Home政治米下院議員ニック・ベギッチ、「米国は押収ビットコインの売却をやめ、金のように扱うべき」

米下院議員ニック・ベギッチ、「米国は押収ビットコインの売却をやめ、金のように扱うべき」

アラスカ州選出の1期目の下院議員で、元テック起業家でもある人物が、米国は押収したビットコインの売却をやめて戦略的準備資産として扱い、AIには核技術に向けるのと同じ冷静な覚悟で臨むべきだと論じている。

下院議員ニック・ベギッチ氏(共和党・アラスカ州選出)は、ニューヨークのPubKeyでビットコイン・ポリシー・インスティテュート(Bitcoin Policy Institute)と対談し、スタートアップ創業者から連邦議会へと至った自身の道のり、目玉となる「米国準備資産現代化法(American Reserve Modernization Act)」、そして人工知能(AI)が併せ持つ可能性と危うさにまで及ぶ幅広い話題を語った。

この対談は、議会の中でも有数の技術に通じた議員の一人の姿を映し出した——ただしベギッチ氏は、そうした特徴を政治家としてのキャリアではなく、その前の数十年に由来するものだと位置づけている。

ベギッチ氏の経歴は、同僚議員の多くとは趣を異にする。ベイラー大学で起業を学び、インディアナ大学で情報技術と意思決定科学に重点を置いたMBAを取得した後、フォード・モーターで働き、その後アラスカに戻ってソフトウェア開発会社を立ち上げた。

クレジットカード1枚とノートパソコン1台から出発し、同社を3カ国にまたがる約150人規模の企業へと育て上げた。事業の中心はアーリーステージのスタートアップ支援で、創業者がパワーポイントのピッチ資料を、出資を呼び込める製品へと変えるのを——多くの場合は株式の取得と引き換えに——手助けするものだった。

その経歴が、ワシントンでの自身の動き方を形づくっているという。「議会は時に、思うように進まない場所だ」とベギッチ氏は言う。「CEOではないのだから、『これをやる』と言って済ませるわけにはいかない」

ベギッチ氏は、下院で求められる合意形成と、スタートアップの日常を規定するような障害の乗り越え方とを重ね合わせた。資金の制約、既得権を握る競合、投資家からの絶え間ない懐疑——そうしたものと向き合う点は共通している。違うのは、議会では残された時間が資金調達ラウンドではなく選挙サイクルで測られることだ、と同氏は指摘した。

速報:🇺🇸 下院議員ニック・ベギッチ氏は、戦略的ビットコイン準備の法案を提出した理由について、世界の準備通貨が「永遠に米ドルであり続けるとは限らない」からだと語った。👀「それはデジタル資産になり得る」🚀 — Bitcoin Magazine(@BitcoinMagazine)2026年6月17日

戦略的ビットコイン準備の論拠

ベギッチ氏がビットコインに足を踏み入れたのは2013年初頭。自身の事業にとって、ドルの価値下落に対するヘッジになり得るという読みからだった。

彼はマウントゴックス(Mt. Gox)の破綻で約440ビットコインを失った——「ゴックスされた(I got Goxed)」と本人は言う——が、破産手続きからは本人いわく前向きな結果を得て出てきており、この資産への確信も損なわれなかった。

その確信はいま、法案という形をとっている。多くの共同提案者を集めた米国準備資産現代化法(ARMA)は、連邦政府が法執行を通じて押収したビットコインを競売にかけるのではなく、保有し続けられる仕組みを設けるものだ。

この発想は、シンプルな問いから出発していると同氏は言う。ビットコインが一民間企業にとって準備資産として機能し得るのなら、政府にとっては何ができるのか、と。

彼の主張は、準備資産にとって譲れないと考える2つの性質に立脚している。希少性と分散だ。金(ゴールド)はその両方を満たしている、とベギッチ氏は言う——産み出すのが難しく、しかも幅広い保有によって、その価値をめぐる合意が何世紀もかけて築かれてきた。

ビットコインも、暗号資産(仮想通貨)エコシステムの中で同じ地位に近づきつつあり、暗号資産の時価総額全体のおよそ60%を占めるに至っている、と同氏は論じた。

「ひとたびそうしたネットワーク効果が働き始めれば」とベギッチ氏は言う。「そのサイクルに早く入っているほど、有利な立場に立てる」

彼はまた、ARMAを保険になぞらえた。ビットコインの覇権に賭けるものではなく、ドルが世界の準備通貨であり続けないという可能性に対するヘッジだ、と。

「準備通貨は、平均すると93年ごとに持ち手が替わってきた」と同氏は指摘し、ポルトガル、スペイン、フランス、英国という歴史上の移り変わりを挙げた。金を保有することは、その現実を認めることにほかならない、と彼は論じる。ビットコインも同じ視点で捉えるべきだ、というわけだ。

AIを巡る期待と懸念

話題は人工知能へと移り、ここでベギッチ氏は、賭け金の大きさについて抑制を効かせつつも率直だった。彼はAIの未来像として、相反する2つを描いてみせた。1つは豊かさに彩られた未来——より安価な医療、より高い生産性、経済的機会へのより広いアクセス。もう1つは置き換えに規定される未来で、人間の役割が大規模に取り除かれることで、彼が言うところの「目的の脱仲介(disintermediation of purpose)」が生じる。

オープンソースのAIモデルをめぐる問いについて、ベギッチ氏は、高度な能力水準においては開放性が無条件に善であるという考えに異を唱えた。彼は、核技術や一部のバイオテクノロジー研究を制限下に置いておく論理を引き合いに出した——非対称なリスクの中には、いったん放たれてしまえば封じ込められなくなるものがある、と。

「魔神はすでに箱の外に出ている」とAI全般について彼は述べたが、フロンティアモデル、とりわけAGI後(post-AGI)のシステムを完全にオープンソース化することは、悪意ある行為者に対し、引き起こし得る被害の実質的な上限が存在しない道具を手渡すことになる、と論じた。

中国のオープンソースモデル戦略についての評し方は、彼の場合鋭い。それは開放性を掲げる姿勢というよりも経済的な道具だ、というのだ——米国のAI開発の投資妙味を損ない、国内のエコシステムを外側から崩壊させる手立てだ、と同氏は示唆した。

Author

  • Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。

    View all posts
Micah Zimmerman
Micah Zimmerman
Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。
RELATED ARTICLES
Bitcoin Bitcoin BTC/JPY
¥0
24hr %:
0.0%
24hr High:
¥0
24hr Low:
¥0
Error loading data. Check console for details.
VIEW 150+ BITCOIN CHARTS

LATEST NEWS

custom ad 1