Home市場昨年、米国の銀行は国民から4,340億ドルを徴収  今こそビットコインの出番か?

昨年、米国の銀行は国民から4,340億ドルを徴収  今こそビットコインの出番か?

2025年、米国の銀行は預金のスプレッド(利ざや)から4,340億ドルの収益を上げた。一方で、預金者はインフレによって購買力を失い続けている。ビットコインは、こうした既存の金融システムに代わる新たな選択肢を提示している。

米銀行業界が預金者から吸い上げた4,340億ドルの正体 

昨年、米国の銀行は預金者から数千億ドルもの価値を抽出した。この規模の大きさは、米国の金融システムが抱える深刻な構造的欠陥を浮き彫りにしている。ビットコインはこの問題を解決する鍵となるかもしれない。

ビットコイン関連企業Riverの調査によれば、2025年に米国の銀行が創出した純利息収入は約4,340億ドルに達した。これは成人一人あたり約1,670ドル(約25万円)を負担している計算になる。 その仕組みは極めて単純だ。銀行は顧客から預金を集め、その資金をより高い金利で貸し出し、あるいは投資に回す。そして、そこから得られた収益のわずか一部しか預金者には還元しない。多くの普通預金口座の金利がゼロに近い水準に据え置かれるなか、この利ざやは経済において極めて強固な収益源として機能している。

同時に、インフレ率は米連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2%を長年上回り続けている。実質的な購買力という観点で見れば、預金者は毎年資産を減らしているのが実態だ。銀行の預金金利が0.1%であるのに対し、インフレ率がそれを数ポイント上回る状況では、資産は「停滞」しているのではなく、大規模かつ継続的に「侵食」されているのである。

こうした力学こそが、ビットコインをはじめとする代替システムの支持が広がり続ける理由を明確に示している。多くの人々にとって、もはや問題は金融サービスへのアクセスの可否ではない。それらのサービスが、自分たちの長期的な利益と合致しているかどうかという点に疑念が向けられているのだ。

「民主化」から「ギャンブル化」へ変質するフィンテック 

既存の銀行に対する不満は、レガシーな金融機関だけに留まらない。2008年の金融危機後、銀行の是正勢力として台頭したフィンテックセクターもまた、アイデンティティの危機に直面している。

過去10年間、ロビンフッド(Robinhood)やコインベース(Coinbase)、キャッシュアップ(Cash App)といった企業は投資への参入障壁を劇的に下げ、数百万人の新規ユーザーを決済やデジタル資産の世界へと導いた。かつて富裕層に限定されていた金融ツールが、広く一般に開放された功績は大きい。

しかし、RiverのCEOであるアレックス・レイシュマン氏は、この使命が変質してしまったと指摘する。当初掲げられた「金融の民主化」は、多くの場合、ユーザー行動を収益化する装置へと成り下がった。現在の投資プラットフォームは、ミームコインやレバレッジ取引、さらにはスポーツ賭博のような機能を執拗に推奨している。ユーザーインターフェースは証券口座のように見えても、そのインセンティブ構造はカジノのそれに酷似している。

高頻度取引の環境下では、個人投資家の多くが資金を失うことがデータで証明されている。先物市場やオプション取引においても、平均的なユーザーは損失を繰り返す傾向が強い。スポーツ賭博が拡大した地域では、その後の数年間で個人の自己破産率が上昇するという調査結果も出ている。

金融、ゲーム、そしてギャンブルの融合を後押ししているのは「エンゲージメント(利用頻度)」という単純な動機だ。ユーザーが取引や賭けを行う回数が増えるほど、プラットフォームの収益は拡大する。プッシュ通知や連続ログインボーナス、即時決済といった機能はすべて、ユーザーの短期的な行動を強化するために設計されている。投資とエンターテインメントの境界線は、もはや判別が困難なほどに曖昧になっている。

ビットコインが提示する「インセンティブの再構築」 

対照的に、ビットコインはこうした既存の枠組みの外側に位置している。ビットコインは利回りを約束せず、維持のためにユーザーの過剰なエンゲージメントを必要としない。その価値提案は、「発行上限の固定」「分散型ネットワーク」「仲介者に依存しないセルフカストディ(自己管理)」という、狭いながらも極めて強固な原則に基づいている。

10年以上の成長を遂げた今もなお、ビットコインの保有率は米国の成人の5分の1未満に留まっている。これは、採用がまだ初期段階にあると同時に、既存の金融システムと実行可能な代替案との間に依然として大きな溝があることを示唆している。

フィンテックの本来の約束は、アクセスを拡大し、ユーザーの経済状況を改善することにあった。アクセス自体の拡大には成功したが、提供されるプロダクトが結果としてユーザーを疲弊させるのであれば、それは不十分と言わざるを得ない。

銀行は利ざやを通じて価値を抽出し続け、フィンテックプラットフォームはユーザーの利益よりも活動量を優先して最適化されている。情報の透明性は高まったものの、リスクにさらされる機会も増えた現代において、ユーザーは「慎重さ」よりも「参加」が報われるシステムの中を漂わされている。

レイシュマン氏が説くように、今求められているのはインセンティブの再構築だ。短期的な収益よりも長期的な富の創出を優先し、開発者が自身の家族にも自信を持って勧められるようなツール(ビットコインなど)を構築することこそが、次世代の金融が進むべき道である。

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  • Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。

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Micah Zimmerman
Micah Zimmerman
Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。
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