ロシア連邦議会の下院にあたる国家院は、デジタル通貨を規制するための包括的な法案を前進させ、同国の暗号資産市場に対する正式な監督体制構築に向けて大きな一歩を示した。
国家院の議員らは340人のうち327人が賛成票を投じ、法案を第一読会で承認した。「デジタル通貨およびデジタル権利に関する法案」と題されたこの法案は、ロシア政府によって提出されたもので、暗号資産の発行・取引・保管の方法を規定する包括的な枠組みを定めている。
この法律が採択されれば、2026年7月1日に施行される予定だが、一部の条項については施行日がそれより遅くなる場合もある。
この法案は「デジタル通貨の流通」や「デジタル権利の流通の組織化」といった主要な法的概念を定義するとともに、市場で活動できる主体を明確に定めている。規制対象となる参加者は、取引所、ブローカー、運用会社、保管機関、交換業者の5つのカテゴリーに分類される。これらの機関はすべてライセンスを取得し、ロシア連邦中央銀行の監督下で運営されなければならない。
ロシア連邦中央銀行は、これらの機関を認可・規制・監督する権限をもち、取引制限やコンプライアンス要件を課す権限も付与されることになる。
NEW: Russia passes first reading of bill that would clarify Bitcoin and crypto as property and allow it in foreign trade — Russian state owned TASS 🇷🇺 pic.twitter.com/hV7FxYv83A
— Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) April 22, 2026
暗号資産は財産である
この法案の主要な特徴のひとつは、デジタル通貨を「財産」として分類する点にある。この変更により、破産手続きや離婚調停を含む法的紛争において暗号資産の保有が認識されることになる。
同時に、この法案は国内決済における暗号資産の使用を厳しく禁止している。ロシア国内ではロシアルーブルが唯一の法定決済通貨であり続ける。しかし、この法案は海外貿易におけるデジタル通貨の使用を認めており、企業にとっては国境を越えた決済のための新たな手段となる可能性がある。
支持者たちは、この条項によって、ロシア企業が従来の金融システムを介さずに海外のパートナーと取引を行なうことが可能になり、制裁措置を回避するのに役立つ可能性があると主張している。
また、この法案では投資家向けの段階的な制度も導入されている。適格投資家は規制が少ない一方で、非適格投資家は試験に合格する必要があり、年間の暗号資産購入額に制限が課される可能性がある。議員らは、この制度は個人投資家のリスクを抑えることを目的とするものだと説明している。
暗号資産市場へのアクセスは、認可を受けた仲介業者に限定される。こうした仲介業者を介さない直接取引には非常に厳しい規制が課される予定であり、2027年にはより広範な禁止措置が施行される見込みだ。それまではピア・ツー・ピア(P2P)取引は合法のままだが、支払いのブロックやブラックリスト登録といった取り締まり措置がそれ以前に導入される見込みだ。
さらに、この法案はデジタル資産の保管に関する規則も定めている。新たなデジタル保管システムが暗号資産の管理を担い、個人ウォレットへの送金制限や承認された海外機関への出金制限が設けられる予定だ。
マイニング活動もこの枠組みのなかで扱われており、ロシア国内のインフラの使用やマイニングされた資産の正式な会計処理が義務付けられる。
第一読会では強い支持を得たものの、一部の議員や委員会からは修正を求める声も上がっている。国家院の競争保護委員会は過度な規制が市場の発展を阻害する可能性があると警告し、金融市場委員会はノンカストディ型ウォレットに関するより明確な規定と個人保有資産に対する法的保護の強化を求めた。
この法案が成立するには、国家院でさらに2回の審議(読会)を通過した後、連邦院(上院)に送られ、その後大統領の署名を徴する必要がある。第二読会に向けた修正案は2週間以内に提出される予定だ。