「Bitcoin MENA」カンファレンスにおいて、Binance社の創業者であるチャンポン・ジャオ(CZ)氏は、世界金融におけるビットコインの役割がどのように進化しているかについて、かなり広範な見解を示した。
彼は、米国での法廷闘争からドナルド・トランプ大統領による恩赦まで個人的な経験に触れながらも、発言の焦点は一貫してビットコインの軌跡と可能性に収束していった。
BTC IncのCEOであるブランドン・グリーン氏とともに登壇したCZ氏は、現在の採用サイクルはこれまでの波とは異なると述べた。これまでのサイクルは個人投資家主導だったのに対して、現在のサイクルは大規模な機関投資家の積極的な参入を反映しているという。
機関投資家によるビットコイン採用
ビットコインETF(上場投資信託)から企業の戦略的準備金に至るまで、ウォール街や大手金融機関が暗号資産のエコシステムに参入している。
CZ氏は「おそらく、これまでのサイクルよりも多くの機関投資家が参入している」と指摘。草の根運動と機関投資家の金融を橋渡しすることで、ビットコインは世界金融システムへのより広範な統合に向けて前進するだろうと主張した。
このトークでは、ビットコイン採用の道筋が本質的に予測不可能であることが強調された。
CZ氏は、ビットコインが従来の決済インフラと統合されることで成長の可能性があると見ている。
暗号資産カードのようなツール、つまりユーザーが暗号資産で支払い、加盟店は法定通貨を受け取る仕組みによって、ユーザー側の需要が拡大し、より広範な普及の土台が築かれる。
また、ステーブルコインもビットコインの投資的魅力を損なわずに取引を促進するうえで重要な役割を果たすだろうと、彼は指摘した。
ビットコインの“4年周期”に関するCZの見解
さらに、CZ氏はマクロ経済環境や政策の変化がビットコインの軌道にどのような影響を与えるかについても見解を示した。
“4年周期”は長らく強気相場と弱気相場の予想を左右してきたが、政府の金融政策などの外部要因がいまや同等かそれ以上の影響力をもつ可能性があると指摘した。
CZ氏は、ビットコインや暗号資産が「スーパーサイクル」に入っているかもしれないとさえ語った。
JUST IN: Binance founder CZ says the 4-year #Bitcoin cycle might be dead, and we may see a supercycle 🚀 pic.twitter.com/rl4Ie6JoQQ
— Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) December 9, 2025
彼は、米国の利下げや量的緩和の可能性が暗号資産市場に流動性をもたらす要因であると指摘し、次のサイクルは過去のパターンとは異なる可能性があることを示唆した。
しかしながら、ビットコインの制度化はネットワークの草の根的な起源に取って代わるものではない。CZ氏は、個人の小口保有者が依然として大多数を占めており、ビットコインの国際性はそのアイデンティティの不可欠な要素であると強調した。
彼は、機関投資家の参加はビットコインをニッチな技術から広く認知される資産クラスへと押し上げた世界的なムーブメントを補完するものであり、変革をもたらすものではないと語った。
CZの個人的な歩み
議論を通じて、CZ氏は「中国の農場で育った」少年時代から投獄経験まで、すべてがビットコインの進化と密接に絡み合ってきたという個人的な歩みを振り返った。
彼は、米国規制当局からの厳しい監視、投獄の可能性、そして、最終的にトランプ大統領による恩赦を受けた経験を語った。この恩赦はエリザベス・ウォーレン上院議員をはじめ民主党議員から「腐敗行為」だと批判を受けた一方、トランプ政権は「ジョー・バイデン政権による暗号資産への行き過ぎた弾圧を是正するための措置」と位置付けた。
CZ氏はBinanceの日常業務から退いた後も、業界の発展のために尽力し続けている。彼は政府に対して暗号資産規制について助言することに注力してきた。
さらに、暗号資産規制の枠を超えて、CZ氏は教育とイノベーションにも関心を向けている。彼はアクセス性と社会へのプラスの影響を重視し、「Giggle Academy」を設立した。これはゲーミフィケーションを取り入れた無料のデジタル教育プラットフォームで、現在およそ9万人の子どもたちに利用されている。
CZ氏はビットコインのレガシー(遺産)とインパクトについて繰り返し考察してきた。マイケル・セイラー氏をはじめとする業界関係者がビットコインにひたすら集中していることを称賛する一方で、自身の役割はビットコインを補完するもの、つまりビットコインの優位性を推進しながら、複数のチェーンに跨るイノベーションを促進することだと考えている。
彼は「ビットコインそのものは素晴らしい。暗号資産におけるグローバルな準備通貨であり、おそらく近い将来には世界中でそうなるだろう」と語った。
🇦🇪 MICHAEL SAYLOR JUST HAD A MEETING WITH CZ AT BITCOIN MENA
₿ULLISH 🚀 pic.twitter.com/si6FuJAIJD
— Bitcoin MENA Conference (@bitcoinmenaconf) December 9, 2025
対話の最後に、CZ氏は自分の目標は変わらず明確であると改めて強調した。それは、暗号資産の世界的な普及と認知度を高めることだ。機関投資家への働きかけ、政策提言、イノベーションの促進など、あらゆる活動を通じて、彼は草の根的なレベルとより広範な金融エコシステムの「架け橋」としての役割を果たすべく邁進している。
本稿執筆時点で、ビットコイン価格は9万3000ドルに向けて急騰中だ。
