イラン政権が、ホルムズ海峡を通航する船舶から「保険」名目でビットコインなどの支払いを受け取り、制裁回避を図っていた——米財務省外国資産管理局(OFAC)は発表でそう指摘した。
OFACは、これに関与したとされるイラン政権関連の企業を制裁対象に指定した。ホルムズ海峡は世界の石油の5分の1が通過する要衝だが、2月に米国とイスラエルがイランを攻撃して以降、通航する船舶はほとんどない状態が続いている。
OFACは声明で、イラン経済省が開発したホルムズ・セーフについて、制裁を回避するために「ビットコインおよびその他のデジタル資産による支払いを受け入れている」と指摘した。
「経済が自由落下し、インフレ率が3桁に達するなか、イラン政権は現金を切実に求めている」。スコット・ベッセント財務長官は声明でこう述べた。
「米国は、イランが世界の商取引を人質に取ることも、国際海運をIRGCのテロ、侵略、弾圧の資金調達に使うことも許さない」
OFACによると、Persian Gulf Marine Insurance Company(PGMIC)とHormuzSafe Marine Services Authority(ホルムズ・セーフ)の2社は、商業船舶にホルムズ海峡通航のための「保険」の購入を強いる、イスラム革命防衛隊(IRGC)支援のスキームを運営していた。
イランが海運企業向けにビットコイン決済を受け入れる保険サービスを始めたことは、5月にブルームバーグが最初に報じていた。
米国は今月に入り、イラン政権に関連する暗号資産を凍結したと発表している。その大半はステーブルコインのテザーだった。
テザーのUSDTのようなステーブルコインは、発行体が特定のアドレスを凍結できる。一方、単一の発行体を持たないビットコインには、発行体が同様の措置を取る仕組みはない。
専門家は、ホルムズ海峡の閉鎖が続けば、原油高を通じて米国とイランの戦争が景気後退につながりかねないと警告している。