Bitcoin Magazine Japan
暗号資産業界の中間選挙支出、1億7,600万ドルに 次期議会に向けて基盤づくり

暗号資産業界の中間選挙支出、1億7,600万ドルに 次期議会に向けて基盤づくり

ByMicah Zimmerman

暗号資産業界は、100を超える中間選挙の選挙戦に約1億7,600万ドルを投じた。トランプ氏の退任後も業界の利益を守ることのできる超党派の勢力を、議会に築くためだ。

ロイターによる選挙資金の調査によると、暗号資産業界は今回の選挙サイクルで、100を超える中間選挙の選挙戦に約1億7,600万ドルを投じた。この資金は、ドナルド・トランプ大統領の退任後も業界を守ることのできる超党派の連合を議会に築く計画の一環だ。

この取り組みを主導するのは、業界最大のスーパーPAC(特別政治活動委員会)であるFairshakeだ。同団体は2024年の選挙サイクルで1億9,600万ドルを支出しており、今回も再び戦略を指揮している。10月20日までに、Fairshakeとその関連PACは今年約1億5,080万ドルを支出した。その他の暗号資産関連団体の支出は約2,500万ドルだった。ロイターによると、Fairshakeは予備選挙や特別選挙で支援した候補者58人のうち53人が勝利したとしており、これらの候補者は11月3日の投票に臨む。

スーパーPACは無制限に資金を集めて支出できるが、選挙陣営と連携することはできない。Fairshakeの広告は「Defend American Jobs」や「Protect Progress」といった名称の関連団体を通じて流され、暗号資産よりも税金や移民を取り上げることが多い。有権者が、その費用を誰が負担しているのかを知る手段はほとんどない。

監視団体のパブリック・シチズンは、2026年の連邦選挙で、暗号資産業界が企業による最大の支出主体だったとした。同じ監視団体の分析によれば、暗号資産企業はその時点で、企業による政治支出の首位に立っていた。

主な資金提供者は、コインベース、リップル、アンドリーセン・ホロウィッツだ。業界の戦略担当者や選挙陣営のスタッフは、この資金は選出公職者との関係を築くための名刺代わりだと述べた。

議会をにらむ暗号資産業界の長期戦略

ロイターによると、中間選挙に490万ドルを拠出したSolana Policy Instituteで政府渉外責任者を務めるコリン・マクラーレン氏は、これを「未来への投資」と呼んだ。

この手法には、大きな変化が表れている。2018年には、初の超党派の暗号資産円卓会議を開こうにも、議員らは下院や上院の議員会館で部屋を確保できず、米議会図書館で会合を開いた。その後バイデン政権下では、ジョージタウン大学ローセンターの調査によると、証券取引委員会(SEC)が98件で計60億ドルを超える制裁金を科した。

業界の経営陣は、政治的な力が必要だと結論づけた。コインベースの最高政策責任者(CPO)ファリヤール・シルザド氏は2023年、Stand With CryptoとFairshakeの立ち上げに携わった。Stand With Cryptoが「A」と評価する議員の数は、同団体の発足時の96人から332人に増えた。

立法がそれに続いた。2025年に超党派の幅広い支持を得て成立したGENIUS法は、ステーブルコインに関する初の連邦規制の枠組みを設けた。業界の次の目標であるCLARITY法案は、監督を商品先物取引委員会(CFTC)の下に置く内容だ。同法案は今会期、停滞した。上院民主党は、トランプ一族に、保有する暗号資産の売却を義務づけることになっていた倫理条項をめぐり、同法案が最終採決に進むのを阻止した。

Fairshakeは2024年、上院銀行委員会の委員長を務めていたシェロッド・ブラウン氏の落選に一役買った。AdImpactによると、業界はその後、共和党のジョン・ハステッド氏と争うブラウン氏の選挙に、6,800万ドルを超える資金を投じている。

Fairshakeがブラウン氏に対して流す広告は暗号資産に触れておらず、ブラウン陣営の選挙対策責任者パトリック・アイゼンハウアー氏は「特定利益団体は慌てている」と述べた。ロイターによると、イリノイ州ではFairshakeが、ジュリアナ・ストラットン副知事への攻撃に1,010万ドル超、ラショーン・フォード州下院議員への対抗に250万ドルを投じたが、両氏とも11月3日の選挙で勝利が見込まれている。

キャメロン・ウィンクルボス氏とタイラー・ウィンクルボス氏は、今回の選挙サイクルでそれぞれ約1,300万ドルを拠出し、その大半はMAGA Inc.に向けられた。

有権者の受け止め

世論の受け止めは分かれている。Bitcoin Magazineが確認した、DeFi Education Fundの委託でイプソスが9月に米国の成人1,545人を対象に実施した調査によると、暗号資産を保有または利用したことがある人は22%で、2025年の18%から増えた。米国の金融システムが安全だと考える人は19%にとどまった。

同調査ではまた、35%が、米国で次世代の金融技術の構築を支持することは候補者にとって重要だと答えた。設問でブロックチェーン、暗号資産、DeFiの名を挙げた場合、同じ回答は13%にとどまった。DeFi Education Fundはデジタル資産の擁護団体であり、その切り口には同団体の立場が反映されている。

Stand With Cryptoの指導部は、暗号資産を重視する有権者の票が中間選挙の行方を決めると主張してきた。

Micah Zimmerman

Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。

RELATED ARTICLES