だからこそ、9月17日の「ビットコイン・トレジャリーズ・アンカンファレンス」で、ストラテジー社のマイケル・セイラー会長が「ビットコインの時価総額が100兆ドルに達したとき、その上に200兆ドルの信用が築かれることを望んでいる」と発言したのを聞いて、私は不安を覚えた。
JUST IN: Michael Saylor says if Bitcoin hits $100 trillion, there could be $200 trillion in credit built on top of it.
Bitcoin is just getting started 🚀 pic.twitter.com/SbgH9gW7fb
— Bitcoin Archive (@BTC_Archive) September 17, 2025
そして9月18日朝、Coinbase社のCEOであるブライアン・アームストロング氏からも同様のメッセージを聞いたとき、私たちは完全に軌道から外れつつあると感じ始めた。
🇺🇸 COINBASE CEO JUST SAID LIVE ON CNBC THAT $100 TRILLION OF CAPITAL AND CREDIT MARKET CAN BE REBUILT ON #BITCOIN AND CRYPTO
WE’RE “UPDATING FINANCIAL SYSTEM” pic.twitter.com/AmUGAEkeo7
— Vivek Sen (@Vivek4real_) September 18, 2025
ビットコインの起源について詳しくない人のために説明すると、ビットコインは、レバレッジが高すぎる過度な金融システムの結果である、2007年から2009年にかけての世界的な金融危機から生まれた。
サトシ・ナカモトがビットコインをコード化したときのことを考えると、「どうすれば、新しい資産をつくって金融化し、同じ問題を再び引き起こせるだろうか?」と、誰か(またはグループ)が考えていたとは到底思えない。
むしろサトシが念頭に置いていたのは、「時間の経過とともに価値を保存できる新しいかたちのお金をここに示そう。そうすれば、人々は金融商品に過度に依存する必要がなくなる」ということだったはずだ。
私たちが、他の形態の通貨がいっさい存在しない、完全なるハイパービットコイナイゼーションの未来を生きることになるかどうかはわからない。しかし、セイラー氏やアームストロング氏が思い描く100兆ドルから200兆ドルの債務は、他の通貨で構成されていると私は想像する。そして、そのようなシナリオでは、ビットコインは「お金」ではなく「デジタル資本」へと格下げされている可能性が高い。しかし、それは私のヴィジョンではない(公平を期すために言えば、ビットコインはデジタル資本と通貨の両方として同時に使用される可能性はある)。
私のヴィジョンは、コミュニティがビットコインを「お金」として使っている姿、つまり世界中で見られるビットコイン循環型経済に近いものだ。私はこうしたコミュニティのいくつかを訪れ、ビットコインがそのメンバーの生活に計り知れない影響を与えているのを目の当たりにしてきた。
こうしたコミュニティのメンバーの多くは、銀行口座をもったことがなく、広範なデジタル金融システムに参加したこともない。つまり、融資を申請する資格すらもっていない可能性が高い。しかし、ビットコインがあれば、彼らは貯蓄を行ない、その貯蓄をもとに小規模のビジネスを立ち上げることができる。
これこそがビットコインの魔法の一部だ。ビットコインは、従来の金融システムから見捨てられてきた人々に力を与えると同時に、ビットコインにアクセスできる人々を「借金奴隷」になることから救ってくれる。
私たちは、完全に脱金融化された未来を生きることはないかもしれない。それはそれで構わない。それを認めることと、ビットコインが通貨として広く普及する前の段階で、ビットコインを基盤とした金融の未来を思い描くことはまったく別の話だ。サトシが目指したのは、ビットコインをまず「お金」として普及させることだった。
業界でもっとも著名な人物たちが、ビットコインを単なる新しい担保として時代遅れで腐敗したシステムに組み込むことを提案する前に、ビットコインの本来のヴィジョンを実現することを支持してくれたら、どんなにか素晴らしいだろう。
※本記事は、寄稿者によるコラム「Take」です。記事内に述べられた意見は、完全に筆者個人のものであり、BTC IncやBitcoin Magazineの見解を必ずしも反映するものではありません。