HK Asia Holdings(香港証券取引所コード:1723/近くMoon Inc.へ社名変更予定)は、大中華圏において初めてビットコイン財務戦略を採用した上場企業として、歴史に名を刻んだ。同社の新CEOであるジョン・リギンズ氏は、「Bitcoin For Corporations」というイベントで司会のアレン・ヘルムと対談し、同社の方針転換、香港との規制整合性、そしてアジア全体で高まりつつある動向について語った。
長年のビットコイン支持者であり、中国と東南アジアにおいて豊富な経験をもつリギンズ氏は、この決断は長期的な信念と香港における規制の前向きな変化によって後押しされたと説明。同社は方針転換の実施に先立ち、数カ月にわたり規制当局、公開市場の投資家、地域のパートナーらと協議を重ねてきたという。
HK Asia Holdingsは、もともとSIMカードやプリペイド型のテック製品を主力とする企業であったが、今後はビットコインをバランスシート上の資産としてだけでなく、ビジネスモデル全体に統合することを目指している。この計画には、ビットコイン対応ATMやプリペイド型ビットコイン商品といった小売チャネルを通じたサービス提供が含まれている。
同社は初期の取り組みとして、買収後の移行期間中に8.88BTCを取得、その後、経営体制の移行が完了したタイミングでさらに10BTCを購入した。これにより保有総額は18.88BTCとなり、発表時点での評価額は170万ドル(約2.5億円)を超えている。リギンズ氏によれば、今後もビットコインの追加取得を計画しているが、それは香港の慎重かつ透明性のある規制ガイダンスに沿って進められるとのことだ。
JUST IN: @MoonIncHK has acquired 10 BTC, increasing its total #Bitcoin holdings to 18.88 BTC at an average cost of ~$91,110 per BTC. pic.twitter.com/PtjZUl4U6K
— Bitcoin For Corporations (@BitcoinForCorps) March 21, 2025
リギンズ氏は「私たちはこれをバランスシートを守る手段とみなしており、世界の動向を視野に入れながら財務の分散化を進める手段としても考えている」と述べた。
この戦略的意図は単なる投機をはるかに超えるものだ。リギンズ氏は、ビットコインをマクロ経済の不確実性に対するヘッジ、長期的なレジリエンス(耐性)を高めるためのツール、そして新たに台頭する世界的な金融インフラへの架け橋として位置づけた。また、地域企業の取締役会がこの考え方をより真剣に受け止め始めている点にも言及し、日本のメタプラネットやアメリカのストラテジーを有力な先行事例として挙げた。
アジアにおける企業のビットコイン導入はまだ初期段階にあるが、関心は急速に高まっている。リギンズ氏は、韓国、タイ、マレーシア、インドネシアといった市場が追随する可能性は高いと強調。また、多くの動きが表立ってではなく水面下で進行していることを指摘し、特に中国では、機関投資家や政府系投資家がアメリカの政策動向や企業導入の趨勢を積極的に注視していると述べた。
「政府関係者や機関投資家など、多くの人たちから続々とメッセージが届いている。彼らはこの分野を非常に注意深く見守っていて、何が起きているのかを内部情報として探ろうとしているようだ」とリギンズ氏は語った。
現時点では中国国家機関による正式発表はないが、リギンズ氏は、すでにビットコインは投資団体などの政府系関連組織を通じて間接的に保有されていると考えている。その保有量は公に知られている以上に大きい可能性があるという。アメリカが戦略的なビットコイン準備資産の構築に向けて動き出しているなか、中国もその動きを注視しており、国際的な政策の流れが今後も変化を続ければ、それに追随する可能性があると示唆した。
今後を見据え、HK Asia Holdingsは、香港の規制枠組みのもとでビットコイン保有を拡大し、同様の戦略を検討する他のアジア企業の模範となることを目指している。また、今年8月には香港で開催される「Bitcoin Asia」を共同主催し、地域における先駆者としての立場を確立するとともに、アジア全域での企業導入の加速を後押しする方針である。
免責事項:本記事は「Bitcoin For Corporations」のために執筆されたものです。あくまで情報提供を目的としており、有価証券の取得、購入、または申込みの勧誘ではありません。完全な透明性のために、UTXO Managementの親会社であるBTC Inc.は、Sora Venturesおよび他の企業と連携し、HK Asia Holdings Limitedに出資していることを明記しておきます。