ビットコイン・トレジャリー企業であるTwenty One Capital(XXI)社は、ラファエル・ザグリー氏を最高経営責任者(CEO)に任命した。同社がニューヨーク証券取引所に上場してからわずか7カ月での、経営トップ交代の発表となった。
ザグリー氏は創業者であるジャック・マラーズ氏の後任となる。マラーズ氏は、自身のビットコイン決済会社であるStrike社の経営に専念するため、CEOを退任する。
今回の人事交代についてマラーズ氏は、「XXIの皆さん、そして私たちが築き上げてきたものを信じてくれたすべての人に感謝しています。ビットコイン・ユーザーに貢献することは常に私たちの使命であり、それはこれからも変わりません。私は、Strikeでその使命を引き続き果たしてゆく所存です」と述べた。
テキサス州オースティンに本拠を置き、ニューヨーク証券取引所でティッカーシンボル「XXI」で取引されているTwenty One Capitalは、ビットコインの保有量だけでなく、キャッシュフローの創出と資本配分の規律によって評価される機関投資家グレードの事業運営会社となることを目指すと表明した。
同社はさらに、「親会社において規律ある資本配分を維持しながら、 Twenty One Capitalのバランスシートを活用できる質の高い事業会社を設立・買収し、Berkshire Hathaway社に着想を得た長期的なオーナーシップモデルを構築する」と付け加えた。
「私の役割は、Twenty One Capitalを中核として、組織としての規律、ガヴァナンス、実行力を備えた事業会社を構築することだ。保有するビットコインだけで評価するのではなく、私たちが生み出すキャッシュフローと、いかに規律をもって資本を配分するかにも重点を置くことで、わが社の事業は最高のパフォーマンスを発揮できると信じている」と、ザグリー氏は声明で述べた。
マラーズがXXIを去る
Twenty One Capitalは、Tether社、Bitfinex社、キャンターフィッツジェラルド社、ソフトバンク社の共同プロジェクトとして設立された。Bitcointreasuries.netによると、同社は合計4万3514 BTC(現在価格で約28億ドル相当)を保有する、世界第2位の上場ビットコイン・トレジャリー企業である。
Twenty One Capitalは昨年、金融サービス企業のキャンターフィッツジェラルド傘下の特別買収目的会社(SPAC)であるキャンター・エクイティ・パートナーズ社との合併を通じて上場した。
マラーズ氏は、「XXIは、ビットコイナーによって、ビットコイナーのために設立された。CEOとして在任中、私たちはビットコイン・ネイティブな金融企業というヴィジョンを明確に打ち出した。今後はStrikeの事業に全力を注ぐことになるが、XXIが次の成長段階へと進んでゆく姿を見守ることを楽しみにしている」と、マラーズ氏は語った。
Twenty One Capitalを支える企業には、伝統的な金融大手と暗号資産関連企業が名を連ねている。Tetherは世界最大のステーブルコイン発行体で、Bitfinexは暗号資産取引所だ。ソフトバンクは日本の多国籍投資持株会社であり、キャンターフィッツジェラルドは、ドナルド・トランプ大統領の盟友であり、商務長官を務めるハワード・ラトニック氏がかつて率いていたウォール街の金融企業だ。
ザグリー氏は、大規模なビットコイン・マイニングおよびインフラ事業を手がけるElektron Energy社を創業し、現在もCEOとして同社のチームを率いている。
同氏はそれ以前、ドイツ銀行とメリルリンチでマネージングディレクター、ゴールドマン・サックスではバイスプレジデントを歴任。また、ブラジル最大級のフィンテック融資企業のひとつであるOpenCo社の共同創業者でもある。
今回の経営トップ交代に伴い、事業戦略にも変化が生じている。4月には、Twenty One Capitalは、自社とStrike、Elektron Energyを統合し、金融サービス、マイニング・インフラ、資本市場、トレジャリーを網羅する単一のビットコイン・ネイティブなプラットフォームを構築する計画を発表していた。しかし、ブルームバーグの報道によると、この計画は撤回された。Twenty One Capitalは、マラーズ氏のStrikeは今後も独立した事業体として運営され、合併の対象からは外れたことを認めている。