Home記事ブラックロックとJPモルガンがビットコインへの投資を強めるなか、ビットコイン価格は9万ドルを突破

ブラックロックとJPモルガンがビットコインへの投資を強めるなか、ビットコイン価格は9万ドルを突破

BlackRockのIBIT保有拡大やJPモルガンの新たなビットコイン連動型仕組債の登場により、機関マネーが再加速。ビットコイン価格は9万ドルを突破した。

11月26日(米国時間)、ビットコイン価格は9万ドルを超えて急騰し、機関投資家の需要の加速とウォール街が設計した新たな暗号資産金融商品の波に後押しされて力強い上昇局面を迎えている。

この急騰は、ブラックロック社が自社の現物ビットコインETF(上場投資信託)へのエクスポージャーを増やしていること、またJPモルガン社がブラックロックのIBITファンドに直接連動する複雑かつ高リスクな仕組債を売り込んでいることを明かす新たな情報開示を受けたものだ。

ビットコイン価格は、24時間安値の8万6129ドルに達した後、9万300ドルを超えて反発し、第4四半期を特徴づける不安定な上昇トレンドを継続している。

ブラックロックによる規制当局への最新の提出書類によれば、Strategic Income Opportunities Portfolioは現在、IBITの239万7423株を保有しており、9月30日時点での評価額は1億5580万ドルとなっている。これは6月の209万6447株から14%増加している。

この着実な増加は、世界最大の資産運用会社が社内ポートフォリオを活用し、ビットコイン関連のポジションを強化していることを示している。

こうした動きは、構造化された暗号資産連動型の投資への需要が大手銀行の間で高まっていることを受けて行なわれている。JPモルガンが新たに提案したデリバティブ(金融派生商品)型の債券は、現在約700億ドルの資産規模を誇る最大のビットコインETFであるIBITを通じて、機関投資家に将来のビットコイン価格に賭ける手段を提供する。

この商品は他に類を見ない、かつアグレッシブな構造となっている。この債券は、IBITの翌月の価格を設定する。1年後にIBITがその設定価格以上で取引されていれば、債券は自動的に償還され、投資家は16%の固定利回りを受け取る。

もし、1年後にIBITが設定価格を下回った場合、投資家は2028年までこの商品を保有し続ける。IBITがそれまでにJPモルガンの次の目標価格を上回った場合、投資家は投資額の1.5倍の利益を上限なしで受け取る。もし、ビットコイン価格が急騰すれば、配当金も追随し同様に大きくなる。

下落局面のリスクに対する保護も備えている。IBITが2028年を30%以内の下落で終えた場合、投資家は元本全額を返還される。しかし、ETFが30%以上下落した場合、損失はIBITの下落率と同額となる。

この商品構造は、債券型の枠組みにデリバティブへのエクスポージャーを組み合わせたもので、金融取引規制機構(FINRA)はこれを「仕組債(ストラクチャードノート)」というカテゴリーに分類している。この種のノートは、伝統的な証券と、基準資産(この場合はブラックロックのビットコインETF)に連動するオプションベースの配当を組み合わせた構造をもつ。

機関投資家への訴求ポイントは明確だ。ビットコイン価格が来年停滞した場合でもリターンが予測可能、2028年までレバレッジによる上昇余地あり、長期的な下落リスクは限定的、というものだ。とはいえ、その代償も同様に明確だ。利息の支払いはなく、連邦預金保険公社(FDIC)の保護もなく、元本の大半または全額を失うリスクがある。

ビットコインのボラティリティ

JPモルガンはリスクについて明確に述べている。同社の目論見書には、投資家は「満期時に元本の大部分もしくは全額を失う可能性があることを受け入れる必要がある」と警告している。さらに、ビットコインのボラティリティは極めて高くなる可能性があり、この債券は同社の無担保債務であることを追記している。

このJPモルガンの最新動向は、ウォール街のビットコインに対する姿勢が変化しつつあることを物語っている。CEOのジェイミー・ダイモン氏はかつて、ビットコインを「チューリップバブルよりも悪い」と揶揄していた。しかし現在、JPモルガンはビットコインの長期的な価格推移に依存する金融商品を開発している。

モルガン・スタンレー社も同様の領域を模索している。同社のIBIT連動型の仕組債は先月、1億400万ドルの調達となった。同行の2年満期の「dual directional autocallable(双方向オートコール可能)」商品は、IBITが上昇または横ばいの場合は配当が増額され、25%まで下落した場合でも小幅ながら利益を確保できる構造となっている。しかし、IBITがこの水準を下回り損失が発生した場合、下支えは存在せず、投資家は損失を直接被ることになる。

アナリストは、これらの商品が仕組債市場の復活を反映していると指摘。ブルームバーグは、リーマン・ブラザーズの破綻で同様の商品に紐づく数十億ドル規模の資産が消失して以降、このセクターは10年以上も低迷していたが、いま再び回復しつつあると報じた。

ビットコイン価格は10月の過去最高値から30%以上下落し、約2カ月にわたる下落局面で市場は神経質な状態が続くなか、8万7000ドル前後まで落ち込んだ。100 BTC以上を保有する「中堅クジラ」のウォレット数は増加傾向にあり、押し目買いの兆候とも解釈されているが、「巨大クジラ」グループによる売却は続いており、スポット需要の弱まりにつながっている。

アナリストは、8万〜8万3000ドルの重要なサポートゾーンが繰り返し試されていると警告している。一方、シティグループは、現在の市場には価格を安定させるために必要な資金流入が不足していると指摘している。

本記事の作成に当たっては「The Block」のレポートを参考にした。本稿執筆時点でのビットコイン価格は、9万49ドルだ。

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  • Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。

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Micah Zimmerman
Micah Zimmerman
Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。
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