ハンガリー政府は、オルバン政権下で導入された厳格なデジタル資産規制の枠組みを撤廃する。暗号資産取引を非犯罪化し、主要プラットフォームを国外に追いやってきた懲役刑を廃止する内容で、政府報道官のアニタ・コボル氏が木曜に明らかにした。ブルームバーグが報じた。
今回の撤回は、2025年7月1日に施行された法律を全面的に覆すものだ。同法は、無認可取引所の利用や一部の無許可の高額取引を犯罪とする規定を議会が可決して成立した。
対象となる取引は5,000万フォリント(約16万2,000ドル)から5億フォリント(約162万ドル)の範囲で、取引額に応じて個人に最長2年または5年の懲役が科された。中央銀行の認可なく事業を行うサービス提供者には、最長8年の懲役が科された。
規定は暗号資産と法定通貨、暗号資産同士の交換の双方について承認済みの検証を求めており、その負担からRevolutなどのプラットフォームがハンガリーでの暗号資産サービスを停止した。さらに、規制がEU全体のルールに準拠しているかをめぐるEUの調査の引き金にもなった。
国内取引高は、地元企業が高額なコンプライアンス費用を負担するなかで減少した。
🇭🇺 ハンガリーがビットコイン・暗号資産取引を非犯罪化へ、Bloombergが報道 👀
昨年導入された厳格な規制を見直す方針です。
(詳細は画像ALTにて) pic.twitter.com/rfiijWMAuy
— Bitcoin Magazine Japan (@BitcoinMagJapan) June 12, 2026
「政治的動機による」対ビットコイン規制
ハンガリーのゾルタン・タナーチ科学技術相は、従来の規定を市場保護策ではなく「政治的動機によるもの」と評し、罰則を撤廃する政府の意向を表明した。
新政権は、市場参加者への刑事訴追を廃止し、NIS2指令の対象となる約4,000のハンガリー企業に影響するサイバーセキュリティ規則を見直したうえで、国内法をEUの暗号資産市場規則(MiCA)に整合させる計画だ。
当局は、ハンガリーのデジタル規制環境を再構築する手本としてエストニアを挙げている。タナーチ氏によれば、改革によって国際的なプラットフォームをハンガリーに呼び戻し、国内事業者の摩擦を減らすことが見込まれるという。ブルームバーグが伝えた。
この転換はハンガリー国内にとどまらない意味を持つ。オルバン政権期の枠組みはEUで最も厳格なものの一つで、EUの調査はハンガリーを、域内の暗号資産活動を規律する広範なMiCAの枠組みと対立する立場に置いていた。
MiCAへの整合は、現在27加盟国すべてを拘束する規制基準にハンガリーの足並みをそろえさせることになる。
ハンガリーの方針転換は、各国政府が懲罰的な暗号資産政策を見直すより広い潮流に沿うものだ。4月にはパキスタンの中央銀行が8年間に及ぶ暗号資産事業の禁止を解除しており、新興国における規制緩和に向けた動きの一環とされる。
こうした動きの重なりは、デジタル資産の機関投資家による採用が世界的に加速し、MiCAのような枠組みの下で国境を越えた規制協調が深まるなか、一国だけで制限的な規制を敷くやり方が次第に立ち行かなくなりつつあることを示唆している。
ハンガリー政府は、法改正がいつ施行されるかの時期をまだ定めていない。