Hut 8社(ナスダック/トロント証券取引所:HUT)は、2025年第1四半期に1億3430万ドルの純損失を計上した。これは、同社がエネルギーインフラを中核とする統合型プラットフォームへと大胆な戦略転換を実行するなかで、年初から波乱の展開となったことを示している。四半期収益は2180万ドルにとどまり、前年同期の5170万ドルから大幅に減少した。調整後EBITDA(利払前・税引前・償却前利益)はマイナス1億1770万ドルと報告されている。
Today we announced our results for Q1 2025, a period of deliberate investment designed to unlock the potential of our development flywheel.
Highlights
– Deployed our upgraded ASIC fleet to end the quarter with 9.3 EH/s at approximately 20 J/TH
– Launched @AmericanBTC to… pic.twitter.com/JoEbWIuMhd
— Hut 8 (@Hut8Corp) May 8, 2025
それでもなお、Hut 8は自社の戦略的成長施策が近い将来に成果をもたらすと強調している。CEOのアッシャー・ゲヌート氏は、今四半期を「意図的かつ必要な投資フェーズ」と位置づけたうえで、「今後数四半期のうちに、この取り組みのリターンが徐々に可視化されると確信している」と述べた。
今期の主要な進展として挙げられるのが、「American Bitcoin」の設立だ。Hut 8が過半数の株式を保有する子会社で、産業規模のビットコイン・マイニングに特化した事業体である。この動きは、広範囲にわたるASICマイニング機器のアップグレードに続くものだった。これにより、同社のハッシュレートは79%増加して9.3エクサハッシュ/秒(EH/s)に達し、マイニング装置の電力効率も37%向上しておよそ20ジュール/テラハッシュ(J/TH)となった。
ゲヌート氏は「規律ある投資と事業実行の期間を経て、American Bitcoinの立ち上げによって実現した資本配分の効率化は、低コスト資本で展開できる事業をスケール化させる当社の能力を強化する」と説明している。
2025年3月31日時点で、Hut 8は1万264 BTCを保有しており、評価額は約8億4720万ドルにのぼる。また、同社は北米を中心に全15拠点で1020メガワット(MW)の電力キャパシティを運用。さらに約1万800MW分の開発パイプラインを擁しており、そのうち約2600MWは独占契約下にある。
同社のエネルギーおよびデジタルインフラ部門の売上は、それぞれ440万ドルと130万ドルと比較的控えめだったが、ビットコイン・マイニングを含む「コンピュート・セグメント」が四半期の主力となり、1610万ドルの収益を計上した。
インフラ拡張も進展しており、205MW規模の「Vega」サイトは2025年第2四半期中の稼働開始を予定している。また、ルイジアナ州にあるRiver Bendキャンパスでは初期整備作業が開始された。さらに、Salt Creek拠点ではテストラックが稼働し、ReactorやOperatorといった新たなソフトウェアツールも導入された。これにより、ASICマイナー(ビットコインを採掘する専用機器)レベルでの運用効率と電力消費の最適化が進められている。
財務的には損失を計上したものの、Hut 8は今後の展望に自信を示している。ゲヌート氏は「私たちは2025年のロードマップに沿って着実に前進している」と述べ、公益規模での電力開発や米国事業のさらなる拡大といった今後の成長要因にも言及した。