2月9日、モルガン・スタンレーは上場ビットコイン・マイニング企業3社のカバレッジを開始し、Cipher Mining社(CIFR)とTeraWulf社(WULF)にオーバーウェイト格付けを付与する一方、Marathon Digital社(MARA)にはアンダーウェイト格付けを与えた。
この評価は、特定のマイナーは純粋な暗号資産やビットコインへの投資対象としてよりも、インフラ事業として評価されるべきという同行の見解を反映している。
アナリストのスティーブン・バード氏と彼のチームは、Cipherの目標株価を38ドル、TeraWulfを37ドルに設定した。CIFR株は9日に約134%上昇して16.50ドルとなり、WULFは13%上昇して16.20ドルとなった。
MARAはわずかに上昇して8.28ドルとなった。
モルガン・スタンレーの論旨は、ビットコインのマイニング施設からデータセンター資産への転換に焦点を当てている。
バード氏は、マイナーがデータセンターを構築し、信用力のある相手方と長期リース契約を締結した場合、その資産はビットコインへのエクスポージャーではなく、安定した長期的キャッシュフローに基づいて評価されるべきだと主張した。
彼はこれらの施設を、規模と予測可能な収益により高い倍率で取引されているEquinix(EQIX)やDigital Realty(DLR)といったデータセンター不動産投資信託(REIT)に喩えた。
Cipher Miningはその枠組みの中心に位置している。バード氏は、同社の施設は彼が「REITのエンドゲーム」と呼ぶ段階に適していると説明。これは、リースされたデータセンターが有料道路のように機能し、ビットコイン価格への依存を最小限に抑えながら予測可能なキャッシュフローを生み出すというものだ。
TeraWulfもデータセンター契約の締結実績や電力インフラの運営経験を有しており、このモデルに合致している。同社は2032年まで毎年250メガワットのデータセンター容量を拡張する計画で、モルガン・スタンレーのモデルではベースケースで50%、楽観シナリオで75%の成功率を想定している。
Marathon Digitalについては、より慎重な評価が下された。バード氏は、ビットコイン・マイニングとデータセンター事業展開を組み合わせた同社のハイブリッドな戦略が、ビットコインからデータセンターへの転換による利益拡大の可能性を制限していると指摘した。
Marathonはビットコインの取得とマイニング資金調達のための転換社債発行に重点を置いているため、その企業価値はビットコインの価格によって大きく左右される。
モルガン・スタンレーは、同社のデータセンターのホスティング実績が限られていることと、ビットコイン・マイニングにおける投下資本利益率が歴史的に低いことを、アンダーウェイト評価の要因として挙げた。
ビットコイン・マイニングか、AIか?
今回のカバレッジは、ビットコイン・マイナーが電力事業やAI分野へと進化すべきかどうかをめぐる議論が続くなかで行なわれた。モルガン・スタンレーのスタンスは選別的だ。長期リース契約を結んだデータセンターを有するマイナーは、より高く、より予測可能なリターンを提供できる可能性がある一方で、マイニングに特化している企業は暗号資産のボラティリティの影響に晒され続けるという見方だ。
マイニング利益率の縮小と半減期による収益圧力により従来型の事業の採算性が低下しているため、ビットコイン・マイナーは、プルーフ・オブ・ワークのハッシュパワーから人工知能と高性能コンピューティング向けデータセンターへと、資金および事業運営の重点を再配分している。
Bitfarms社(現在はKeel Infrastructureに改称)やIREN社などの主要な上場マイナーは、AIワークロードのホスティングや、クラウドおよびハイパースケーラーとの長期契約の確保に向けて、従来型のマイニングから全面的または部分的に撤退することを示唆している。