ちょうど5年前の昨日、エルサルバドルの議会は62対22の賛成多数で「ビットコイン法」を可決し、中米のこの小国はビットコインを法定通貨として認めた世界初の国家となった。
その日は2021年6月8日だった。あれから5年、同国の政府は現在7677 BTCを保有しており、その価値は約4億8000万ドルに達している。そして、いまもなおビットコインの買い増しを続けている。
エルサルバドルは、ナジブ・ブケレ大統領が2022年11月に「一日1 BTCを購入する」政策を発表して以来、ドルコスト平均法による購入戦略を実施している。2025年6月以降の12カ月間だけでも同国は保有量に1600 BTC以上を追加しており、そのなかには11月の市場下落局面でわずか1週間のうちに1000 BTC超を購入した戦略的備蓄策も含まれる。
2026年初頭には、同国の国立ビットコイン事務所(ONBTC)は「エルサルバドルはビットコインと人工知能(AI)の両方にすべてを賭ける」と宣言した。
その信念は、大きな政策転換があった後も揺らいではいない。2025年1月、ブケレ政権は14億ドル規模の国際通貨基金(IMF)融資パッケージを受ける条件として、ビットコインの法定通貨としての地位を撤廃した。その結果、企業はもはやビットコインを受け入れる法的義務を負わなくなり、また、ブケレ大統領の当初の構想の目玉であった政府発行の「Chivoウォレット」も段階的に廃止されつつある。
しかし、政府は財務省保有のビットコインをこれまで1枚たりとも売却しておらず、ビットコインを利用したい人々は現在もなお、それを通貨として使用することができる。
🇸🇻 エルサルバドルがビットコインを法定通貨として認める「ビットコイン法」を制定してから5年 👀
現在、同国は7,677BTCを保有しており、その価値は4億8,000万ドルに達しています。 pic.twitter.com/TxbZOOC4cs
— Bitcoin Magazine Japan (@BitcoinMagJapan) June 10, 2026
エルサルバドルではビットコインへの税金なし
エルサルバドルでは、ビットコインやその他の暗号資産取引によるキャピタルゲインに対して課税されない。2026年初頭に政府はこの方針をさらに強化し、海外投資家を誘致するための政策として推進している。また、同国は現在、ビットコインを裏付け資産とした「ヴォルケーノ債」の発行計画や、地熱エネルギーを活用した「ビットコイン・シティ」の構想も進めている。
一方で、ブケレ大統領が国民にビットコイン法の導入を説明する際の主要な根拠として挙げていた「海外送金の活用」については、まだ本格的には実現していない。エルサルバドルは世界でも特に海外送金への依存度が高い国のひとつであり、海外からの個人送金額は国内総生産(GDP)の約24%に相当する。2026年第1四半期の海外送金総額は24億3000万ドルに達したが、そのうち暗号資産による送金はわずか1738万ドルで、全体の0.71%に過ぎなかった。