資産運用大手フィデリティ・インベストメンツの最新レポートによると、過去10年間に一度も動かされていないビットコイン、いわゆる「10年超非移動コイン」の供給量が、新たにマイニングされる量を初めて上回った。
As of June 8, 17% of all bitcoin falls into the category of “ancient supply”—meaning these coins have not moved in a decade or more. What could this mean for scarcity, market dynamics, and investors’ conviction? Find our team’s thoughts: https://t.co/EALzrfS92c pic.twitter.com/Ckm3MylTLY
— Fidelity Digital Assets (@DigitalAssets) June 18, 2025
この「10年超非移動コイン」(業界では“ancient supply”と呼ばれる)は、長期間一切移動が確認されていないビットコインを指す。2025年6月時点で、全ビットコイン供給量のうち17%以上がこのカテゴリに該当し、ビットコインの希少性と価値保存手段としての性質を強調する要因となっている。
また、上場企業27社が保有するビットコインは合計80万BTC超に達しており(約5兆円相当)、機関投資家の関与が市場の流動性に与える影響も無視できない状況になってきている。
フィデリティ・デジタル・アセットによると、2024年の半減期以降、1日あたり平均566 BTCが「10年超非移動コイン」に加わっており、同時期に新規発行されるビットコイン(450 BTC/日)を上回っている。
レポートは次のように指摘している。「10年超非移動コインの割合は通常、日々わずかに増加しており、日次で減少が見られるのは全体の3%未満である。対照的に、これを『5年以上保有されているコイン』という基準に緩めた場合、日次での減少は13%にまで増える」。
この供給カテゴリは、2019年1月1日にサトシ・ナカモトが最初の「10年保有者」となった日から成長を続けている。現在では3.4百万BTC以上がこのカテゴリに該当し、その時価総額は3,600億ドル(約56兆円)を超える。うち約3分の1はナカモトの保有分と見られている。
価格が上昇しているにもかかわらず、こうした長期保有者の多くは売却に動いていない。「10年超非移動コイン」は引き続き全供給の17%以上を占めており、その割合は年々増加傾向にある。
レポートはさらに、2024年の米大統領選後には「10年超非移動コイン」の供給が日次で減少した日が全体の10%に上ったと報告している。これは過去平均の約4倍にあたる。また、「5年以上の長期保有者」に限定した場合、日次で保有量が減少したのは39%にのぼったという。
こうしたトレンドをより正確に把握するため、フィデリティは「10年超非移動HODLレート」という独自指標を用いている。これは、10年保有カテゴリに日々加わるビットコインの量を、新規発行量を調整したうえで測定するもので、この指標は2024年4月にプラスに転じて以降、現在までプラス圏を維持している。これは供給構造の長期化を裏付ける重要なサインとされる。
フィデリティ・デジタル・アセットは今後の予測として、2028年までに「10年超非移動コイン」が全供給の20%、2034年までに25%に達すると見ている。さらに、1,000BTC以上を保有する上場企業も含めた場合、この割合は2035年までに30%に到達する可能性があると指摘している。
6月8日時点で、27の上場企業が合計80万BTC以上を保有しており、このような機関投資家の存在感の拡大は、ビットコイン市場の供給をさらに引き締め、長期保有者の影響力を今後一層強める可能性がある。





