Home記事米国通貨監督庁、銀行によるビットコインおよび暗号資産の保管・取引サービスを正式に容認

米国通貨監督庁、銀行によるビットコインおよび暗号資産の保管・取引サービスを正式に容認

米国の通貨監督庁は新たなガイダンスを発表し、銀行と連邦貯蓄協会が暗号資産の保管および取引サービスを提供できることを明確にした。これには第三者プロバイダーへの業務委託も含まれる。ただし、この業務はリスク管理の実施と規制遵守を前提としている。

アメリカ通貨監督庁(Office of the Comptroller of the Currency:OCC)は、全国銀行および連邦貯蓄協会が暗号資産の保管および取引サービスに従事できることを正式に確認する新たなガイダンスを発表した。この見解は「インタープリティブ・レター1184(Interpretive Letter 1184)」で示されており、銀行は顧客の指示に基づいてカストディ(保管)中のデジタル資産を売買できるほか、カストディ業務や執行サービスなど、暗号資産関連業務を第三者に委託することも可能とされている。ただし、外部委託を行なう場合には、銀行は適切なサードパーティ・リスク管理を実施しなければならない。

この決定は、急成長する暗号資産市場への銀行の積極的な参入を可能にする点で重要だ。現在、アメリカ国内では5000万人以上が暗号資産を保有しており、銀行の参入は市場の成熟と信頼性向上につながると期待されている。OCCによる規制緩和は、銀行が新興の金融テクノロジー分野に責任をもって関与できるようにしつつ、消費者保護および関連法令の遵守を確保するという、OCCの継続的な取り組みの一環といえる。

ロドニー・フッド通貨監督庁長官代行は、公開されたビデオで「金融サービスのデジタル化は単なる流行ではなく、変革である」と強調した。彼はさらに、規制下にある銀行が顧客に代わってビットコインやその他のデジタル資産の保管・管理といったカストディ(資産保全)サービスを提供できることを説明。加えて、「当庁が監督する銀行は、カストディ中の暗号資産を顧客の指示に基づいて売買することも可能だ」と述べた。

このインタープリティブ・レターには、銀行が記録管理、税務報告、コンプライアンス対応といったその他の重要なサービスを提供することも可能と明記されている。また、OCCは銀行がこれらの業務をサブカストディアン(再委託先の保管業者)に委託することも認めているが、これには「適切な第三者リスク管理の実施」が条件とされている。

さらに、フッド氏は「銀行やその第三者がさまざまな暗号資産関連業務を実施することは可能だが、OCCとしては、これらの活動が安全かつ健全な方法で、かつ関係法令を遵守して行なわれることを強く求める」と改めて強調した。

今回のOCCによる明確化は極めて重要だ。なぜなら、これによって銀行は、急増する暗号資産関連サービスへの需要に対応しつつ、セキュリティと規制遵守の両立を図ることが可能になるからだ。ビデオでフッド長官代行は、金融のデジタル化は単に人々のお金とのかかわり方を変えるだけでなく、金融業界全体の構造そのものを変革しつつあると述べた。

これは銀行にとって、伝統的な金融サービスに加えて、暗号資産に関連するサービスを提供することでサービス領域を拡大する好機となる。フッド氏が指摘したように、規制下にある銀行は今後、顧客の暗号資産ポートフォリオを従来の金融資産と同様に管理支援できるようになり、税務報告や取引記録の管理といったサービスも提供できるようになる。

しかし、暗号資産のカストディには特有のリスクが伴うため、銀行はリスク管理を徹底しなければならない。OCCが強調する「安全かつ健全な運用」とは、すべての暗号資産関連業務が確実なセキュリティのもと、法令遵守の体制で行なわれるべきであるという意味だ。

このOCCによるガイダンスの更新は、暗号資産を既存の規制金融システムに統合するうえで重要な一歩だ。明確なルールが整備されたことで、銀行は顧客サービスの幅を広げつつ、ビットコインをはじめとする暗号資産に関する業務を、より責任をもって、かつ安全に遂行できる環境が整ったといえる。

詳細情報は、通貨監督庁(OCC)の公式サイトで参照可能。

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