「フィナンシャル・タイムズ」紙の報道によると、JPモルガン・チェースは顧客のビットコインや暗号資産を担保として直接貸付を行なう方針を検討している。実現すれば、米国最大手銀行がETF(上場投資信託)ではなくデジタル資産そのものを融資の担保として受け入れる初のケースとなる。
BREAKING: $4 trillion Wall Street giant JPMorgan is exploring loans backed by clients’ #Bitcoin and crypto holdings. pic.twitter.com/vnCzDVbcSH
— Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) July 22, 2025
同行のCEOであるジェイミー・ダイモン氏はこれまで、ビットコインや暗号資産を支持しない旨の発言をしてきた。しかし、最近はその姿勢が軟化しているようだ。「私は、喫煙は勧めないが、喫煙する権利は擁護する。ビットコインを購入する権利も擁護する。買いたければ買えばいい」と、2025年5月にダイモン氏は語っている。
JPモルガンはこの計画に関するコメントを控えているが、早ければ2026年にも開始される可能性がある。このプログラムを正式に始動するには、例えば債務不履行の融資から差し押さえた暗号資産の扱いなど、技術的な課題を解決する必要がある。また、同行は自社のバランスシート上でビットコインや暗号資産を保管していないため、デジタル資産を保管するために第三者のカストディアン(保管人)を利用することになるとみられている。
2025年5月、JPモルガンの年次投資家向け説明会で、ダイモン氏は「私はビットコインのファンではない」と述べ、ビットコインへの懐疑的な姿勢を改めて示した。しかし同時に、同行は顧客に対してビットコインへの投資機会を引き続き提供してゆくと明言した。同月、同行のアナリストは、企業需要や米国各州によるビットコイン準備金備蓄への関心の高まりを背景に、ビットコインは引き続き金(ゴールド)を上回るパフォーマンスを示すとした予測レポートを発表している。
2025年6月には、JPモルガンはビットコインおよび暗号資産の担保融資の枠組みを拡大し、ブラックロック社のiShares Bitcoin Trust(IBIT)を含むビットコインETFを融資の担保として利用できるようにした。また、顧客の純資産評価において、ビットコインや暗号資産の保有額を株式や不動産などの伝統的資産と同等に取り扱うようになった。
ビットコインや暗号資産を担保とした融資の進展は、ワシントンによる規制の風向きが変化するなか、大手金融機関がデジタル資産により直接的に関与するようになった動きの一環といえる。第二次トランプ政権下ではビットコインに対してより好意的なアプローチがとられており、大手銀行がデジタル資産サービスを拡充するよう奨励されている。