたのはサトシ自身であり、彼(または彼ら)は、流通された最初の50ビットコイン(BTC)を報酬として受け取っています。ただし、この最初のブロックから得られる報酬はコード上の仕様により送金不能となっており、使用することはできません。BitMEX Researchという調査機関は、ビットコイン初期のマイニング活動について分析を行ない、「誰か」が70万BTCをマイニングしたという結論を発表しています。多くの人がこれをサトシによるものと考えていますが、公式には証明されていません。

もしサトシ・ナカモトの正体が明らかになった場合、その人物が得るであろう名声は計り知れません。それに加えて、彼(あるいは彼ら)が保有していると推定される膨大なビットコインも注目の的となるでしょう(ただし、サトシはそれらのビットコインをいっさい使っていないようです)。これまでの歳月で、自ら「自分こそがサトシだ」と名乗り出た人もいれば、周囲からそうだと噂された人も多数存在しています。

誰が「サトシ・ナカモト」なのか?

もっとも有名な「自称サトシ・ナカモト」のひとりが、オーストラリアの学者クレイグ・S・ライト(Craig S.Wright)氏です。ライト氏は2015年初頭から、自分こそがビットコインの発明者であるとする決定的な証拠を示す公開デモンストレーションを何度も試みてきましたが、今日に至るまで成功していません。実際のところ、彼が提出した「証拠」は捏造であったことが判明しています。

カリフォルニア州に住むドリアン・ナカモト(Dorian Nakamoto)氏も、一時期ビットコインの創設者だと世間に信じられた人物のひとりです。ある新聞記者が、彼とサトシ・ナカモトの間にいくつかの類似点を見つけたことがきっかけでした。なかでもわかりやすい共通点は「ナカモト」という姓でした。しかし、この主張はほどなくしてドリアン氏本人によって否定され、その後事実ではないことも明らかになりました

サトシ・ナカモトが正体不明なことから、注目を集めている別のタイプの人物たちもいます。それが暗号技術者やコンピュータ科学者たちです。なかでも有力候補とされてきたのが、著名な暗号研究者であるハル・フィニー(Hal Finney)氏です。フィニー氏はサトシから最初にビットコインを受け取った人物であり、そのことから彼の関与が強く疑われてきました。ビットコイン誕生から1年にも満たない短い期間に、サトシとフィニー氏はフォーラム上で何度もやり取りをしており、技術的な側面や将来の展望などについて議論していました。フィニー氏はその後、筋萎縮性側索硬化症(ALS)によって2014年に亡くなっており、彼の関与の深さについてはさまざまな憶測を呼んでいます。また、もうひとりの著名な暗号研究者ニック・サボ(Nick Szabo)氏も、ビットコインの創設者ではないかと疑われた人物です。サボ氏はビットコイン誕生の数年前に「ビット・ゴールド(Bit Gold)」というデジタル通貨の構想を発表しており、これがビットコインに非常によく似ていることから注目を集めました。ただし、彼がビットコインの開発に直接かかわった証拠は見つかっておらず、それが却って彼の関与を示すのではないかと推測する声もあります。

「サトシ・ナカモト」が匿名でなければならない理由

世界初の分散型通貨であるビットコインの創設者サトシ・ナカモトは、その発明の性質からして「匿名であり続けるべきだ」と考えられます。サトシは、中央集権的な弱点をもたないプロトコル(通信や処理のための基本的なルール体系)を発明しました。自身の匿名性を維持することによって、ビットコインがもちうる最後の中央集権的な弱点、すなわち創設者個人の存在を排除することができると、サトシは気づいていたのかもしれません。もし特定の人物が「ビットコインの顔」として知られるようになってしまえば、その人物がコミュニティにおける政治的な影響力やルール、意思決定に影響を及ぼす可能性があります。しかし、そうした「ひとつの顔」を取り除くことで、ビットコインはより純粋に分散化されたシステムとして機能し続けることができるのです。

サトシ・ナカモトが誰であるにせよ、その人物が現代における天才のひとりであることは間違いありません。ビットコインのプロトコルは、経済的なインセンティブを巧みに組み込み、極めて高度なレベルで「ビザンチン将軍問題(Byzantine Generals’ Problem)」(分散型システムにおいて、悪意ある参加者が混じっていても全体として正しい合意を形成するにはどうすればよいかというコンピュータ科学や暗号理論における有名な課題)に対処しています。サトシ・ナカモトは、暗号技術、数学、ゲーム理論、経済学といった複数の分野の概念を応用し、見事なまでに美しい設計によって「ビットコイン」という世界初の“希少性をもつデジタル資産”を生み出したのです。

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