Home記事Bitcoin Core vs. Bitcoin Knots:行動は言葉よりも雄弁だ

Bitcoin Core vs. Bitcoin Knots:行動は言葉よりも雄弁だ

Knotsの支持者は、自分たちはビットコインの分散化と検閲耐性のある通貨としての利用を支持していると主張するが、彼らの行動はその主張と一致していない。

Bitcoin KnotsのユーザーがBitcoin Coreとの闘いにおいて、自らをビットコインの推進者であり擁護者であると主張するふたつの点を見てみよう。

  • マイニングの分散化
  • ビットコインの通貨としての利用

Knotsユーザーは、マイニングの分散化を目指していると主張しており、その代表例としてOCEANマイニング・プールを挙げている。OCEANのDATUMプロトコルは、表向きはマイニングの分散化、具体的には、ブロックにどのトランザクションを含めるかを決定するテンプレート構築プロセスをさらに推進するために設計されている。

また彼らは、ビットコインを金融ネットワーク、つまり経済取引におけるビットコインの送金を容易にし、それらの取引のセキュリティを確保するネットワークの利用を推進していると主張する。

これらはどちらも極めて重要な目標だ。ビットコインのマイニング・ネットワークが分散化を維持することは、検閲耐性を保つために絶対的に不可欠といえる。マイナーの大多数は、国家(または他の当事者)による強制的な検閲の可能性から解放された状態で存在し、活動する必要がある。この状態になければ、そのようなかたちで強制されたマイナーの単純過半数は、ブロックチェーン上でのあらゆるトランザクションの承認を永続的に阻止することが可能となり、ビットコインの核心にある価値提案を完全に損なうことになる。

ビットコインを通貨としてスケールさせることも非常に重要だ。検閲耐性のある方法でビットコインを取引できる唯一のメカニズムは、エンドユーザーが自身のビットコイン残高の所有権を自ら行使できるようなかたちで、ブロックチェーンそのものに真にアンカーされたものだけだ。

これらふたつは、ビットコインが世界に有意義でポジティブな変化をもたらすために絶対に必要だ。

では、彼らが主張している理念と、実際に行なっていることを比較してみよう。

行動と発言のギャップ

まず、開発者たちは「Stratum v2」と呼ばれるプロトコルの開発に取り組んできた。これは、マイナーがマイニング・プールとのやりとりに現在使用している「Stratum v1」プロトコルの代替となるものだ。Stratum v2は完全にオープンソースとして進められてきた大規模なプロジェクトで、マイニング・プール運営者ではなく個々のマイナーが自分でブロックに含めるトランザクションを選択できるようにすることを目的としている(報酬の支払いは引き続きプールが管理する)。

Block社の新しいProtoマイニング・リグはStratum v2をサポートしており、Braiins PoolやDMND Poolも統合サポートを行なっている。

では、Knots支持者の最大派閥が運営するOCEANはStratum v2をサポートするために何をしたのか? 何もしていない。彼らは独自の代替手段である「DATUM」をつくり出した(将来的にはすべてをオープンソース化すると約束しているが、まだ実現していない)。どちらのソリューションにおいても、プール運営者は個々のマイナーから提案されたブロックを拒否することができ、その結果、マイナーは報酬を受け取らない作業を続けざるをえなくなる。Stratum v2は、そのような状況が発生した場合にマイナーが引き続き報酬を受け取れるよう、即座に別のプールに切り替える機能をサポートしているが、OCEANにはその機能がない。単にソロ・マイニングに戻るだけだ。

さらに、まだオープンソース化されていないため、他のプールは採用できない。これは実質的にOCEANプール専用のベンダーロックインであり、プールはマイナーが提案する任意のテンプレートを拒否することができ、マイナーは自分のブロックテンプレートが拒否された場合に簡単にオプトアウトして別のプールに切り替える方法をもたない。

加えて、トランザクションをフィルタリングする手法は、ネットワーク全体にわたるブロックの伝播を遅らせる。マイナーがブロックを見つけると、彼らはブロック全体を中継するのではなく、ブロックに含まれるすべてのトランザクションを圧縮した「リスト」を含むヘッダーを中継する。これにより、ノードはメンプール内のトランザクションを使用してブロックを再構成し検証する仕組みになっている。ノードがこれらのトランザクションをもっていない場合、ピアからトランザクションを取得し、ブロックを検証し、中継するまでに時間がかかる。

これは小規模なマイナーにとって不釣り合いなほど大きな打撃となる。大規模なマイニング・プールで、この影響のために孤立した(オーファン化した)ブロックが発生した場合、つまり、別のマイナーがネットワーク全体に伝播する前にブロックを発見した場合、その大規模マイナーは孤立したブロックの上に構築される次のブロックを発見する可能性が非常に高く、その結果、そのブロックを「保存」してブロックチェーンに組み込むことができる。

そのような状況では、小規模マイナーが次のブロックを見つける確率は高くない。これは彼らにとって不利になり、もっとも高い手数料を支払うトランザクションを処理することが、実際には損失につながる可能性がある。一方、大規模マイナーは次のブロックを見つけて最初のブロックを孤立化させない可能性が高い。

OCEAN(とKnots支持者)は、自らをマイニング分散化の擁護者と称しながら、実際にはさまざまな方法でマイニングの分散化を積極的に損なっている。

次に、ビットコインを通貨として利用する点について見てみよう。エフェメラルアンカーは、Lightningをより効率的に機能させるための最適化だ。詳細な説明はこちらを読んでほしい。重要なのは、それによってLightningのユーザーがオンチェーンでチャネルを閉じる際に支払う手数料を大幅に効率化できる点だ。

Knotsの最新リリースでは、デフォルトでこれらのトランザクションがフィルタリングされ、ネットワーク全体に中継されない。Lightningユーザーが協力的でなくチャネルをクローズしなければならない場合、それは自分の資金を守るためだ。Lightningの実装はそれぞれ異なる段階に移行しており、Knotsはこれらのトランザクションがマイナーに中継されるのを積極的に阻止している。

それがどうやってビットコインの通貨としての利用を促進するのだろうか? 繰り返しになるが、マイニングの分散化と同様に、彼らは主張とは真逆の行動をしている。Citreaもまたその一例であり、金融取引のスケーリングを目的として設計されたビットコインのレイヤー2だ。KnotsのOP_RETURNフィルターは、このレイヤー2の正しい動作を保証するために必要なトランザクションを中継しない。

彼らが何を言うかではなく、何をするかが重要だ

Knots支持者はビットコインの擁護者を自称し、ビットコインが分散型で検閲耐性のある通貨であり続けるよう尽力していると主張する。しかし、その行動は正反対の目標に向かっている。

彼らがマイニングの分散化を「推進する」ために行なっていることは、実際にはマイニングの中央集権化を悪化させる力学を生み出している。

ビットコインはお金であると宣言し、その利用を主な目標として擁護する一方で、彼らがリリースし運用するソフトウェアは、ビットコインのお金としての利用をスケールさせることを至上の目的とする複数のレイヤー2を積極的に弱体化させている。

彼らはビットコインの擁護者を自称しながら、実際には特定の種類のビットコイン取引を阻止することを最終目的としたキャンペーンに文字通り全力で取り組んでいる。

結局のところ、これはオープンネットワークであり、人々はそのオープンネットワークとやりとりするために、どんなソフトウェアでも実行できる。これがビットコインの極めて重要で本質的な側面だ。これはソフトウェアの問題ではなく、人の問題なのだ。

これは、ビットコインの領域にいる人々が掲げる目標、表明している価値観が、Knots支持者が実際にとっている行動とはまったく逆であるという問題だ。ここ数年にわたってBitcoin CoreとKnotsをめぐる論争全体を支配してきたオーウェル的な「Newspeak(ニュースピーク:新語法。ジョージ・オーウェルの『1984年』で描かれた架空言語。作中の全体主義体制国家がつくった新しい英語で、その目的は、国民の語彙思考を制限し、党のイデオロギーに反する思想を考えられないようにして、支配を盤石なものにすることにある)」に最終的に気付くことができるほどに、ビットコイナーたちが賢明であることを願っている。

「党は君に、目と耳で聞いた証拠を拒否するように言った。それが彼らの最後の、そしてもっとも重要な命令だった」

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  • Shinobi(シノビ)は、ビットコイン分野における匿名の独学教育者である。彼は、ニュースや技術に焦点を当てたビットコインのポッドキャスト「Block Digest(ブロック・ダイジェスト)」の共同ホストを務めたほか、ピーター・マコーマックと共に、非技術系ユーザーに技術的な概念をわかりやすく解説する「What Bitcoin Did Tech Show」にも出演していた。彼が自分について語るのは、これだけである。

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Shinobi(シノビ)は、ビットコイン分野における匿名の独学教育者である。彼は、ニュースや技術に焦点を当てたビットコインのポッドキャスト「Block Digest(ブロック・ダイジェスト)」の共同ホストを務めたほか、ピーター・マコーマックと共に、非技術系ユーザーに技術的な概念をわかりやすく解説する「What Bitcoin Did Tech Show」にも出演していた。彼が自分について語るのは、これだけである。
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