ケビン・クレーマー上院議員は、暗号資産の市場構造法案であるCLARITY法案について、上院が合意に近づいたと述べた。倫理と執行に関する新たな修正案一式が、民主党の検討に付されている。
上院銀行委員会に所属する共和党・ノースダコタ州選出の同氏は、米国時間の火曜日、フォックス・ビジネスに対し、「各論点が処理される」ごとに法案は「より明確になっていく」と語り、「あと一歩のところまで来ている」と述べた。最大の停滞要因は民主党が新たな修正案を読み込んでいることであり、「その一部は倫理条項に関わるもの」だとした。
クレーマー氏が説明した中心的な妥協点は、誰が法を執行するかである。「司法省が主たる執行者になるという点で、ある程度の合意がある」ように見えると同氏は述べ、統一されたルールの源になるとしてこの構造を支持した。民主党は州司法長官に役割を持たせることを望んでいたといい、そのやり方では業界が求める明確性にとって「あまりにばらばらな状況」が生まれると同氏は主張した。
トランプ大統領をめぐる倫理の対立
この執行をめぐる問題は、トランプ大統領の暗号資産事業をめぐって数カ月続く倫理の対立の中心にある。
銀行委員会のデジタル資産小委員会で委員長を務めるシンシア・ルミス上院議員は、公職者が発行するトークンを上場する取引所を州司法長官が提訴できるようにする文言を提示していた。大統領とその家族に関連する保有を念頭に置いた条項だ。
委員会の民主党議員は、実効性のある利益相反ルールを求めてきた。大統領・副大統領・連邦議員が暗号資産事業とのつながりを持つことを禁じる修正案は、委員会の逐条審議で党派に沿った投票により否決された。
ホワイトハウスと交渉担当者が条件を詰めるなか、トランプ氏はこの倫理をめぐる争点について上院議員らと会談してきた。クレーマー氏が示した転換は、執行を全米50州の当局ではなく連邦検察官に委ねるものだ。上場されたトークンに異議を唱える経路は狭まる一方、執行に踏み切るかどうかの判断は司法省に集約される。
クレーマー氏は、8月の休会まで上院には「あと2週間ほど」あると述べ、休会前の可決を求めるルミス氏に同調した。
「これはやり遂げなければならない」と、CLARITY法案について同氏は述べた。
ルミス氏は先週のインタビューで、法案は「準備が整った」と述べ、休会前にゴールまで運ぶことが「非常に重要だ」と語った。市場が「米国内にとどまるならもたらされる安定」を目にできるようにするためだという。
クレーマー氏は、執行のほかにもう一つの難所を挙げた。証券仲介業者の定義である。「業界はこれを好んでいない」と同氏は述べ、分散性を軸にした定義が望まれていると指摘した。残る隔たりについては「細かい詳細」の問題だとした。
CLARITY法案はどこまで進んだか
CLARITY法案は、デジタル資産の監督をSEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)で分割し、一部のトークンに開示ルールを定め、マネーロンダリング対策と制裁に関するルールを暗号資産取引所に拡大する内容だ。下院は1年前に独自案を可決しており、法案はそれ以来、上院で待たされている。
上院銀行委員会はこの春、民主党から2名が賛成に回るかたちで、15対9で上院版のCLARITY法案を可決した。
日程は窮屈だ。ジョン・スーン上院多数党院内総務は、8月上旬に会期が終わる前に法案を本会議に上程することを目指してきた。下院議員たちは、この期間内に動くよう上院に求めている。
CFTC委員長は法案が「目前」だと述べた。一方でギャラクシー・リサーチは、残り時間が減るなかで可決の確率を50%に引き下げている。
ベッセント財務長官、CLARITY法案は「ゴール前1ヤード」
スコット・ベッセント財務長官も後押しに加わった。ブルームバーグに対し、CLARITY法案について議員らは「ゴール前1ヤード」の地点にいると述べ、休会前の可決を議会に求めた。
法案は、9月末の政府閉鎖を回避する暫定予算と、財政調整法案とで本会議の時間を奪い合っている。クレーマー氏は同じインタビューで、これらを他の案件より優先度が高いと位置づけた。トランプ大統領は暗号資産法案の可決を上院に迫っており、そのメッセージには中国との競争への警告を重ねてきた。
楽観的な見方が並ぶ一方で、クレーマー氏は確定した日程には踏み込まなかった。「今週たどり着けるかどうかはわからない」。この但し書きは、議員らがワシントンを離れるまでの細く限られた上院の会期に、法案の行方を委ねている。