米国現地土曜日の夜、市場は凍りついた。ドナルド・トランプ大統領が欧州に対する包括的な新関税計画を発表したのだ。その衝撃が価格に織り込まれたのは、週明けの市場が動き出すタイミングだった。
翌日曜日の米国東部時間午後6時頃(日本時間 月曜午前8時頃)、暗号資産市場を襲った強烈な売りの波は、ビットコインのみならずアルトコイン市場全体をも巻き込み、大規模な強制清算(ロスカット)の連鎖を引き起こした。
Bitcoin Magazine Proのデータによれば、世界最大の暗号資産は95,500ドル近辺から、わずか2時間足らずで日中安値となる91,935ドルまで滑り落ちた。
この突発的な急落劇により、わずか60分間で5億ドル以上のレバレッジ・ロングポジションが消し飛んだ。市場データによれば、暗号資産全体でのロング清算額は同時刻帯に5億2,500万ドルを超えている。
その後、価格は92,600ドル近辺で一旦の安定を見せているものの、過去24時間比では約2.5%の下落となっている。
今回の売り浴びせは、トランプ氏が「2月1日から欧州諸国に対して新たな関税を導入する」と明言したことで高まった、マクロ経済の不確実性と符合する。
この新関税案では、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、英国、オランダ、フィンランドの8カ国からの輸入品に対して10%の関税が課される。さらに合意に至らなければ、6月1日までに税率は25%へ引き上げられるという。
トランプ氏はこの措置を、米国によるグリーンランド獲得の交渉と結びつけており、大西洋を挟んだ緊張関係は一層のエスカレーションを見せている。
欧州の指導者たちは即座に猛反発した。共同声明において、対象国は関税の脅しが「危険な下方スパイラル」を招くリスクがあると警告。デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は「欧州は脅迫には屈しない」と語気を強めた。
週末にはデンマークやグリーンランドで抗議活動も報告されており、政治的な余波は拡大の一途をたどっている。
皮肉なことに、この混乱の中で金(ゴールド)価格は上昇を続け、執筆時点で約4,670ドルという史上最高値を更新した。
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— Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) January 19, 2026
ビットコイン価格に影を落とす経済状況
これに加え、連邦最高裁判所は近く、トランプ大統領が緊急権限下で包括的な関税を課す権限を有していたか否かについて判決を下す予定だ。この判断は、貿易政策や連邦歳入に重大な影響を及ぼす注目のケースとなる。
焦点となっているのは、国際緊急経済権限法(IEEPA)の行使だ。トランプ氏は貿易赤字を国家非常事態と宣言し、広範な関税(大部分の輸入品に対する一律10%の関税を含む)を課すために同法を利用した。
ロイター通信やTax Foundationの報告によれば、もし最高裁がトランプ氏に不利な判決を下せば、政府はすでに徴収した1,000億ドル以上の関税を払い戻す必要に迫られる可能性がある。これは防衛費や予算計画の前提を根本から覆す事態だ。
逆に、裁判所がトランプ氏の権限を支持すれば、既存の関税は維持され、グリーンランドに関連した欧州製品への関税といった将来的な措置も進行することになる。輸入業者はすでに双方の結果に備えており、多くが払い戻し請求権を確保するために貨物を「未通関(unliquidated)」の状態に留め置いている。
ビットコイン価格は7日間の高値である95,468ドルから約3%下落し、執筆時点では7日間の安値92,284ドルを上回る狭いレンジ内で推移している。現在の循環供給量は1,998万BTC、最大供給量は2,100万BTCに固定されている。
世界のビットコイン時価総額は約1.85兆ドルで、前日比約2%減。24時間の取引高は320億ドルに達した。