米マイアミで開催されたConsensus 2026において、ビットコインを企業財務に組み込む「ビットコイン・トレジャリー企業」の幹部らが、BTC担保型の新たな金融市場について議論した。テーマとなったのは、ビットコインを裏付け資産とする「デジタル・クレジット」市場である。
CoinDeskによると、関係者はこの市場について、将来的に最大3兆ドル規模へ拡大する可能性があるとの見通しを示した。もっとも、この数字は現在の市場規模ではなく、世界全体の信用市場(約300兆ドル)のうち1%がビットコイン担保型商品へ振り向けられるという前提に基づく長期試算だ。
現在の市場規模は、直近1年弱で発行された約100億ドル相当にとどまる。しかし、ETF承認後に機関投資家のビットコイン需要が拡大する中、単純な現物保有に加え、「BTCを担保に利回りを生み出す商品」への関心が高まっているとみられる。
BTC担保型クレジット市場の拡大
代表的な事例として挙げられたのが、Strategyによる優先株モデルである。同社はビットコインをバランスシート上で保有しつつ、その資産を裏付けとして永続優先株型の商品を発行している。購入者は定期的な配当(クーポン)を受け取る構造で、従来型金融とビットコイン財務戦略を接続する試みとして注目を集めてきた。
また、Striveも「SATA」という類似商品を展開しており、BTC担保型クレジット市場への参入企業は徐々に増えつつある。関係者は、こうした商品を「ETF後の次の機関向けBTC商品カテゴリー」と位置づけている。
一方で、この市場には固有のリスクも存在する。ビットコイン価格が大きく下落した場合、担保価値の低下によって配当原資や財務健全性が圧迫される可能性がある。実際、Strategyは2026年第1四半期決算で、ビットコイン価格下落に伴う大規模な評価損を計上しており、BTC担保型金融商品の持続可能性は今後も重要な論点となりそうだ。
また、「デジタル・クレジット」というカテゴリ自体も、まだ形成初期段階にある。規制や会計基準、担保評価のあり方など、整理されていない論点は多い。
それでも、ビットコインを単なる保有資産としてではなく、「信用市場に組み込まれる担保資産」として利用する方向性は、機関投資家市場における新たな潮流として注目され始めている。