米国上院の民主党議員らは、ドナルド・トランプ大統領の中東特使であるスティーブ・ウィトコフ氏に対し、彼の個人的な暗号資産の保有状況についてより詳しい情報を提供するよう求め、利益相反の可能性に関する疑問を提起した。
アダム・シフ上院議員(民主党/カリフォルニア州)を筆頭に8人の上院議員が連名で、ウィトコフ氏に対して、彼の最新の倫理開示報告書でトランプ氏関連の暗号資産やその他の暗号資産関連事業体への継続的な投資が示されている理由を説明するよう求めた。
「これら資産の所有権を処分しなかったことは、連邦倫理法の遵守に関する深刻な疑問を投げかけるものであり、さらに重要な点として、あなたが自身の金銭的利益よりも米国民のために奉仕する能力についても重大な懸念を抱かせるものだ」と、上院議員らは書簡に記した。
ザック・ウィトコフ氏は、2024年にトランプ一家のメンバーとともに「ワールド・リバティ・フィナンシャル」を共同設立した。設立者には、ザック・ウィトコフ氏、ドナルド・トランプ・ジュニア氏、エリック・トランプ氏、バロン・トランプ氏が名を連ねている。
スティーブ・ウィトコフとドナルド・トランプの両氏は「名誉共同創設者」として記載されており、日々の業務には積極的には関与していない。
同社は5月に、ウィトコフ氏がこのプロジェクトから完全に撤退する手続きを進めていると発表した。
その後、同氏は自身の不動産会社の株式1億2000万ドル分を売却したものの、8月13日付の最新の倫理開示報告書によれば、依然としてワールド・リバティ・フィナンシャルの暗号資産を保有しており、さらに、ウィトコフ氏とその家族に関連する企業であるWC Digital Fi LLCの株式、その他ふたつの暗号資産関連企業であるWC Digital SC LLCとSC Financial Technologies LLCの株式の一部を保有していることが明らかになった。
民主党は、特にウィトコフ氏が中東における外交的役割を担っていること、ワールド・リバティ・フィナンシャルがアラブ首長国連邦(U.A.E.)とのビジネス上のつながりをもっていることを懸念し、ウィトコフ氏が暗号資産関連事業に引き続き関与していることが利益相反を生む可能性があると主張している。
この調査は「ニューヨーク・タイムズ」紙の報道を受けて行なわれたものだ。報道によると、ウィトコフ氏が米国とU.A.E.の間で進行中の数十億ドル規模のAIプロジェクトに関与していた時期に、ワールド・リバティ・フィナンシャルも同様にU.A.E.の国営ベンチャー企業と数十億ドル規模の取引契約を交渉していたことが明らかになった。
5月、米国は国外最大規模となるAIキャンパスの建設に関する協定を締結したが、そのわずか2週間前に、ワールド・リバティ・フィナンシャルは、U.A.E.国営企業のMGXが暗号資産取引所のバイナンスに対して20億ドルの投資を行ない、その支払いが同社の発行するステーブルコイン「USD1」で行なわれたと発表した。
このニュースは「フォーチュン」誌が最初に報じたものだ。
CoinbaseのCEO、ワシントンD.C.で暗号資産について議論
10月22日、CoinbaseのCEOであるブライアン・アームストロング氏はワシントンD.C.を訪れ、上院民主党議員、共和党議員、ホワイトハウス関係者と会談し、現在の暗号資産市場の構造について議論した。
アームストロング氏は、市場構造の明確化に向けた勢いが「史上最高にある」と述べ、政府閉鎖の最中にあっても超党派による法案成立への取り組みが継続していると強調した。
同氏はまた、暗号資産業界に透明性と監督体制をもたらすための取り組みの一環として、「法案をトランプ大統領の署名机に届けること」を目指す必要性を強調した。