これまでのビットコイン価格の強気相場はすべて、急激な上昇とその後の鋭い下落というおなじみのパターンをたどってきた。そして各サイクルにおいて、上昇率は前回よりも低下してきた。この現象は「収益逓減」として知られ、ビットコインに関する最も根強い語りのひとつとなっている。現在問われているのは、今回のサイクルも同じ軌跡をたどるのか、それとも資産クラスとして成熟したビットコインがこのパターンを変えることができるのか、という点である。
ビットコイン価格と収益逓減
これまでのところ、今回のサイクルではビットコイン価格はサイクルの安値から直近の史上最高値まで、およそ630%の上昇を見せている。これに対して、前回の強気相場では2,000%以上の上昇が記録された。同規模の上昇を再現するには、ビットコインはおよそ32万7,000ドルに到達する必要があるが、その実現はますます難しいものに見えている。

進化するビットコイン価格のダイナミクス
上昇の勢いが以前ほど爆発的でない理由のひとつは、「供給調整コイン・デイズ・デストロイド(CDD/長期間動かされていなかったコインがオンチェーンで移動する度合いを測る指標)」と呼ばれる指標に表れている。これは、オンチェーン上で古いコインが移動する速度を追跡するものである。過去のサイクル、たとえば2021年の強気相場では、長期保有者はビットコインがローカル安値から約4倍に値上がりした後に売却する傾向があった。だが今回のサイクルでは、同程度の利確がわずか2倍の上昇後に起きている。さらに最近では、わずか30〜50%の価格上昇でもCDDが急増している。これは投資家層の成熟を反映しており、長期保有者がより早い段階で利益を確定させるようになったことで、放物線的な上昇が抑えられ、市場構造がより滑らかになっているのである。

もうひとつの要因はビットコインのボラティリティである。ビットコインの四半期ベースのボラティリティは着実に低下してきた。これは極端なバブル的急騰の可能性を減少させる一方で、より健全な長期投資のプロファイルを支えることにもつながる。ボラティリティが低下するということは、価格を動かすために必要な資本流入がより大きくなることを意味するが、それと同時にリスク調整後のエクスポージャーを求める機関投資家にとってビットコインがより魅力的になるのである。

これはビットコインのシャープレシオ(投資リターンをリスクで割って効率を測る指標)に表れており、現在ビットコインはダウ平均の2倍以上のスコアを示している。言い換えれば、市場が安定しつつある中でも、ビットコインは依然としてリスクに対して優れたリターンを提供しているのである。

ビットコイン価格と黄金比率
テクニカルな観点から見ると、「ゴールデン・レシオ・マルチプライヤー」(350日移動平均にフィボナッチ比率を掛け合わせ、ビットコンサイクルの天井や収益逓減を予測する手法)は収益逓減を予測するためのフレームワークを提供している。各サイクルのトップは、350日移動平均に対するフィボナッチ倍率の水準と連動しており、その倍率はサイクルごとに低下してきた。2013年には価格は21倍帯に到達した。2017年のトップでは5倍帯、2021年には3倍帯に達した。そして今回のサイクルでは、これまでに2倍帯と1.6倍帯に触れているが、再び2倍水準へ戻る可能性は残されている。

現在のトレンドに基づいて1.6倍帯と2倍帯を将来に投影すると、年末までに17万5,000ドルから22万ドルの範囲が目標として示唆される。もちろん実際のデータはその通りに推移するわけではなく、これらの上限目標に近づくにつれて350日移動平均はより指数関数的に上昇していくだろう。重要なのは、これらの水準は常に変化しており、強気サイクルが進行するにつれて一貫してより高い目標を指し示すという点である。

新時代のビットコイン価格
収益逓減はビットコインの魅力を損なうものではない。むしろ機関投資家にとってその魅力を高める要因となる。下落がより穏やかになり、サイクルが長期化する可能性があり、さらにリスク調整後のパフォーマンスが強化されることが、ビットコインを投資可能な資産として位置づけているからである。しかし、ビットコインが成熟を続けているとはいえ、その上昇余地は伝統的な市場と比較して依然として桁外れである。2,000%超のサイクルは過去のものとなったかもしれないが、ビットコインが主流となり、機関投資家に保有される資産としての時代はまだ始まったばかりであり、今後も他に類を見ないリターンを提供する可能性が高い。
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免責事項:本記事は情報提供のみを目的としており、金融アドバイスとみなすべきではありません。投資判断を行なう際は、必ずご自身で調査を行なってください。
