イーロン・マスク氏は数年の沈黙を破り、再び公の場でビットコインに注目している姿勢を示した。
10月14日早朝、テスラ社とSpaceX(スペースX)社のCEOであるマスク氏は、金融メディア「ZeroHedge」のX(旧Twitter)投稿にコメントするかたちで、ビットコインについて3年ぶりに発言。その投稿では、金(ゴールド)・銀・ビットコインの価格高騰と、人工知能(AI)への支出によって引き起こされた世界的な「通貨価値の低下」との関連性が指摘されていた。
マスク氏は「その通りだ」と返信し、「だからこそビットコインはエネルギーに基づいている。偽の法定通貨を発行することは可能だし、歴史上どの政府もそうしてきた。しかし、エネルギーを偽造することは不可能だ」と続けた。
マスク氏のビットコインに関する言及はX上で即座に注目を集め、市場関係者はマスク氏の新たなビットコインへの関心の潜在的兆候としてとらえたようだ。これは、ビットコインを「デジタル・エネルギー」や「デジタル・ゴールド」と称するナラティブと呼応している。
この投稿の後、ビットコイン支持派のシンシア・ルミス上院議員(共和党/ワイオミング州)はX上でマスク氏の発言を称賛。戦略的ビットコイン準備金は、希少かつ監査可能な資産によって米国債を裏付けることができ、将来的にその大部分を償還するのに役立つ可能性があると述べた。
JUST IN: 🇺🇸 Senator Lummis tells Elon Musk, “Strategic #Bitcoin Reserve is the wisest thing we can do to shore up USD.”
“Given its scarcity, we can also use it in 20+ yrs to retire a meaningful % of US debt.” pic.twitter.com/39TvNSXazR
— Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) October 14, 2025
3月、トランプ大統領は、政府が保有する暗号資産を一元管理するために、戦略的ビットコイン準備金と米国デジタル資産備蓄を創設する大統領令に署名した。
最近押収された140億ドル相当のビットコインを含むこの準備金は、価値の保存手段として保管され、売却は行なわれない予定だ。
イーロン・マスクとビットコインの波乱万丈の歴史
テスラは2021年初頭に15億ドル相当のビットコインを購入し、車両購入の支払い手段としてBTCを受け入れる計画を発表したことで有名になった。
2021年当時、マスク氏は「ビットコインはよいものだと思う。私はビットコインの支持者だ、遅ればせながら支持者だ。ビットコインは伝統的な金融関係者に広く受け入れられる寸前にあると思う」と発言していた。
しかし数カ月後、マスク氏は、ビットコイン・マイニングが化石燃料に大きく依存していることに対する環境面での懸念を理由に方針を転換した。
当時、彼は「テスラはビットコインによる車両購入を一時停止している」と発言し、「マイニングにより持続可能なエネルギーが使われるようになれば、ビットコインによる支払い受け入れを再開する」とも述べた。
CoinGeckoのデータによれば、2022年半ば、市場下落局面の底に近い時期に、テスラは保有していたビットコインのおよそ75%を売却した。残りの保有量は約1万1509 BTCで、現在の価値は推定12億9000万ドル相当になっている。
テスラが保有ビットコインの大半を売却した際の平均価格は、1 BTCあたり約2万9000ドル。ビットコインは最近、史上最高値となる12万6000ドル台を記録している。
それ以来、マスク氏は公の場でのビットコインに関する発言を避け、インタビューでビットコインの話題を振られても取り合わない姿勢をみせてきた。