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ビットコインは不動産から価値を奪っている

世界最大の資産クラスである不動産市場に、ビットコインが破壊的変革をもたらす可能性とその理由を解説する。

世界全体でおよそ400兆ドルの価値をもつ不動産は、地球上で最大の資産クラスであり、世界の株式市場の3倍以上、世界のGDPの約4倍に相当する。より多くの人々が貯蓄を不動産に投資するにつれて、住宅は単なる住居から、大きな貨幣的プレミアムを伴うインフレヘッジ資産へと進化した。

サンフランシスコでも、ロンドンでも、プラハでも、住宅および商業用不動産のオーナーたちは、純賃貸利益がわずか3%であるにもかかわらず、新たな物件への投資を続けている。

理由は非常にシンプルだ。不動産は優れた担保資産だからだ。

通常の市場環境では、銀行は不動産を担保に喜んで融資を行なうため、ほとんど誰でも住宅ローンを組むことができる。住宅ローンを利用すれば、不動産の所有者は初回融資、借り換え、第2抵当ローン、住宅担保信用枠などを通じて流動性を確保することができる。

2008年の危機を引き起こした過剰な投資はあったとはいえ、このシステムは概ね機能してきた。住宅ローンは信用の民主化をもたらし、所有権を手放すことなく流動性を得る手段となった。これが、不動産を価値保存資産の王者たらしめた一因である。

しかし、ここで疑問が生じる。なぜ、不動産だけが選ばれるのか? 仮にあなたが貸し手で、3人の借り手がいたとする。ひとりは金(ゴールド)を、ひとりはフェラーリを、もうひとりは住宅を担保に差し出している。理論的にはすべて担保にできるはずだ。だが、実際にはどうだろう? 毎回、住宅が選ばれる。

それはなぜか? 金は簡単に海外へ移送できるし、車は運転してもち去られてしまう可能性がある。しかし、不動産は土地に縛られており、国家が所有権を法的に保護する限り、貸し手の立場は安全だからだ。

だが、もし法的執行力にすら依存しない担保が存在したらどうだろう? そこで登場するのがビットコインだ。

 

ダビデ対ゴリアテ

担保としてみた場合、ビットコインはほぼすべての指標で不動産を凌駕する。常に利用可能で、世界的に認知され、即時に送金可能で、プログラム可能で、法制度ではなく暗号技術によって保護されている。不動産を売却するには、現地市場、鑑定評価、手数料、資本規制、そして各種規制上のハードルを乗り越える必要があるが、ビットコイン担保の清算はボタンをクリックするだけで済む。

現在、誰もがETF(上場投資信託)や企業の財務戦略に注目しているが、機関投資家による採用が進むなか、ビットコインの次なる自然なステップは担保市場への進出である。ノンカストディアル(自主管理型)のビットコイン担保ローンが民主化されれば、BTCは住宅と同様に活用可能な資本となる。

そして、もしビットコインを担保とした借入が、不動産を担保にした借入よりも簡単、安全、安価にできるようになれば、いったい誰が資産を住宅に保存しておくだろうか?

答えは明白だ。誰もそうしないだろう。

一般的に不動産の価値は、その不動産が生み出すキャッシュフローに市場主導の貨幣的プレミアムを加えたもので決まる。一方、ビットコインは、物理的な制約や所有コストに縛られない、純粋な貨幣価値の表現だ。ビットコイン担保型の信用市場に資本が流れ込めば、不動産に内包された貨幣的プレミアムは必然的に崩壊し、不動産は本来の実用価値へと戻る。

いくつかの指標には、その兆しがすでに現れている。

 

潮目は変わりつつある

昨年、Relaiは、不動産投資家、富裕層顧客、企業が「中央銀行による予期せぬ利下げがもたらす危機に対する究極のヘッジ手段として、ビットコインに殺到している」と指摘した

人口統計では明確な世代交代が起きている。ミレニアル世代やZ世代は、祖父母世代のような一カ所定住型のライフスタイルをそれほど望んでいない。多くの若者は、前述の貨幣的プレミアムの存在により、もはや家を買うことができなくなっている。デジタルノマドやリモートワーカーの台頭は、新たな現実を浮き彫りにしている。現代における理想的な価値の保存手段とは、「携帯可能」で「グローバル」で「インターネットネイティブ」でなければならない。

2024年の調査によれば、Z世代は暗号資産への投資割合が20%で、株式18%、不動産13%、債券11%を上回っている。チャールズ・シュワブ社の調査によると、世代間の格差はさらに顕著だ。昨年、ミレニアル世代の62%が暗号資産ETFへの投資を計画していたのに対し、ベビーブーマー世代ではわずか15%にとどまっている。

ビットコインは、不動産の優位性を大きく揺るがす勢いをみせている。それは、ビットコインが単に価値の保存手段として優れているだけでなく、貸し手が、摩擦のない、プログラム可能で、国境を越える担保としてビットコインを好むという点からも明らかだ。世代間の価値観が大きく変わりつつあるいま、400兆ドル規模の不動産市場に組み込まれた貨幣的プレミアムのほんの一部でもビットコインが獲得できれば、数十兆ドル規模の資金がビットコインに流入することになる。これは単なる資本フローの微調整ではない。世界的な価値設定の転換といえる。ほとんどの人は、これがどれほど急速に起こるのか予期できていない。しかし、それは避けられない出来事だ。

※本記事はMartin Matejkaによるゲスト寄稿です。記事内に述べられた意見は、完全に筆者個人のものであり、BTC IncやBitcoin Magazineの見解を必ずしも反映するものではありません。

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