11月5日午後(米国時間)、ビットコイン価格は7万6000ドル近辺で推移した。「Bitcoin Magazine Pro」のデータによると、Nasdaq主導で半導体株やAI関連株の売りが進み、本格的な調整局面入りとなったことを受け、ビットコインは日中に5%を超える下落となり、7万5000ドル台半ばまで値を下げた。また、10億ドルを超えるレバレッジ取引のポジションが強制清算された。
午後の取引では、午前中に発生した急落がさらに進み、夜間取引で8万ドルを上回っていた上昇分はすでに失われていた。ビットコインは一時的に7万5400ドル付近のサポートラインを試した後、米国の現物市場取引の最終時間にかけて7万6000ドルをわずかに下回る水準で落ち着いた。
ビットコインは午後の取引でおおむね7万5900ドル近辺で推移し、6月以来最大の日中下落幅を記録した。この値動きによって、11月4日に発生したショートスクイーズによる反発は、わずか1日で帳消しとなった。中間選挙後の反発局面を期待し借入資金を使って買いを入れたトレーダーたちは、株式市場が寄り付きと同時に急落すると、真っ先に強制的なポジション解消を迫られるかたちとなった。そして、ビットコイン価格は午前中にサポートラインとして機能していた7万7000ドル付近まで回復することはできなかった。
Nasdaq調整局面入りで、 暗号資産も 下落
今回はウォール街が市場全体の方向性を決定づけた。CNBCの報道によると、11月5日にNasdaq総合指数は約5%下落し、調整局面入り。10月に記録した過去最高値の終値を10%以上下回る水準となった。S&P500種株価指数は約4%下落し、ダウ工業株30種平均は1600ポイント以上値を下げた。
この急落を主導したのは半導体株だった。フィラデルフィア半導体株指数は約11%下落し、iShares半導体ETF(上場投資信託)は2020年3月以来最大となる日中下落幅を記録した。Nvidia社とBroadcom社はいずれも約9%下落し、Qualcomm社も約9%、Tesla社は約11%値を下げた。
投資家は、民主党が議会を掌握したことを受けて、AIデータセンターの建設ペースが鈍化すると見込んでいる。トレーダーは、建設の一時停止や、ネオクラウド事業者に対する融資条件の厳格化を懸念している。こうしたリスクは、中間選挙の結果が判明して以降、半導体関連銘柄やインフラ関連銘柄の重しとなっている。CNBCの取材に応じたアナリストらは、来年に予測されている1兆2000億ドルのAI関連設備投資計画は現在見直しが進められていると語った。
ビットコインは今年の大半を通じて、こうしたAI関連銘柄の値動きと連動して推移してきた。データセンターの資金を確保するためにビットコインを売却してきたマイニング企業は現在、両方の市場で板挟みの状態に陥っている。そのため、電力供給やデータセンター建設をめぐる政治的リスクは、かつては主にビットコイン価格に連動して取引されていた銘柄の株価を直撃している。
レバレッジ取引の 清算が 10億ドルを 突破
強制的な売りが続き、午後に入ってもビットコイン価格は下落圧力に晒された。11月4日のショートスクイーズ局面で積み上がったポジションが先物市場で解消されるなか、24時間で約10億8000万ドル相当のレバレッジをかけた暗号資産ポジションが清算された。そのうち約9億5400万ドルはロングポジションだった。
この清算額のうち約9億ドルは、米国市場の寄り付き後わずか4時間ほどの間に発生した。これにより、株式市場主導の下落は、マージンコール(追加証拠金の請求)が連鎖的に発生する展開へと変わった。同様のレバレッジ取引の解消によって、イーサリアムも2300ドルを下回った。
暗号資産関連株もこれに追随した。ストラテジー社(MSTR)、Coinbase社(COIN)、Circle社(CRCL) はいずれも10%以上下落し、ビットコイン・マイニング企業の株価は最大20%下落した。ビットコインの保有資産全額を1億9200万ドルで売却したKeel Infrastructure 社(KEEL)は約20%下落。CleanSpark社(CLSK)、Cipher社(CIFR)、TeraWulf社(WULF)も、それぞれ12%を超える下落となった。
ビットコイン価格の 今後の 焦点
次の試金石となるのは、11月6日に発表される10月の雇用統計だ。その後、11月10日に10月の消費者物価指数(CPI)が発表され、12月9日には米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定が控えている。暗号資産関連の政策をめぐるリスクも高まりつつある。下院民主党は、2027年1月に委員会の主導権を掌握するのを前に、独自の暗号資産市場構造改革法案の起草を進めている。
市場は、ビットコイン価格が、中間選挙当日や8月以降に何度かサポートラインとして機能してきた7万5000ドル台半ばの水準を維持できるかどうかに注目している。この水準を明確に下抜ければ、ビットコインは数カ月ぶりの安値水準付近まで下落する余地が生まれ、9月の安値が再び視野に入ってくることになる。
週末の雇用統計発表を前に、オプション市場では目立った動きは見られない。一方、現物市場は対照的だ。午後を通して取引量は高水準を維持し、株式と暗号資産は互いに逆方向へ動くのではなく、連動して売られた。
本稿執筆時点で、ビットコイン価格は7万5900ドル近辺で推移している。





