米連邦準備制度理事会(FRB)の年次ジャクソンホール・シンポジウムにおけるジェローム・パウエル議長の発言を受けて、ビットコインは5%(約5000ドル)急騰し、2024年初頭から静かに上昇を続けてきた強気相場に新たな勢いをもたらした。
今回のサイクルの大部分で、ビットコインの上昇は金融引き締めという逆風にさらされてきた。この強気相場の物語は、ブラックロック社が2023年6月に現物ビットコインETF(上場投資信託)の申請を提出したことに始まり、これがビットコイン導入に対する機関投資家へのゴーサインとなった。以来、根強いインフレ懸念、利上げ、そして「長期にわたる高金利」という絶え間ない議論にもかかわらず、ビットコインの価格はマクロ経済の足かせを振り払いながら上昇を続けてきた。
8月22日は転換点となるかもしれない。パウエル議長の演説は、市場が待ち望んでいたこと、すなわちFRBが方向転換の準備を進めていることを示唆した。インフレ抑制を目的とした約2年間の金融引き締め政策の後、FRB議長は状況が変化したことを認めた。インフレはピークから沈静化し、経済成長は減速し、金融引き締め政策の重荷はシステムに亀裂を生じさせている(最近の雇用統計を参照)。
パウエル議長の口調は、今回のサイクルで初めて、FRBが金融引き締め策を緩和する用意があることを示唆した。
市場の反応は即座に現れた。ビットコインは急騰(本稿執筆時点で約11万7000ドル)。トレーダーたちはこれが何を意味するのか、つまり、「金融政策の逆風」という物語が流動性緩和の追い風に取って代わられる可能性を認識したのだ。中央銀行が弱気になればリスク資産は活況を呈し、ビットコインという「もっとも堅固なお金」は、FRBが新たな現実に屈した際にもっとも勢いを増す傾向がある。
これは単なる短期的な上昇にとどまらない。安定的で底堅い強気相場を、激動の強気相場へと変える転換点となる可能性がある。FRBの姿勢こそが、ビットコインの上値を抑えてきた唯一の要因だった。もし、パウエル議長とFOMCが金融緩和への政策転換を示唆すれば、ビットコインは大きな恩恵を受けることになるだろう。
これは、まだ初期段階といえる。この強気相場はブラックロックによるETF申請の影の中で生まれ、容赦ない懐疑論とマクロ経済の重圧を乗り越えて成熟してきた。いま、ハト派的な政策の風が吹き始めているなかで、今後のビットコインの道のりは過去のサイクルにおける放物線状の局面と似たものになるかもしれない。
ジャクソンホールからのメッセージは明確だ。FRBは緩和に向かっている。ビットコインはすでに反応している。そして歴史が示すように、本当の花火はこれから始まるのかもしれない。
※本記事は、寄稿者によるコラム「Take」です。記事内に述べられた意見は、完全に筆者個人のものであり、BTC IncやBitcoin Magazineの見解を必ずしも反映するものではありません。