シティ(Citi)が、ビットコインを伝統金融の深部へと誘う準備を整えている。同行のデジタル資産カストディ開発責任者、ニーシャ・スレンドラン氏は27日、機関投資家基準のカストディ、秘密鍵管理、そしてウォレットインフラの提供を柱とする新機軸を発表した。
ビットコイン財務戦略の先駆者、ストラテジー社関連のイベント「Strategy World」に登壇したスレンドラン氏は、この取り組みを「ビットコインを銀行取引可能な資産(Bankable)にする」ための広範な戦略と位置づける。カストディの提供、既存の報告・税務システムとの統合、そしてアクセスの簡素化。描かれたのは、三位一体のロードマップだ。
「年内には、ビットコインを伝統金融(TradFi)へと融合させるインフラをローンチする」。スレンドラン氏は断言した。まずは中核となる保管機能と、厳格な鍵管理体制の構築から着手するという。
約30兆ドルという、途方もない資産を預かるシティ。この巨大な管理網に、ビットコインが正式なラインナップとして加わる。既存の証券やマネーマーケット商品と同様の報告チャネル、税務ワークフロー、そしてコンプライアンスの枠組み。それらがそのままBTCに適用される。
NEW: Wall street giant Citi bank announces “later this year, Citi will be launching our infrastructure that integrates Bitcoin into tradition finance.” 🚀
“Making Bitcoin Bankable” pic.twitter.com/BaBVba2g4I
— Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) February 26, 2026
投資家に、複雑な秘密鍵の管理やワンタイムアドレスの処理は求められない。煩雑なプロセスはすべてシティのインフラが肩代わりし、伝統的な資産運用と同じ利便性だけを抽出する。
シティのアナリストは、2025年12月の時点で強気な予測を立てていた。ETFの普及と規制の進展により、2026年には14万3,000ドル、強気派なら18万9,000ドルに達するとの見立てだ。当時の価格は約8万8,000ドル。昨日の急騰を経て現在は6万7,000ドルを下回る水準にあるが、利益確定の動きが強まる中でも、その底流は確実に変わりつつある。
追随するモルガン・スタンレーの野心
シティの動きに呼応するように、モルガン・スタンレーもまた、独自のデジタル資産プラットフォーム構築を急いでいる。
同行はまず、傘下のE-Tradeを通じた現物ビットコイン取引を解放し、来年には完全統合されたカストディ環境を提供。8兆ドルの資産基盤を背景に、レンディングや利回り商品の開発も視野に入れるという。
ウォール街の両雄が動く。ビットコインはもはや、既存の金融システムの外側にある「異物」ではない。それは、銀行という巨大な機構の歯車へと、静かに組み込まれようとしている。