Core Scientific社(CORZ)の経営陣は、11月5日に開催した第3四半期決算説明会で、年末までにビットコイン・マイニング事業からの撤退を完了し、2027年には高密度コロケーション事業に特化した企業としてスタートする方針を明らかにした。同社のマイニング設備群はすでにほぼ半分に縮小しており、今回の発表によって、この事業転換は最終段階を迎えたことになる。
同社のCFOであるジム・ナイガード氏は投資家に対し、「第4四半期中に事業の段階的縮小を完了する見込みだ」と説明。CEOのアダム・サリバン氏は、同じ終了時期について、さらに明確に「年末までにビットコイン・マイニング事業からの撤退を完了する予定だ」と語った。この発言は、米証券取引委員会(SEC)に提出された決算発表資料と同時に公表されたもので、事業転換がすでにどの程度まで進んでいるかを示している。
決算報告書によると、9月30日終了の第3四半期におけるコロケーション事業の売上高は、前四半期比で約60%増加し、2億1540万ドルに達した。一方、デジタル資産の自社マイニング事業による売上高は1230万ドルに減少し、前年同期の5740万ドルから約79%減となった。第三者向けのホスティング型マイニング事業の売上高はわずか520万ドルにとどまった。総売上高2億3290万ドルのうちコロケーション事業が占める割合は、現在およそ92%に達している。
自社マイニング事業は、当四半期に750万ドルの売上総損失を計上した。一方、コロケーション事業の売上総利益は1億2840万ドルで、利益率は60%だった。調整後EBITDAは前四半期比で3倍以上に増加して1億3360万ドルとなり、利益率も前四半期の25%から57%へと拡大した。
AI向けリースが 施設を 埋めるなか、 マイニング事業は 縮小
ナイガード氏によると、Core Scientificが9月末時点で稼働させていたマイニング機器の台数は、2025年末時点と比べて約50%減少していた。同社は、 AIおよび高性能コンピューティング(HPC)の処理需要に対応するため、長期の顧客契約に基づいて電力供給能力と施設内のスペースを転用している。投資家向け資料では、このプロセスは「状況が許す限り」継続すると説明されている。
こうした事業転換を進めている上場マイニング企業は、Core Scientificだけではない。同業他社もビットコインを売却し、AI関連企業に施設をリースしている。また、調査レポートでは、データセンターの建設資金を調達できる企業とできない企業との間で、資金調達の格差が拡大していることが指摘されている。
Core Scientificは9月30日時点で485 MWのコロケーション容量について課金を開始している。これは当四半期に90 MW増加したもので、コロケーション事業の年間平均売上高( GAAPベース)は7億ドルを超える。サリバン氏によると、AI特化型クラウドンピューティング企業であるCoreWeave社向けの施設建設計画において残る約100 MW分は、現在試運転・稼働準備の段階にあり、今後数カ月のうちに収益の計上が開始される見通しだ。
CoreWeaveとの契約済みの590 MWに加え、Core Scientificは半導体メガテック企業であるAMD社の支援を受けた契約に基づき、5カ所のキャンパスで合計530 MWを確保している。初期分の引き渡しは2027年前半、全容量の引き渡しは2028年末までを目標としている。この2社との契約を合わせると、約1.1 GWの容量をカバーすることになる。すべての施設の引き渡しが完了し課金が始まれば、このポートフォリオだけで年間平均ランレート売上高18億ドル、純営業利益16億ドルを生み出すと、経営陣は見込んでいる。
Core Scientificの 財務諸表が 示すもの
ビットコインは、Core Scientificの帳簿上からほぼ姿を消している。9月30日時点のデジタル資産残高は270万ドルとなり、3カ月前の4970万ドル、2025年末の2億2200万ドルから大幅に減少した。今年前半、Core Scientificは事業転換に向けてビットコインを売却する一方で、依然として保有量を増やしていたが、その段階は事実上終わった。
マイニング事業からの撤退には、すでに現金面でのコストが発生している。第2四半期に計上された契約解除損失4190万ドルは、Block/Proto社とのマイニングチップ供給契約を終了するという決定を反映したものだ。AMD関連施設への多額の設備投資とPolaris社の買収を経て、第3四半期末の流動性は約17億ドルとなり、そのうち現金は約8億ドルを占めた。
サリバン氏は今回のマイニング事業縮小について、「より魅力的な長期的成長機会」に向けて事業を簡素化するためのものだと説明した。ナイガード氏はさらに、マイニング事業が業績数値に含まれない「非常に明瞭な損益計算書(P&L)」で2027年をスタートできれば、コロケーション事業の実際の年間収益力を、投資家がより明確に把握できるようになると付け加えた。
今後の焦点は、Core Scientificが第4四半期に予定通り最後のマイニング機器を停止できるかどうか、そして同社の「明瞭なP&L」を伴う事業の成長を維持するために、AMDとの資金調達パッケージが間に合うかどうかだ。





