Samourai Wallet(サムライ・ウォレット)の開発者であるケオン・ロドリゲス氏とウィリアム・ヒル氏は、ふたりとも司法取引に応じ、マネーロンダリング共謀罪の容疑を取り下げる代わりに、無認可の送金サービスを運営した共謀罪で有罪を認めた。
筆者の理解では、これは正式な判例法上の前例となるものではない(裁判官が核心的な問題に関する決定を下し、判決や意見として公表されたわけではないのだ)。しかし、自己管理型ソフトウェアを開発したに過ぎない当事者が有罪を認めたことになり、ほかの訴訟で引用される可能性がある。これは決して好ましいことではなく、この業界全体に悪影響を及ぼし、ソフトウェア開発全般に影響を与える恐れがある。
関係する規制当局でさえ、Samourai Walletにそのような責任はないと述べているにもかかわらず、裁判所は、ソフトウェア開発者に保管資金サービス事業の責任を受け入れるよう強制することに成功した。
これは、厳密にいえば法的な判例ではないとしても、エコシステム全体にとって非常に恐ろしい前例となりうる。
とはいえ、今回の結果を受けて、一歩引いて適切な文脈と視点を持ち続けることが重要だろう。この結果は依然として業界全体に広範な影響を及ぼす可能性がある一方で、自分たちだけでなく、より広い影響という観点から最善の結果を得るために、ふたりの人間が重大な個人的リスクを負う必要があったことも事実だ。
ロドリゲス氏とヒル氏は、マネーロンダリングの共謀罪で最長20年の懲役刑を科されるリスクを負っていた。このエコシステムにおいて、そのようなリスクを負っていたのは彼らだけだった。この結果が業界に与える影響がどれほど広範であっても、その結果を最大化しようとして、私たちの誰もリスクやコストを負う必要はなかった。彼らだけがそのリスクを負ったのだ。
私たちのために大きなリスクを負うことで、誰ひとりとして実質的な損失を被ることがないのに、それを彼らに押し付けるのは意味がなく、率直にいって弁解の余地もない。20年の懲役は長い期間だ。最終的にその現実を実際に経験するリスクを負ったのは彼らふたりだけであり、私たちの誰ひとりとしてそのリスクを負う必要はなかった。
司法取引やその後の対応に関して、彼らは自らが負うリスクを考慮し、状況を判断し、自らにとって最善と思われる決断を下したのだということを忘れてはならない。私は彼らを責めることはできない。私も皆さんも、そのようなリスクを負っていなかったのだから。