特定の法律や裁判所の判決により、オンラインでのコミュニケーションや取引の際にプライバシーを守ることがますます難しくなっている。しかし、ビットコインの政策提唱者であるフレディ・ニュー氏との最新インタビューで共有されたように、プライバシーを維持するために実行できるステップがある。
ただし、そのステップに進む前に、最近の英国と米国でオンラインプライバシーがどんな悪影響を受けているのかについて、背景を少し説明しておこう。
7月25日は、英国の「Online Safety Act(オンライン安全法)」が施行された初日だった。この法律は、子どもが有害または年齢にふさわしくないコンテンツにアクセスするのを防ぐために、英国のインターネットユーザーが特定のウェブサイトを閲覧する前に身元情報を入力することを義務付けている。
米国では最近、ビットコインのミキシングサービスである「Samourai Wallet(サムライウォレット)」の創設者が無認可の送金事業の運営で有罪を認め、また、イーサリアムのミキサーである「Tornado Cash(トルネードキャッシュ)」の共同創設者も同じ罪で有罪判決を受けた。
前述の通り、最近のオンラインプライバシー環境は「かなりひどい」(英国の友人の言葉を借りれば)状況だ。
しかし、ニュー氏はいまは絶望する時ではないと断言する。むしろ、インターネットを使用する際に匿名性をより高めるための具体的な行動をとる時だと主張している。
オンラインプライバシーの強化方法
・VPNを使用する
VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)を使用すると、IPアドレスを隠し、個人情報を匿名化しながら、リモートサーバー経由でインターネットを閲覧できる。代表的なVPNには、Mullvad VPN、Obscura VPN、Proton VPNなどがある。「オンライン安全法が施行された日に、Proton VPNのダウンロード数は1800%も急増した」と、ニュー氏は説明する。
・完全暗号化されたメールサービスを利用する
Proton Mail、Mailfence、Hushmailなどのメールサービスは、送信するメールを暗号化し、送信者と受信者だけが内容を読めるようにする。ニュー氏はインタビューで、「Gmailの代わりにProton Mailを使うことを検討している」と述べている。
・Nostrキーペアを設定する
ニュー氏は、PrimalやIrisといったNostrクライアント経由でNostrキーペアを設定することを推奨(予想以上に簡単だ)。このクライアント経由でNostrを使用するには、身元識別情報を入力する必要がないためだ。これらのクライアントはソーシャルメディアプラットフォームとして機能し、世界最大のビットコイン循環型経済への接続に役立つ。
・プログレッシブ・ウェブアプリ(PWA)の仕組みを学ぶ
PWAとは、AppleのApp StoreやGoogle Play Storeではなく、ウェブブラウザからアクセスできるアプリのこと(iPhoneアプリではなくウェブブラウザ経由でXにサインインするようなもの)。ニュー氏は、このようなアプリを使用することで、通常よりも多くの身元識別情報を要求されるGoogle Play StoreやApp Storeの「管理された世界」を回避できると説明する。
・APKの使い方を学ぶ
APK(Android Package Kit)は、Google Play Storeを経由せずにAndroid端末にアプリをダウンロードできるファイル。ニュー氏曰く「この週末、BitchatというAPKをダウンロードした」。この新しいアプリは、スマートフォンでよりプライベートにコミュニケーションできるよう設計されている。
・ビットコイン・ハードウェアウォレットを入手する
ハードウェアウォレットは、RelaiやCashAppなどのカストディアプリよりもプライバシーの高い取引を可能にする。ニュー氏からは「TrezorやCOLDCARDの購入を検討してみてはどうでしょう」とのアドバイス。
上記のアドバイスに従うことで、オンラインプライバシーを大幅に向上させることができる。
もし、すべてを一度に行なうのが大変だと感じる場合は、まずはひとつかふたつのステップから実行して、自分自身のプライバシーを徐々に強化していってほしい。
ニュー氏はインタビューでこう述べている。「デジタル時代に完璧なプライバシーをもつ人などいないが、ほかの人より少しだけ優れていることはできる。プライバシーをわずかでも改善させることは、何もしないよりはマシだ」