Bitcoin Magazine Japan
フランクリン・テンプルトン、株式配当をビットコインに変換するETFの最終ハードルをクリア

フランクリン・テンプルトン、株式配当をビットコインに変換するETFの最終ハードルをクリア

ByMicah Zimmerman

10月22日、運用資産1兆7000億ドルを誇る資産運用会社のフランクリン・テンプルトンは、Nasdaq上場ファンド2本を登録した。両ファンドとも、米国株式95%、ビットコイン5%の配分で運用を開始し、配当金はすべてビットコインの追加購入に充てられる。

フランクリン・テンプルトン社は、株式配当をビットコインに変換するふたつのETF(上場投資信託)の運用開始に向けて、規制上の最後の手続きを完了した。

10月22日(米国時間)、フランクリン・テンプルトンは、フランクリンUSエクイティ・ビットコインDRIPインデックスETFおよびフランクリンUSイノベーション・ビットコインDRIPインデックスETFの受益証券をNasdaq市場で取引できるようにするため、米証券取引委員会(SEC)にForm 8-A(登録届出書)を提出した。同日提出された目論見書には、発効日が10月27日と記載されている。

両ファンドの届出は6月に行なわれていたが、その時点ではティッカーシンボルや手数料は明らかにされていなかった。それから4カ月が経ち、ようやく詳細が明らかになった。

ファンドの仕組み

エクイティ・ファンドのティッカーシンボルは「FBEQ」で、VettaFi US Large-Cap 500 Bitcoin DRIP Indexに連動する。この指数は、浮動株調整後の時価総額に基づいて加重し、時価総額上位500社の米国企業を組み入れている。

9月30日の時点で、この指数は時価総額102億ドルから5兆5000億ドルまでの株式499銘柄を保有しており、情報技術分野への集中度が高い。

運用開始当初、この指数は構成銘柄の株式に95%、ビットコインに5%を配分する。構成企業が支払う配当金は、通常配当・特別配当を問わず、権利落ち日の翌営業日の市場寄り付き時にビットコインへ再投資される。配当金が支払われるごとに、ポートフォリオに占めるビットコインの割合は増えていく。

従来の配当再投資プラン(DRIP)では、配当金を支払った企業の株式を追加購入する。一方、フランクリン・テンプルトンの仕組みでは、その資金をビットコインに振り向ける。

投資家にとっては、米国の最大手企業から得られる配当金が、定期的にビットコインを購入する資金となるわけだ。暗号資産取引所の口座も、ウォレットも、カストディ(保管・管理)に関する判断もいっさい必要ない。

ただし、ビットコインの保有比率には上限が設けられている。四半期ごとのリバランス時に、ビットコインの配分比率が5%を超えていれば、4.5%まで引き下げられる。リバランスの間にビットコインの比率が指数全体の20%を超えた場合は、2営業日以内に4.5%まで引き下げられ、売却代金は株式に戻される。結果として、このファンドはビットコイン・ファンドではなく、ビットコインを一部組み入れた株式ファンドとなる。

このETFは、ブロックチェーン上でビットコインを直接保有するわけではない。ビットコインへのエクスポージャーは、フランクリン・テンプルトン独自の現物ファンドを含むビットコインETP(上場取引型金融商品)、ビットコイン先物やオプション、あるいは預託証券を通じて得ることになる。一部のケースでは、ケイマン諸島に設立された子会社を経由する。

FBEQの経費率は0.09%で、12b-1手数料はかからない。ファンドの運用はFranklin Advisory Services社が担当し、Franklin Templeton Institutional社がサブアドバイザーを務める。ポートフォリオ・マネージャーは、ディナ・ティン、ヘイリー・ハリス、ジョー・ディーダーリッヒ、バシット・アミンの4人が務める。

イノベーション・ファンドも同じ仕組みを採用しており、Nasdaqに上場する非金融企業の時価総額上位100社を対象とするVettaFi US Innovation 100 Bitcoin DRIP Indexに連動する。

より踏み込んだビットコインへの投資

フランクリン・テンプルトンは2023年9月に現物ビットコインETFの申請を行ない、2024年1月にティッカーシンボル「EZBC」として運用を開始した。2026年6月には暗号資産運用会社の250 Digital社を買収し、機関投資家向けのアクティブ型デジタル資産運用に特化した専門部門となるFranklin Cryptoを設立した。フランクリン・テンプルトンのCEOであるジェニー・ジョンソン氏は、ブロックチェーンがウォール街にもたらす脅威は、技術そのものよりも、手数料収入の仕組みに対するものだと主張してきた。

今回のDRIPファンドは、ビットコインを自分で購入することはないかもしれない投資家にまで、その戦略を拡げるものだ。例えば、証券口座でS&P 500に連動するようなファンドを保有している退職者は、FBEQを通じて、すでに保有している企業から受け取る配当金をビットコインの購入に宛て、何年もかけてビットコインの保有ポジションを積み上げることができる。

目論見書は、投資家が損失を被る可能性があること、またビットコイン価格の大幅な変動がファンドの純資産価値に影響を及ぼす可能性があることを警告している。このトレードオフが、フランクリン・テンプルトンがターゲットとする投資家層に受け入れられるかどうかは、10月27日の運用開始後に明らかになるだろう。

Micah Zimmerman

Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。

RELATED ARTICLES