先週末に開催された「MITビットコイン・エキスポ」に参加した際、筆者はティモシー・マサッド氏と対談する機会を得た。マサッド氏は、現在ハーバード大学ケネディスクールの研究員であり、かつて米商品先物取引委員会(CFTC)の委員長を務めた人物だ。
マサッド氏は2014年から2017年にかけてCFTC委員長を務め、その在任期間中にビットコインはコモディティ(商品)に分類されるという重要な判断がくだされた。
近年、マサッド氏はビットコインやデジタル資産に対する規制の在り方について積極的に意見を発信している。これまでに「ブルームバーグ」に出演して同問題について議論したほか、最近では米上院銀行委員会のデジタル資産に関する初の小委員会公聴会でも証言を行なっている。
マサッド氏は、「パブリック・ブロックチェーン(公開型ブロックチェーン)上でのユーザーのプライバシー保護」と「違法行為を監視する米政府の必要性」との間でバランスをとることが、現在の規制当局が直面している最大の課題のひとつだと考えている。ただ、この問題をどう解決すべきかという明確な答えは自身も持っていない、と語っている。
「例えば、デジタル資産でコーヒー1杯を購入するという些細な行為においても、自分の保有残高や取引履歴の全容が他人に見られてしまうようなことがあってはならない」と、マサッド氏は説明した。
対談のなかで、彼は「プライバシーと監視のバランスをうまく実現できる技術を生み出したイノベーターこそが“聖杯”を手にすることになるだろう」と語った。