Home記事第三世界に銀行サービスを提供する夢は、いまもAztecoとともにある

第三世界に銀行サービスを提供する夢は、いまもAztecoとともにある

Aztecoのビットコインギフトカードの新たな流通パートナーシップにより、6億人の新たな潜在的購入者が開拓される。銀行口座を持たない人々に金融アクセスを提供するという夢は、いまも生き続けている。

国際的なビットコインギフトカード企業であるAzteco社は、デジタルギフトカード販売業者との一連のパートナーシップを発表した。これにより、新たに5億9800万人の潜在的購入者にリーチできるようになり、今後の流通契約の展開によっては、最大13億人の潜在顧客が見込まれる。

「私たちはビットコインを名詞から動詞に変えようとしている。つまり“ビットコインする”ことを可能にしたい」と、Aztecoの創業者であるAkin Fernandez(アキン・フェルナンデス)氏は「Bitcoin Magazine」との独占インタビューで語った。Aztecoのブランド名は2014年にビットコインの世界に登場した。以来10年以上にわたり、発展途上国における銀行口座を持たない人々への金融サービス提供に注力しており、そのための技術としてビットコイン・ギフトカードやバウチャーを採用している。

フェルナンデス氏によると、新たなパートナーには、現在2億4000万人のテックに精通した顧客を抱えるゲームソフトウェアおよびハードウェア企業のRazor社も含まれているという。

フェルナンデス氏の共有したデータによると、ブラジル、ヨーロッパ、中東、アフリカに重点を置くその他の流通パートナーシップには、推定3000万人の顧客を抱えるEnterative®LIVE、全世界で推定1億9000万人の顧客を抱えるDTOne、800万人の顧客をもつKaBum!、そして、ブラジルでのコンプライアンスを通過したばかりで、さらに6000万人のユーザーを獲得すると見込まれるPicPayなどが含まれる。

「ビットコインは通貨としてすべての効用を備えており、それは絶対的に巨大な市場といえる。その規模を考えると、現在のビットコインの価格はまったく理にかなっていない」と、フェルナンデス氏はビットコインの潜在的な市場規模について語った。

Aztecoは、当初ジャック・ドーシー氏を含む複数のエンジェル投資家から600万ドルのシード資金を調達していたが、現在、事業拡大資金として400万ドルの資金調達を目標とし、新たなシード期間延長ラウンドを開始している。

「私がAztecoに貢献する理由は、彼らの使命に深い敬意を抱いているからだ。銀行口座を持たない人々の数は非常に多い。私たちにはこのギャップを埋めるための技術とリソースがあるが、これまで誰もその重要な次のステップを踏み出してこなかった。Aztecoは、単に安全な金融システムへのアクセスを提供するだけでなく、地域社会に支えられた経済的自立のための安全なエコシステムを構築している。私は彼らを支援できることを光栄に思う」— ジャック・ドーシー(Block社)

ミッション

「銀行口座を持たない人々に金融サービスを」は、ビットコインの旧世代に人気のあったスローガンだが、Aztecoにおいてはいまなお健在だ。2014年頃にAndreas Antonopoulos(アンドレアス・アントノプロス)氏によって広められたこのミッションステートメントは、ニューヨークやロンドンのような西側諸国のエリート層とそれ以外の世界との間にある、金融サービスやテクノロジーへのアクセスにおける大きな格差を浮き彫りにするものだった。銀行口座を持たない人々はしばしば、遠距離送金手段、適正な価格の信用取引、そして一般的な銀行口座と同等の安全性といった基本的な金融インフラさえももたない。

この「銀行口座を持たない人々に金融サービスを」という明確なユースケースについて、ビットコインの支持者たちは、ビットコインがユーザーの特定を必要とせず、誰が保有しているか、世界のどこから送金されているかにかかわらず機能する無記名資産であるがゆえに、銀行よりもはるかに広く発展できると主張した。安価な携帯電話やテキストメッセージなどの基本的な通信インフラへのアクセスによって、従来の欧米の銀行では管理費や導入コストを正当化できない環境でも、ビットコインの新たな実装が実現し、機能するようになった。

「未来の通貨を体験し、刺激的なテクノロジーを垣間見ることができる。お金の将来像を学び、現在の通貨や銀行がいかに制限されているかを認識することができる。国際的で自由な銀行サービスを享受していない『その他の60億人』にとって、ビットコインはこれまで存在しなかったグローバル経済の一部となるチャンスを提供する。そうした人々にとって、ビットコインは単なる好奇心以上のものであり、世界とつながる扉となるかもしれない」— アンドレアス・アントノプロス(2015年)

ビットコインのこのヴィジョンは、2017年頃にBTCのオンチェーン取引手数料が急騰し始めたことにより困難に直面、いわゆる「ブロックサイズ戦争」へと拡大し、その結果としてライトニング・ネットワークの構築へとつながった。

Aztecoのバウチャーは2014年にはすでに購入可能だった。2025年の現在、Aztecoは技術をアップグレード。2014年当初はバウチャーにオンチェーンのビットコイン・アドレスをネイティブに使用していたが、現在はWallet of Satoshi、Muun、Blinkなどの互換アプリを通じてLNURL標準によるライトニング・ネットワークのサポートを追加している。

Aztecoがビットコインの技術スタックに関して豊富な経験を培ってきたことは、現在のデザインをみても明らかであり、従来のビットコイン購入手段に伴う大きな摩擦を取り除き、美しいパッケージでビットコインを届けている。

既存の銀行システムの手が届かない、銀行口座を持たない、あるいは十分なサービスを受けていない人々への金融サービス提供という経済的議論を超えて、フェルナンデス氏は倫理的なビットコインと非倫理的なビットコインとの区別についても言及している。「Bitcoin Magazine」に共有された未発表の文書の中で、フェルナンデスは次のように記している。

「『倫理的なビットコイン』とは何か? それは、『何が倫理的でないか』を述べることで、もっともよく説明できる。ユーザーの身元を、彼らが使用する通貨やネットワーク上で送信するメッセージ内容に結び付けることは、倫理的ではない。人々が自分のお金を使うことを遮断することも、倫理的ではない。人々を監視し、その情報を使って彼らをコントロールすることも、倫理的ではない。人々が商品やサービスを販売することを恣意的に妨害することも、倫理的ではない」

この発言によって、フェルナンデス氏は既存の金融システムとビットコインの根本的かつ構造的な違いを明確に示している。検閲耐性、つまり政治的情勢にかかわらずユーザーが個人情報を必要とせずに自らのアカウントにアクセスし、価値を移転できるという確信性、これこそがビットコインの「キラーアプリ」なのだ。

これは、「NGU(価格が上がること)」にしか関心がないようにみえるインターネット世代の多くのビットコイナーとはまったく異なるマインドセットだ。たとえそれがETFやビットコイン・トレジャリー企業というかたちであっても、価格上昇を歓迎する姿勢に問題があるわけではない。しかし、おそらく現代のビットコイナー世代は、アントノプロスによるコンテンツに十分に触れていないか、忘れてしまったのかもしれない。彼らは、世界のどれほど多くの人々が既存の金融システムから切り離されており、どれほど多くの人々が銀行口座を持っていないかを認識していないのかもしれない。

 

発展途上国

Aztecoの主張は単なる理念ではない。そこには巨大な市場が存在する。フェルナンデス氏はプリペイド式携帯電話データ市場に着目し、「全世界で34億人のプリペイド式スマートフォンユーザーが存在する」と指摘する。これは、世界人口のほぼ半数がスマートフォンを所有し、さまざまな種類のデジタルバウチャーを使って「都度課金ベース」でスマートフォンをチャージすることに慣れていることを意味する。さらに、彼は「このインターネットネットワークのすべてのユーザーは、Wallet of SatoshiProton WalletBlockstream AppBitKey をインストールすることができる。ただ、自分のAndroidやiPhoneに30秒かけてインストールするだけで済む」と付け加える。

フェルナンデス氏によると、彼らにとって「ビットコインの実用性はWhatsAppメッセージを送るのと大差ない」のだという。WhatsAppはほぼゼロコストで、発展途上国の数十億人もの人々が毎日遠距離で連絡を取り合うことを可能にしている。ビットコインも同様に、決済や送金というかたちで貨幣的価値の移転を高速で実現し、かつ自国の法定通貨からの退避先としても利用可能な、アクセスしやすい資産である。多くの法定通貨はビットコインに対して価値が減少傾向にある。

フェルナンデス氏は、「送金市場は非常に大きく、その規模は年間7820億ドルに達している。仮に、そのうちの12%か15%をビットコインに切り替えるとしたら、それは超破壊的な出来事になるだろう」と指摘し、「WhatsAppと同じように、15人の家族がいて全員がWallet of SatoshiやBlockstream Walletを使うようになれば、たちまち多くの人がビットコインをやり取りするようになり、彼ら全員がビットコインを補給する必要が出てくる」と付け加えた。

当然のことながら問題は、「彼らはどうやってビットコインを手に入れるのか?」という点だ。「アメリカやヨーロッパといった一部の先進国でなければ、取引所でビットコインを取得するのは、まず第一にとても困難だ。第二に、非常に遅くて、プライバシーが侵害される。Aztecoのバウチャーのほうが、彼らにとってはるかに適している。なぜなら、彼らはすでに、ビデオゲームなどを購入している店に行って25ドルのバウチャーを購入したり、スーパーマーケットに行って25ドルのバウチャーを購入できるからだ。そして、そのビットコインを送りたい相手に送ることができる。繰り返しになるが、ユースケースは『お金』なのだ」。

これは単なる理論上の話ではない。フェルナンデス氏は「Bitcoin Magazine」に対して、Aztecoの販売高の一部を共有した。「過去数年間で約50万枚のバウチャー」を販売し、1枚あたり平均で280~315ドル相当の送金が行なわれ、20~30ドル程度の購入が多かったという。「Bitcoin Magazine」は、2024年第1四半期にAztecoが世界中で累計100万人にバウチャーを販売したと報じており、近年、発展途上国で関心が高まっていることを示唆している。フェルナンデス氏は、この数字はさらに大きくなる可能性があるものの、市場拡大における最大の障害はユーザーエクスペリエンスだと考えている。

「いま、ビットコインは史上最高値の12万3034ドルに達しているが、世界中の人々、つまりモバイルユーザーがビットコインをお金として使い、送金し、貯蓄し、オンライン決済に使うとしたらどうなるか、想像してみて欲しい。この12万3034ドルなど、市場規模に比べれば微々たるものだ。しかし、ビットコインが入手困難であれば、こうしたことは何も起こらないだろう。携帯電話にチャージするのと同じくらい簡単に、ビットコインを入手できるようにしなければならない」と、フェルナンデス氏は締め括った。

Author

RELATED ARTICLES
Bitcoin Bitcoin BTC/JPY
¥0
24hr %:
0.0%
24hr High:
¥0
24hr Low:
¥0
Error loading data. Check console for details.
VIEW 150+ BITCOIN CHARTS

LATEST NEWS

custom ad 1