メタプラネット社(東証スタンダード:3350、OTC:MTPLF)は、ビットコイン蓄積を主眼とする資金調達モデルをさらに深化させるために新たな二層構造の優先株式を設計し、「MARS」と呼ばれる上位のA種優先株式と、約1億5000万ドルの調達が見込まれるB種永久優先株式「MERCURY」の発行を開示した。
この取り組みにより、東京証券取引所に上場している同社は、Strategy(ストラテジー)社やStrive(ストライブ)社に続き、永久優先株式構造を採用する最新の大手ビットコイン・トレジャリー企業となる。
MARS(Metaplanet Adjustable Rate Security)は、同社の資本構成の最上位層となる。この優先株は希薄化を伴わず、普通株式への転換権は付与されない。安定収益性を特徴とし、額面に対する市場株価水準に応じて調整される月次配当が支払われる。
同社のビットコイン戦略ヘッドであるディラン・ルクレール氏によると、この設計は、普通株主への希薄化を防ぎながら、メタプラネットにボラティリティを平準化した収益手段を提供することを目的としている。MARSは、MERCURYおよび普通株式よりも上位に位置づけられる。
JUST IN: 🇯🇵 Metaplanet to raise $150 million via perpetual preferred equity to buy more #Bitcoin
Nothing stops this train 🙌 pic.twitter.com/fMn7wC2TRl
— Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) November 20, 2025
メタプラネットの資金調達とビットコイン備蓄戦略
メタプラネットの新たな資金調達の基盤となるのが、この構造の第二層にあたるMERCURY(Metaplanet Convertible for Return & Yield)だ。同社は、機関投資家向けの第三者割当増資により、1株あたり900円で2361万株のB種永久優先株式を発行し、212億5000万円(約1億5000万ドル)を調達する予定だ。
この優先株は、元本・ストライク価格1000円に対して年率4.9%の固定配当を支払う。配当は四半期ごとに行なわれ、2025年12月31日までの期間の初回配当額は40.40円となる。この株式には1000円の清算優先権と普通株式への長期オプション転換権が付与されており、固定収入とビットコインに連動した非対称な上昇余地を組み合わせたハイブリッドな特性をもつ。
今回の開示は、メタプラネットの普通株式が過去最高値から80%以上下落した387円前後で取引され、mNAV(時価総額/純資産倍率)が0.96とパリティを割り込むなかで行なわれた。投資家は現在、同社を保有ビットコイン価格よりも低い企業価値で評価しているが、ダイナミックな経営陣は、長期資金の供給者と短期の株主資本フローを分離することで、この新しい構造が現状の是正に寄与すると考えている。
「MERCURYはMARSより劣後し、普通株式より上位に位置し、固定収入とBTC連動型の非対称な上昇余地という、ハイブリッドなプロファイルを提供する」と、ルクレール氏はXに投稿している。
メタプラネットは、現在3万823 BTCを保有する世界第4位のビットコイン保有企業として、新たな資金のうち約150億円をビットコインの追加購入に充て、残りを収益を生み出すビットコイン・インカム事業や既存の社債の償還資金に振り向ける計画だ。
経営陣は、価格の下落局面こそ戦略的な買い場であり、ビットコインの継続的な蓄積こそが同社の財務戦略の根幹であると強調している。
この資本構造の刷新を支えるために、同社は12月22日に臨時株主総会を開催し、資本金および資本準備金の削減、発行可能株式総数の38億3000万株への拡大、過去の資金調達のオーバーハングの解消を議決する予定だ。
メタプラネットは、優先株の導入に先立って、複数の過去の新株予約権を取り消し、EVO FUNDに新たな新株予約権を発行することで、資本構造の合理化を進めている。
メタプラネットはかつてホテル経営、不動産、Web3関連の事業を基盤とする日本企業だったが、急速に変革を遂げ、上場ビットコイン・トレジャリー企業へと生まれ変わった。同社の中核にある使命は「1株あたりのビットコイン保有量を最大化すること」であり、株式・債券市場を活用して資金調達を行ない、それをBTCに転換している。
同社はビットコインの蓄積をインフレヘッジであると同時に、株主に向けた長期的な価値創造のエンジンと位置づけ、トレジャリー戦略を企業理念の中心に据えている。
10月1日には、5268 BTCを約6億1570万ドルで取得。1 BTCあたり10万7912ドルの平均取得単価で総保有量を3万823 BTCへと増やし、アジアの「ビットコイン・ロケットシップ」への転換をさらに強化した。
これによって、同社は世界第4位の上場ビットコイン・トレジャリー企業となり、2025年度の目標である3万 BTC保有を上回り、年初来のBTCイールドは497%を達成した。2025年第3四半期の収益は前年同期比115.7%増の24億3800万円となり、2025年度の収益見通しは68億円へと倍増している。