HomeビジネスS&P、ストラテジーに「B-」の格付け ビットコインへのエクスポージャーと流動性リスクを理由に

S&P、ストラテジーに「B-」の格付け ビットコインへのエクスポージャーと流動性リスクを理由に

S&Pグローバル・レーティングは、ストラテジーに対して安定的見通しの「B-」格付けを与えた。継続的な資本市場へのアクセスにもかかわらず、同社はビットコインへのエクスポージャーが多大で、ドルの流動性が限定的であることが理由とされている。

S&Pグローバル・レーティングは、“ビットコインの覇者”であるストラテジー社に「B-」の発行体格付けを付与した。これは、同社のビットコインへの集中度の高さとドル流動性が限定的であることを反映している。見通しは安定的だ。

S&Pは、この格付けについて「ビットコインへの集中度の高さ、事業領域の狭さ、リスク調整後の資本の弱さ、そして、米ドル流動性の低さ」を反映していると述べた。ストラテジーは2025年上半期に81億ドルの税引前利益を計上したが、そのほぼすべてが保有ビットコインの価値上昇によるものだった。

S&Pはリリースで、ストラテジーのバランスシートはビットコインで占められているものの、経営陣は債務の満期を慎重に分散させ、主に株式による資金調達によって柔軟性を維持していると述べた。

言い換えれば、この格付けは、ストラテジーがいまのところ債務を履行できるものの、市場環境が悪化した場合には重大な債務不履行リスクに直面する可能性があることを意味している

ストラテジーはいまや、実質的にビットコイン・トレジャリー企業であり、株式および債券の発行を通じて資金を調達し、ビットコインを購入・保有している。同社の証券は、資本構成に応じて投資家にビットコインへのさまざまなエクスポージャーを提供している。

10月27日、ストラテジーの創業者で元CEOのマイケル・セイラー氏は、10月20日から26日にかけて390 BTCを購入したと発表。購入額は約4340万ドルであり、1ビットコインあたりの平均取得価格は11万1053ドルだった。同社は現在も小規模なAI分析事業を運営しているが、その業績は概ね損益分岐点の水準にとどまっている。

ストラテジーが史上初

このS&Pの格付けは、大手信用格付け機関によるビットコイン・トレジャリー企業の初の格付けとなる。

S&Pによれば、2025年6月30日時点でストラテジーのリスク調整後資本比率は大幅にマイナスとなっているが、これはS&Pが算出にあたってビットコイン資産を自己資本から差し引いているからだという。

ストラテジーは2025年上半期の税引前利益が81億ドルと報告しているが、同期間の営業キャッシュフローはマイナス3700万ドルだった。

S&Pは、いくつかの主要なリスクを指摘。そのなかには、ストラテジーのビットコイン建て資産と、利息・債務元本・優先配当金などのドル建て債務との間に存在する通貨の不一致が含まれている。

S&Pはまた、ストラテジーがビットコインの保管をカストディアンに依存している点を踏まえて、サイバーセキュリティ上のリスクも指摘した。

ストラテジーは約700億ドル相当のビットコインを保有しているが、これに対して80億ドル相当の転換社債を抱えており、その多くは2028年以降に償還が始まる。年間の優先配当金の総額は約6億4000万ドルに上り、同社は追加の普通株と優先株の発行によってこれを賄う計画だ。

S&Pは、ストラテジーの資本市場へのアクセスは依然として同社の中核的な強みとしつつも、ビットコイン価格の急落や投資家の信頼喪失が生じた場合、債務の借り換えや配当金の支払い能力が損なわれるおそれがあると指摘。その結果、「大幅に低迷した価格」でのビットコイン売却につながる可能性もあると警告した。

S&Pはまた、市場へのアクセスが悪化したり、債務管理リスクが高まった場合には、格下げの可能性があると指摘した。一方、米ドルの流動性の改善や転換社債への依存度の低下が見られない限り、ストラテジーの格上げは難しいとしている。

ストラテジーによる1兆ドルの「エンドゲーム」

今年初め、マイケル・セイラー氏はビットコインを通じて世界の金融を再構築するという野心的な計画を打ち出した。

「Bitcoin Magazine」とのインタビューで、セイラー氏は「エンドゲーム(最終局面)」と呼ばれる構想について語った。それは、ストラテジーが1兆ドル規模のビットコインをバランスシート上に蓄積し、年間20〜30%成長させ、それを新たな世界的信用システムの基盤として活用するというものだ。

セイラー氏のヴィジョンの中核にあるのは「スケール(規模)」だ。企業のバランスシート上に十分な量のBTCがあれば、ビットコインの長期的な価格上昇(歴史的な平均で年間約21%)によって資本基盤が飛躍的に強化されると、彼は見ている。

さらにセイラー氏は、従来の法定通貨建て債務よりも大幅に高い利回りでビットコイン担保クレジットを発行できる機会があると考えている。その利回りは、企業債や国債よりも2〜4パーセントポイント高くなる可能性がある。

彼は、このシステムは過剰担保によってAAA格付け債よりもさらに安全になり、同時により広範な金融成長が促進されると主張している。

セイラー氏の構想は信用市場だけにとどまらない。ビットコインが企業、銀行、保険会社、政府系ファンドに組み込まれるにつれ、株式市場の指数はビットコインを間接的に保有する仕組みへと徐々に変化していくと、セイラー氏は語る。

これにより、株式市場や企業のバランスシートに利益がもたらされ、金融商品の利回りが上昇し、透明性も高まると、彼は述べている。

その影響は広範囲に及ぶ。貯蓄口座の利回りはほぼゼロではなく8〜10%になり、マネーマーケットファンドはビットコイン建てで運用され、保険商品はビットコイン担保を基盤に再設計される可能性があるのだ。

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  • Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。

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Micah Zimmerman
Micah Zimmerman
Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。
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