先週掲載した〈BM Big Read〉の長編記事「When Bitcoin Picks a Political Side( ビットコインが政治的立場を選ぶとき)」(日本版未掲載)で、進歩的なビットコイナーのジェイソン・マイアー氏は、政治的選択について熱く深く掘り下げた自論を披露した。マイアー氏は、ビットコイナーたちは昨年の米国大統領選挙の直前にドナルド・トランプ氏を支持するべきではなかったと主張した。なぜなら、数年後には、それが私たちを後退させることになるからだ。トランプ大統領との政治的提携によってビットコイナーが得たであろう利益は、政治的スペクトラムのもう半分、つまり進歩派やより広範な左派民主党支持者を排除することで帳消しにされてしまう、というのだ。
トランプ大統領とビットコイン業界、特にBTC Inc.のCEOであるデヴィッド・ベイリー氏との明確なつながりのせいで、「私にとっては、友人や家族、同僚とビットコインについて話すことがすでに難しくなっている」と、マイアー氏は書いている。
彼は、進歩主義者とビットコインについて話すのは決して簡単ではなかったと認めているが、少なくとも2024年までは「会話はビットコインについてだった。しかし、いまはトランプについてだ」と述べている。
マイアー氏は、2020年代前半にビットコインや関連業界に対する攻撃が続いていた時期のビットコイナーのように、自己利益に反する投票は避けたいと考える人々に共感を示すと主張する。しかし、マイアー氏は彼らが時間選好度の低さを基本理念としていないとして、不当に彼らを非難している。
私は、マイアー氏や進歩主義者たちはこの業界がどれほどの重圧に晒されているかに気づいていないと思う。それは、彼ら自身の盲目的な政治的偏見によるところが大きい。
結局のところ、マイアー氏はここでハイパービットコイナイゼーションから逸脱する。
ビットコイン・コミュニティは、ビットコイナーたちのアメリカの未来に対するヴィジョンへの攻撃を食い止めるために、大統領選に出馬するカリスマ的な有名人政治家と政治的提携を結ぶ必要があった、という感情に共感するのは容易い。しかし残念ながら、コミュニティの一部の人々が感じていた政治的提携への切迫感は、ビットコイン運動の基盤となる反脆弱性(逆境に強い性質)と低時間選好性(長期的視点)を裏切る結果となった。
これは幼稚で理想主義的な見解だ。
「オペレーション・チョーク・ポイント2.0」の間、私たちは銀行口座を奪われ、慌てて新しい銀行プロバイダーを使って自社スタッフの給料を支払わなければならなかった。ライトニングサービスのプロバイダーは国を離れ、IBEXが去ったため、私たちも苦境に立たされ、突然ビットコインでの購入を受け付けるための新しい解決策を考え出さなければならなかった。そして、ビットコインの導入を推進することに対して、監査や規制による攻撃の脅威が常に付きまとった。
業界内外のビットコイナーたちは、それらすべてに対する不満を和らげるべきだった。そうすれば、おそらく10年後には、草の根レべルの普及がより成功するだろう……?
言い換えれば、ビットコインを理解する可能性がもっとも低い人々を説得するには、より多くの時間(とお金?)が必要だというだけで、私たちは一歩引いて、ビットコイン業界のために犠牲を払うべきなのだろうか……?
マイアー氏の主張には、自らが支持する政治的グループのためにビットコインを推進するという利己的な姿勢が根底にある。まさに自己中心的だ。『A Progressive’s Case for Bitcoin(進歩派が考えるビットコイン支持論)』の著者であるマイアー氏は、長年この運動に取り組んできたが、成果はほとんど上がっていない。進歩派は、議員たちにビットコイン支持を説得することに大失敗している。
バイデン政権下で政治的攻撃や規制の取り締まりを受けながらも積極的に対処してきた私たちが、分極化を招く政治家と提携することが左派の人々にとって不快に見えるというだけの理由で、衰退の道をたどるべきなのだろうか?
なぜ、主に政治的に不可知論的なビットコイナーたちは、事実上空虚な夢を実現しようとする世界の進歩主義者たちを、「時間的選好度が低い」という建前でいつまでも待たなければならないのだろうか?
どのような基準からみても、ビットコインを擁護するリベラル/進歩主義的な運動はまったくジョークのようなものだ。
I have a new long-read piece on @BitcoinMagazine where I articulate the danger of partisan capture for Bitcoin. Please take a look! DMs open 🧡https://t.co/YhgF5VBP2H
— Jason Maier (@cjasonmaier) August 1, 2025
※本記事は、寄稿者によるコラム「Take」です。記事内に述べられた意見は、完全に筆者個人のものであり、BTC IncやBitcoin Magazineの見解を必ずしも反映するものではありません。